とおのした
ひとつ ひめごと ひとしずく
ふたつ ふらちな ふたりたび
みっつ みなれた みだれがみ
よっつ よつゆに よいがさめ
いつつ いまさら いないふり
むっつ むごんで むつみあい
ななつ なさけを なげすてて
やっつ やましい やすげしょう
ここのつ このみち ころげおち
とうで とうとう とうせんぼう
のべぬ いいわけ かさねつつ
とおえん たよりて このみちゆくも
とうみつ ごとくに あまえたしょうね
としをへてなぜ なおろうか
しがくをすぎて いくせいそう
じゅうろく はなよめ ゆめみたものの
いなかをきらって とびだした
とわのわかれに なるともしらず
いくどもききょうを おもうても
とうにおいえは みずうみのそこ
■■原文■■
一つ 秘め事 一雫
二つ 不埒な 二人旅
三つ 見慣れた 乱れ髪
四つ 夜露に 酔いが醒め
五つ 今更 居ないふり
六つ 無言で 睦みあい
七つ 情けを 投げ捨てて
八つ 疾しい 安化粧
九つ この道 転げ落ち
十で とうとう とうせんぼう
述べぬ 言い訳 重ねつつ
遠縁 頼りて この道往くも
糖蜜 ごとくに 甘えた性根
歳を経てなぜ なおろうか
志学を過ぎて 幾星霜
十六 花嫁 夢見たものの
田舎を嫌って 飛び出した
永遠の別れに なるとも知らず
幾度も帰郷を 思うても
とうにお家は 湖の底
わがまま放題に育った娘が勝手気ままに実家を飛び出して好き放題やってたら男に捨てられてどうにもならなくなって何度も帰りたいと思っても家はもうなくなっている詩