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追放ルートを目指します!  作者: 天空ヒカル
第6部 レラン高原の戦い
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【死地】

「姫様、右翼より新手! こちらに真っ直ぐ突っ込んできます!」


味方の騎兵の声を受けて反射的に右を見たサアラが目にしたのは、十数騎の騎兵がこちらに向かって殺到する光景だった。


もはや相手の軍旗を確認するまでもなかった。


彼らはこちらを、正確には指揮を()っているサアラを(たお)すべく向かってきた事を、彼女は一瞬で理解した。


そしてそれはウィルドへの追撃阻止のため味方が広く展開し、サアラへの警護が手薄になった最悪のタイミングで訪れた。


「周りを固めろ! 姫様をお護りせよ!」


アルフレッドが必死に叫び、それを受けた騎士たちがサアラを護るべく戻ろうとするが、如何(いかん)せん乱戦の中では思うようには動けない。


その状況で新手が突っ込んできたのだ。


『あぁ、これは死ぬわね・・・』


サアラは自らの死を覚悟する。


『悪役令嬢、戦場に死す、か・・・せめて華々しく散りましょう。』


サアラは素早く弓矢をつがえる。


『世の中には階段から落ちて死ぬ人や、雷に打たれて死ぬ人だっておりますわ。アムロード家の人間が戦場で死ねるとは武門の本懐。ですがただで首を差し上げるつもりはなくてよ。せめて一騎でも討ち取って見せます!』


サアラが先頭の騎兵に狙いを定めると、至近距離から放たれた矢は見事に相手の急所に命中し、騎兵は落馬した。


『まずは一騎!』


しかし第二射はもう間に合わない。


「セイッ!」


アルフレッドが気合いと供に二番目の騎兵の突撃は何とか防いでくれたものの、さらに後続の騎兵が襲い掛かってくる。


状況は絶望的だった。


それでもサアラは抜刀し、最後の抵抗を(こころ)みる。


『お父様、先立つ親不孝をお許しください!』

次回は、10月28日(土)20時頃に公開予定です。

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