叶わぬ願い~final~
https://ncode.syosetu.com/n6524ho/
↑は前回のです
君が死んで何か月がたったのだろう?
私を助け死んだ君は白い箱になって帰ってきた。
君は白い箱となり帰ってきているのに居ないように思える。
リピートしている思い出たち。
仏壇の写真の君は笑っているけれど、どうしても雫が零れてしまう。
君が書いてくれた手紙、見てないんだよね...
見るのが怖くて見れないんだ。
何が書いていても現実だけど怖い。
君の病気は奇病で確か、花吐き病だっけ?
医師からはもう治ることはないって言われたよね。
そんな短い寿命で、一日一日大切にしないといけないのに
私が壊してしまった。
イジメもどんどんエスカーレとしていって、ずっと引き籠ってる。
でも今日、君の手紙を読もうと思う。
めそめそしたって私じゃない。
思い切って手紙を開けた。
----------------------------------------------------------
親愛なる優ちゃんへ
これを開けるのに何か月くらいかかったのかな?
優ちゃんのことだから二か月くらい?w
私の病気が分かってずっとそばにいてくれたのは
優ちゃんだけでした。
毎日のように来て、話してくれる優ちゃん。
本当に大好きでした。
でも、毎日増えていく傷を見るたび優ちゃんが
壊れそうで怖かった。
私が言いたいのは一つだけ。
自由に生きて
私は優ちゃんに出会っていろんなことを教えてもらった。
楽しい、悲しい、うれしい、怒り...
全部優ちゃんのおかげだよ。
ずっと、鎖から抜けれなかった私を自由にしてくれた。
だから今度は優ちゃんの番。
優ちゃんの人生は優ちゃんのもの。
誰のものでもない。
優ちゃん自身のもの。
だから、自由に生きてほしい。
イジメなんかに負けるな。
それだけ。
ずっとそばにいてくれてありがとう。
そばにいれないけど、空の上からみてるよ。
また会おうね。
おばあちゃんになるまでこっちに来たら怒るからね!
また会おうね 麗衣より
----------------------------------------------------------
「...っ」
一粒の雫が頬を伝う。
君の言葉が心の隙間に埋まる。
君の笑顔は君の好きなひまわりのようだった。
でももう二度と見れない。
君と約束した日の笑顔。
後悔ばかりが積もったあの日。
それでも、君はこの手紙を残してくれた。
叶わなかった私の願い
でも君が教えてくれた。
そして、生きる意味を
こちらこそありがとう
また来世で会おう。
暗闇の部屋の隙間から光が差し込んだ
END