【屋根裏部屋へ】
実行犯の身柄を確保したアルフレッドとマーサは、そのまま次の目的地である屋根裏部屋に向かった。
王都屋敷の屋根裏部屋は主にメイドの宿舎として使われている。
エドルの執務室から屋根裏部屋への通り道で二人を待っていたのはサアラである。
本当はサアラも実行部隊の一員としてグレンダの身柄の確保を手伝いたかったのだが、安全が保障できないという理由で参加が許されなかったのだ。
サアラの前で立ち止まった実行部隊の二人に対して、彼女は簡潔に状況を確認する。
「首尾はどうでした?」
サアラの質問に対して、マーサが誇らしげに答える。
「成功です、お嬢様。 犯人の身柄の確保と触媒の押収は終わりました。」
「そうですか! それで触媒は何処に?」
「こちらです。」
マーサは薬瓶をサアラに手渡すと、次の行動に取り掛かる。
「私たちはこれから予定通りジェシーの宿舎に向かいます。お嬢様は旦那様への報告をお願い致します。」
「分かったわ、あなた達も十分気を付けて。 最後まで気を抜いては駄目よ。」
「お任せください。」
マーサは一礼すると、アルフレッドと共に屋根裏部屋に続く階段を駆け上がっていく。
二人を見送ったサアラも人目に付かないように、エドルが待つ別館へと戻っていった。




