表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第8部 狙われたエドル
152/273

【王都の惨劇Ⅲ】

「かもしれない?」


「その時、西の離れにいた使用人は口封じのため、全員が殺されていた。だが不思議な事に彼女(ハンナ)だけは何の外傷も見当たらなかった。」


「!」


「同じようにリヴェラーノ伯爵とその部下たちの身体にも全く外傷は無かった。にもかかわらず、屋敷にいた人間はことごとく死んでいたんだ。」


「・・・一体何があったのでしょう?」


「だから本当の所は、そこで何が起こったのかについて、(いま)だに分かっていない。現場の関係者が全員死んでしまったので確かめようが無いんだ。」


「・・・・・・」


「先程言ったように王国では貴族同士の私闘を禁じている。そのため事件を知った王室の判断で表向きリヴェラーノ伯爵や彼女(ハンナ)は事故死という扱いになり、私闘は無かった事にされた。そして惨劇の舞台となった西の離れは()()()()放棄された。」


「それが西の離れが使われていなかった本当の理由なのですね。」


「事が事だけに、この事件は極秘に処理されたからな。今、お前に話した真相を知っているのは、亡くなった前国王と王室筆頭秘書官のアラン、それに()()一人の生き証人であるアルフレッドを含めた()()()数名に過ぎない。家令のマリスでさえ知らない話だ。」


「お待ち下さい。先程お父様は関係者は全員死んでしまったと言われましたが、生き証人がいたのですか?」


「アルフレッドは事件の直前に現場を脱出した。お前の母親からお前を逃がす様、依頼されたのだ。その生き証人のおかげで、今話した内容までは事実が明らかになった。しかしそのアルフレッドも最終局面においては現場にいなかった。」


「まさか私も関わっていたなんて・・・」


「お前はまだ生まれたばかりだったからな。記憶が無いのは当然だ。他の当事者は、全員があの惨劇で死んでしまった。これは王国の最高機密であり、まだお前に明かすつもりは無かったのだが、事情が変わった。そしてそれこそが、お前が滞在先のデール公国から急遽呼び戻された理由でもある。」


エドルの話は()()()()核心に近付こうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ