【共犯者Ⅴ】
「ジェシー、これについて貴女が知っている事を全て教えて貰えるかしら?」
サアラはジェシーの宿舎から押収した薬瓶を見せながら、事情聴取を続行する。
「薬瓶自体は単なる容器で実際に使うのは中身の液体です。」
「中身がどういうものかは聞いている?」
「いいえ。薬瓶の中身が何かについては知らされておりません。 私がグレンダさんから教えられたのは使い方だけです。」
「それでは使い方を教えてもらえますか?」
「はい。まず魔法陣を置いたら、同じ部屋で薬瓶の中にある緑色の液体を2~3滴床に垂らします。 それが終わったら息を止めたまま急いで部屋の外へ出てドアを閉める、それだけです。」
「液体を数滴垂らすだけ? 本当にそれだけなの?」
「はい・・・あっ!それから仮に忘れ物をしても、絶対に部屋に戻るなとは言われました。 死んでしまうからと・・・」
魔法陣の発動メカニズムは触媒さえ持っていれば誰にでもできる、極めて単純なものだった。
こうしてジェシーの証言により、暗殺実行部隊の計画は全容が判明した。
だがアムロード家にとって真の敵は実行部隊などではない。
その奥に潜んでいるリヴェラーノ伯爵だ。
そして実行部隊とリヴェラーノ伯爵を繋ぐ接点は、目の前にいるジェシーではなかった。
『やはり鍵となるのはグレンダね・・・』
サアラの関心は既に次のターゲットに向けられている。




