表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第8部 狙われたエドル
218/273

【陰謀の代償Ⅲ】

『おかしい・・・こんなはずがない。』


マーティンの力説は(こう)(そう)していない。

彼の期待に反して摂政の反応は(かんば)しくなかった。


マーティンは摂政の顔色を(うかが)いながら話をしていたが、彼は氷のような無表情のままだ。


マーティンは自身の提案が空回りしている事にようやく気付いたが、その理由が分からない。

こうして彼は致命的なミスを犯す事になる。


『クソッ、これでもまだ不足だと言うのか・・・ならば!』


マーティンは相手の興味を引こうと、さらに踏み込んだ提案を行う。


「それではこのような手はいかがでしょうか?」


「・・・・・・」


「摂政殿下におかれましては、アムロード侯爵に娘がいる事をご存知でしょうか?」


「!」


相手の表情が初めて変化した事に自信を得たマーティンは、勢い込んで話を続ける。


「サアラという名前の一人娘ですが、ついでにこの者も始末してしまいましょう。 そうすれば貴国の障害となっているアムロード家を完全に無力化出来るのは間違いございません!」


『この男、墓穴を掘ったな・・・』


謁見に同席していたビショップ宰相は思わず顔に手を当てたままうつむいてしまう。


ところが肝心のマーティンは自分が虎の尾を踏んでしまった事に全く気付いていない。


マーティンの言葉を聞いたクリストファーの目がみるみるうちに青白く輝き始める。


「・・・そうか、貴公はサアラを始末してくれるというのだな?」


(おお)せの通りです、摂政殿下。危険性においては父親のエドルに比べて取るに足らないような娘ですが、それでも将来の禍根(かこん)を絶つ意味では有効でしょう。」


「なるほど、サアラに手を出そうとはな。」


「えっ?、あの・・・」


()()は実に危険な人物だ。」


摂政の声色(こわいろ)に底知れぬ恐怖を感じたマーティンは必死になって取り(つくろ)うとする。


「危険!?・・・お待ち下さい、危険なのはアムロード家であって私は殿下の味方です。何かのお間違えではございませんか?」


「いや、私は間違ってなどいない。」


「しかし・・・」


「黙れ!!」


摂政クリストファーは相手を一喝した。

次回「再び公国へⅠ」は、9月11日(水)午前6時頃に公開予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ