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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第1部 悪役令嬢の追放
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【強制力】

サアラは馬術大会の結果に不自然さを感じていた。


アムロード家の王都屋敷に戻った彼女は、改めて今日の出来事を振り返る。


ゲームの中では、ランストン家の馬が最終競技直前に「怪我」をし、競技への出場が(あや)ぶまれたソフィアに対して、アムロード家が「偶然」連れてきていた馬をランストン家に貸し出すというのが、元々のストーリーになる。


しかしサアラは()()()()、その選択をしなかった。


これはゲームには存在しない選択肢であり、それを選んだ時点で彼女はイベントの不成立を覚悟した。


ところが回避したはずの暴走事故は発生した。

ヒロインがウィルド王太子に助けられるというゲームのシナリオ通りの展開となったのだ。


確かにどんなに大人(おとな)しい馬であっても、暴走の可能性は否定できない。


しかしそれがよりにもよって()()タイミングで起こるものだろうか?


サアラはこれを単なる偶然として片付ける事は出来なかった。


『つまりこの世界では一定の条件さえ整えば、必ずしもゲーム通りの行動をしなくても強制的にイベントが発生して、ゲーム通りの結果になるという事?』


今回の件だけで結論を出すのは早急かもしれない。

しかしそう考えれば辻褄(つじつま)が合う事も確かだ。


もしこの世界に「強制力」とでも呼ぶべき力が働いているのだとすれば・・・


『あれ?・・・私がそんなに真面目に頑張らなくても追放してもらえるって事?』


「強制力」の存在、それはサアラの目的にとって間違いなく有利に働くだろう。


しかし仮に「強制力」なるものが存在したとしても、彼女には「強制力」の発動条件が分かっていなかった。


それが分からない以上、(みずか)らの意思で強制力をコントロールする事は難しい。


『強制力は保険程度に考えるべきだわ・・・』


そう結論付けたサアラは、今まで通り全力でイベントに取り組む事を改めて決意した。

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