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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第8部 狙われたエドル
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【事情聴取Ⅵ】

「アムロード卿、話が終わっていないとは如何(いか)なる意味か?」


不意に呼び止められたマーティンは不機嫌さを隠そうともしない。


エドルはその質問には答えず、無言で(ふところ)からガラス瓶を取り出した。


彼はそのままガラス瓶の(ふた)を開けると、中に入っている緑色の液体を無造作にポトポトと床に()らす。


それを見たマーティンの表情が(わず)かに(ゆが)むのをエドルは見逃さなかった。


「ほぅ・・・儂には卿の顔色が青ざめているように見えるのだが、如何(いか)されたかな? 卿はまるでこの液体が何であるかをご存知のようだ。」


「何を馬鹿な事を・・・そもそも事件の真相が知りたければ私に聞くより、実行犯を直接尋問した方が余程早いと思うが?」


「実行グループの主犯は取り逃がしたのでな・・・それはできない相談だ。」


エドルの答えを聞いたマーティンは、ここぞとばかりに嘲笑する。


「ハハハハハ、天下のアムロード家ともあろう者が、肝心の主犯を取り逃がすとは何たる不手際。当家に対してあれこれ言う前に、まずは足元の体制を見直すべきですな。」


「確かに主犯は取り逃がしたが、それ以外のメンバーは身柄を確保している。」


「フン! それでは()()()()のメンバーに真相を確かめる事ですな。良い成果が出る事を期待していますよ。」


その言葉を聞いたエドルの眉がピクリと動く。


「卿は今何と言われた?」


「・・・?」


「『もう一人』とはどういう意味だ? 儂は実行グループの人数が二人などとは、一言も話していないぞ。にもかかわらず貴殿は実行グループが二人だと断言された。なぜ二人だと分かる?」


エドルの追及を受けたマーティンは絶句する。


「我々以外にその情報を知っている者がもし居るとすれば、それは実行犯の雇い主しかあり得ない。」


エドルはギラギラとした眼差しで相手を(にら)みつけながら言い(はな)つ。


「グレンダを殺したな! 貴様に忠誠を捧げた部下を、自分の保身のために虫けらでも殺すように殺したな!」


「何を根拠にそのような・・・」


「リヴェラーノ卿、貴様は何故グレンダの事を知っているのだ? 彼女が何者かを知っているのは・・・」


「証拠を見せろ!!」


マーティンはエドルの追及を絶叫に近い大声で(さえぎ)った。

次回「事情聴取Ⅶ」は、8月19日(月) 20時頃に公開予定です。

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