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【事情聴取Ⅶ】
「それほど私を犯人扱いしたいなら、今ここで証拠を見せてみろ!」
「・・・・・・」
「物証が有るのか? 証人はいるのか? どうなんだ、アムロード卿!?」
「ご両人とも少し落ち着かれよ。」
たまらずアレンが両者の間に割って入る。
「最初に申し上げた通り、今回お集まり頂いたのではリヴェラーノ卿に対して純粋に事情を聞く事が目的であって、犯人探しではありません。」
ここでアランはわざとマーティンにだけ視線を向けると、念を押すように語りかける。
「その上で敢えて申し上げますが、王家はこの問題がこれ以上拡大する事を望んでいません。もしアムロード卿への襲撃が今後も続く様であれば、王家の本格的な介入もあり得るという事はご承知頂きたい。」
「・・・そもそも当家とは何の関わりも無き事。好きにされるが良かろう。」
そのままマーティンは退場し、事情聴取は後味の悪いまま終わった。
次回「事情聴取Ⅷ」は、8月20日(火) 20時頃に公開予定です。




