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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第6部 レラン高原の戦い
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【謹慎Ⅱ】

「どうぞ」


扉を開けて入ってきたのは若い兵士だった。

彼は昨日サアラと行動を共にした直属部隊の中で最も若い騎士だ。


「姫様、朝食を持って参りました。」


夕食を食べられなかったサアラにとって久しぶりの食事だ。


『おいしそう・・・』


彼女は目を輝かせながらワゴンに乗せられた朝食に手を付ける。


「昨日あんな目に遭われたというのに、よくそんなにパクパク食べられるものですね・・・」


あっという間に朝食を完食しそうな勢いのサアラを見ながら、騎士は呆れたように感想を述べた。

幼い頃からの知り合いである二人は互いに本音をぶつけ合える関係である。


「あら、運動した後はお腹が空くものよ。それに謹慎中は食べること以外にすることが無いわ。」


「運動って・・・あなたはもう少しで死ぬところだったのですよ。」


「そんな事より()()()()はある?」


「・・・用意して参ります。」


「待って。」


溜息をついて立ち去ろうとした彼を呼び止めたサアラは現状を確認する。


「敵の様子は?」


「デール公国の侵攻部隊は全て引き上げました。今はすっかり普段通りです。王国の完全勝利ですよ。」


『そうだろうか?』


誇らしげに報告する彼の言葉に、サアラは違和感を覚えていた。


明確な根拠があるわけではない。


しかしサアラの感覚ではデール公国が負けて引いたというより、余力を残したまま()()()引いたように思えてならなかった。


ただ彼女の見解が正しかったとしても()()を証明する(すべ)は無いし、彼女自身、公国がなぜそのような行動をとったのかを説明する事が出来ない。


ましてやデール公国が引いた理由の一つに自分が含まれているなど、完全に想像の範囲外だ。


『とにかく戦争は終わったし、これでもうデール公国と関わる事も無いでしょう。』


公国摂政の動きを知らないサアラは能天気に構えていたが、彼女の予想とは真逆の方向に事態は動き出していた。


第6部 了

第6部 戦争編はこれで終了です。

明日から第7部が休み無しに始まります。

戦争編とは打って変わった内容となりますのでお楽しみに。


次回「外交方針Ⅰ」は、11月4日(土)20時頃に公開予定です。

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