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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第7部 デール公国
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【宿所防衛戦Ⅰ】

『もう朝ね・・・』


公都中心にある広大な摂政公邸の一室で目覚めたサアラは、まだ半分まどろみの中にあった。


摂政公邸は謁見(えっけん)所や大広間といった、摂政が政務を行うための公的(パブリック)エリアと、摂政が生活するための私的(プライベート)エリアに分かれている。


サアラの宿所として提供された部屋は「警備上の理由」により、この私的(プライベート)エリアのど真ん中に位置していた。


サアラが目覚めた丁度その時、部屋のドアがノックされる。


「サアラ、私だ。」


『まずい!』


その声がクリストファーである事を認識したサアラはベッドから飛び起きると、相手に聞こえる様に大声で返答する。


「殿下! 少々お待ちを・・・」


そんなサアラの努力も(むな)しく、クリストファーは躊躇(ちゅうちょ)なく扉を開けて入ってくる。


「サアラ、今日は天気が良いから馬で外に出かけよう。」


薄手の夜着しか身に付けていないサアラは着衣の乱れを手探りで確かめながら顔を真っ赤にして抗議する。


「殿下! 少しお待ちくださいと()()()()申し上げたはずです。何で毎回毎回勝手に入って来るんですか!?」


「ちゃんとノックしているではないか。」


「私はまだ身支度を整えておりません。」


「そんな事は気にしないよ。」


「殿下が気にされなくても私の方が気にするんです! 」


「こういう事にも慣れて貰わないとな、サアラ。将来の予行演習だと思えば良い。」


「だから何の予行演習ですか!? とにかく今から着替えますので、一旦出て行って下さい!」


「手伝おうか?」


サアラは手近にあった枕を全力でクリストファーに投げ付けた。


「おお怖っ・・・」


クリストファーは軽口を叩きながらようやく部屋を出て行く。


ドアに耳を当てて彼の気配が消えた事を確認したサアラは、安堵(あんど)のため息を漏らすと身支度に取り掛かった。

次回「クリストファーの告白Ⅰ」は、11月25日(土)20時頃に公開予定です。

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