【良い知らせ】
翌日
朝の定時報告のため摂政の執務室を訪れたビショップは、真っ先に良い知らせを口にする。
「摂政殿下、ミス・アムロードは本日午後にオリソン子爵と共に挨拶に来るそうです。」
「分かった。相手はお前がしてやってくれ。」
「お会いにならないのですか?」
意外そうな表情のビショップに対して、クリストファーの方は落ち着いた表情だ。
「彼女は既に私の手の内にある。焦る事は無いよ。」
「殿下がそれでよろしいのであれば、私に意見はございませんが・・・」
「会いはしないが顔は見たい。平均以上というお前の評価が本当であるかも気になるしな。」
「殿下!?」
驚いた様子のビショップにはお構いなく、クリストファーは話を続ける。
「公邸の謁見所には控室があるだろう? 私は面通しをしてもらう証人と一緒に、そこから彼女を観察させてもらう。」
「・・・承知しました。」
「お前は平均以上というが、私の評価は厳しいぞ。きっと違う結果になるな。」
「さようでございますか。」
サアラについて楽しそうに話すクリストファーを、ビショップは目を細めながら見ていた。
次回「謁見」は、11月15日(水)20時頃に公開予定です。




