【作戦会議Ⅲ】
「旦那様、大体こういう事はもっと早くこのマーサに相談して頂くべきでした。ランドンの事ならともかく、王都屋敷で起こっている事件、しかもメイドが絡んだ事件なら、私にきちんと言って頂かなければ困ります。メイド長として責任が持てません。」
「いや、すまんすまん。儂が悪かった。 別にお前をないがしろにしたつもりはないのだ。」
『お父様に頭を下げさせてしまうなんて、さすがマーサね。』
怪鳥騒動の時以来、久しぶりに発動したマーサの危機管理能力に改めて感心したサアラは、どうしても彼女に確かめたい事があった。
「マーサ、一つ確認したいのだけど、二人のハウスメイドは仕事で日常的にこの部屋に出入りしているの?」
「ジェシーとグレンダはまだ屋敷に入ったばかりですから、ハウスメイドと言えども、この部屋への出入りを許してはおりません・・・いえ、お待ち下さい、思い出しました!」
「何かあったの?」
「先々週にこの部屋を担当するハウスメイドが病気で休んだ事がありましたが、その時に交代要員として臨時に清掃を行わせた事がございます。」
「その時に部屋に出入りしたのは!?」
「グレンダです。」
「それはグレンダが一人で清掃を行ったという事ね?」
「その通りです。」
「お父様・・・」
ここでサアラはエドルに裁可を求める。




