表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第7部 デール公国
129/273

【姫と不審者Ⅰ】

会場に戻ったサアラを待っていたのは、宰相のビショップだった。


彼はサアラに近付くと、他の人に聞こえないような小声で耳打ちする。


「ミス・アムロード、摂政殿下が()()()にお会いになります。」


「分かりました。それではオリソン卿と共に参ります。」


「いえ、それには及びません。摂政殿下はまず()()()と話したいと申しております。オリソン卿には後で我々から声をかけさせて頂きます。さあ、どうぞこちらへ・・・」


ビショップに導かれたサアラは再び会場を後にする。


サアラが連れて来られたのは、二日前にも来た謁見(えっけん)所だった。


『いよいよだわ、万が一にも失礼が無いようにしなくては・・・』


デール公国を率いる事実上の最高権力者との対面を前に、サアラの緊張はいやが上にも高まる。


ビショップは謁見(えっけん)所の扉をノックすると用件を告げる。


「ミス・アムロードをお連れしました。」


「入れ。」


その言葉を受けたビショップが扉を開けて、サアラに入室を(うなが)す。


「どうぞお入りください。」


『一人で行けという意味か・・・』


対面が余人(よじん)(まじ)えずに行われる事を理解したサアラは、覚悟を決めて部屋に入ると、摂政の前まで歩みを進めた。


(おもて)を上げよ。」


摂政の許しを得て顔を上げたサアラは、相手の顔を確認する。


『あれ? この人どこかで見たような・・・』


強い既視感を覚えたサアラは無意識のうちに相手の顔を注視する。


確かめるようなサアラの視線を感じ取ったクリストファーは、ニヤニヤしながら彼女の疑問にヒントを与える。


「また会えたな。」


その瞬間、中庭での出来事がフラッシュバックしたサアラは、今が謁見中である事も忘れ、思わず相手を指差しながら大声で叫んでしまう。


「アーッ!! さっきの不審者!」

次回「姫と不審者Ⅱ」は、11月21日(火)20時頃に公開予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ