【突入Ⅰ】
作戦本部に隣接する小部屋にジェシーを軟禁すると、四人は真っ直ぐエドルの執務室に向かった。
その途中でマーサがサアラに話しかける。
「お嬢様、ジェシーはあのように素直に白状しましたが、グレンダの方は一筋縄ではいかないかもしれません。」
「何故そう思うの?」
「身柄を確保した時のグレンダの態度を見る限り、自分が持っていた触媒を素直に出そうとはしませんでしたし、それ以外にもしらを切ったり、逃げ出そうとまでしましたので、今から事情聴取をしても反抗的な態度を取るか、黙秘するかのいずれかで、お嬢様が先程なされたような方法では口を割らないと思います。」
「そう、困ったわね・・・」
マーサとサアラがそんな話をしている内に、四人は執務室の前に到着した。
最初に異変に気付いたのは執務室の鍵を開けようとしたマーサだった
「・・・変ね、部屋の鍵が開いています。」
そのまま無警戒にドアを開けようとするマーサの行動を、アルフレッドが低い声で制する。
「マーサ殿、下がって!」
マーサと交代してドアの前に立ったアルフレッドは躊躇なく抜刀すると、声を低めたまま他のメンバーに警告する。
「今から私が突入します。他の方々はドアから十分な距離を取ってください。」
「分かった。」
マーサとサアラを連れて安全な位置まで下がったエドルは、万一の事態に備えて刀の柄に手をかけ、いつでも抜刀できる準備を整える。
三人の様子を確認したアルフレッドは無言で頷く。
『では参る。』
アルフレッドは勢い良くドアを蹴破ると同時に部屋の中に突入した。




