表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第3話 1年生② 小学校は楽しいよ!?

早くチームでのドッジボールシーンまで行きたいところですが・・・。


体調も問題ないと判断され、いよいよ明日から小学校に行くことになった。

いや~1年生ってどんなことやってたかな?

運動できそうな子をドッジボールに誘わなければ!!

目的はそれだけ!


「それじゃ、いってきま~す!!」

「あらあらはりきっているわね。やっぱり学校好きなのね~!」

母のそんなつぶやきを聞きながら学校へ向かった。


学校へ向かう途中に男の子に話しかけられた。

「ヒロト!久しぶり!!!元気になったんだね!」

「そうなんだよ!ええと・・・・」

しまったこの子の名前がわからん・・・。

仲良さそうな感じだけど・・・。

記憶喪失って感じにしておくか・・・。

「・・・名前なんだっけ?」

「なんだよ~!忘れちゃったのか?ユウだよ!」

「ユウね!ごめんごめん!またよろしくな!」

1年生ということで案外名前忘れちゃうのもあることなのかもしれない。

特に説明することもなかったな。まぁよかった!


学校につくと昇降口や教室などユウが教えてくれた。

これは助かるなぁ。


先生から「久しぶりに来ることができました。また仲良くして下さいね」

というような定番の話があり、席に座る。

何人かから大丈夫?とか病院どうだった?など聞かれたが適当に言っておいた。


授業は本当に簡単・・・。

おばさんとおばあさん・・。おもちやとおもちゃ・・・。

お餅売ってるおもちやなんてあるのかい!?

まぁ、前の世界で先生やってる時には教えるしかないって感じだったけど、

やってみると、なんだこれって感じだなぁ。

でも、他の1年生は何の違和感もないみたい。

そもそも人生経験とかないからそんなものもあるんだなって感じで思うのかもね。

しかし、ひらがなばっかりで読みづらいな。。


めんどうだけど、字を書いたりするのは汚かったからいい機会と思って丁寧に書こう・・・。

うん。周りの1年生よりはうまいな。当たり前か・・・・。

うますぎるのも変かもしれないけど、このぐらいのレベルならいてもおかしくないかな。


授業はそんな感じで適当にすごし、待ちに待った休み時間。

「みんな!ドッジボールやろうよ!!」

「いいよ~」「いいよ~」

「ぼくもいれて~!」

10人ほど入ってきてくれた。

1年生は最初に誰かが提案したらそれに流れる傾向がある・・・。

よしよし。。

これで楽しくドッジボールをして、みんなをチームに誘おう!


校庭に線をかかとで描いて・・・・。

チームを適当に分けて・・・。


「ジャンプボールからね!」

「え?何それ?」

1年生はジャンプボールわかんないか~

まぁそうだよね。

「真ん中からボールを上に投げてジャンプして最初に自分たちの仲間に渡すことだよ。」

「まぁ、やってみよう!」

ジャンプボールでボールを上げる。

それをタップして味方がとった。

「いけいけ~」

「えい!」

その子が投げたボールは全然人がいないところに飛んでいった。

あらら・・・・でも、結構投げる力あるかも!!!

「ずいぶん遠くまで投げられるね!名前なんて言うの?」

「俺はリキだよ!忘れてたんかい!」

「そうだったね!よ~しどんどん当てようね!」

しかし、外野の子がとってきて投げたボールは全く飛ばずワンバウンドで相手に取られてしまった。

「ドンマイ!」

相手チームの子が投げるのを身構えて待つ。

すると相手チームの子はボールを持って走りながらかなり勢いをつけてきた。

そのままの勢いで真ん中の線をめちゃめちゃ出てかなり近くで投げてきた!

「ちょっとちょっと~~!!ダメだよ~線を出たら~!

 オーバーラインだよ~」

「あちゃ~そうだね~!ごめん!」

こっちのボールからスタートする。

投げさせて~と言って近寄ってくるが、ここは俺が投げた方がいいかな。

「くらえ!必殺!トルネードアタック!!!※」


※説明しよう!

トルネードアタックとは右利きの場合、右足を前に出してくるりと回りながら左足を前に出して遠心力の力も利用して投げる破壊力抜群の必殺技なのだ!


きれいに投げられたボールは相手のチームの子にヒット!!

「よし!!決まった!!!!」

周りからは、すごい!!!かっこいい!!という声。

しかし、当たった子がすぐに泣き出してしまった!!

「痛いよ~痛いよ~!!!」

「しまった・・・。ごめんごめん!大丈夫?」

「痛いよ~えーんえーん。。。。!!!」

やっちまった・・・。。。

保健室に連れて行こう・・・。

この子はもうドッジボールやらないかなぁ・・・。

保健室から戻ってきたらもう一回謝らないとね・・・。。


1年生は普通に軽く当たっただけでも泣いちゃう子いるもんなぁ。。

色々ともっと考えなきゃいけないなぁ。


教室に戻ると、ドッジボールをやっていた子たちが集まってきた。

「さっきのすごかったね!!!」

「俺にも教えろよ!!!」

リキは目を輝かせている。

「ヒロトすげえな~~!」

ユウも驚いて尊敬の眼差しで見ている。

よかった・・・。

ぶつけちゃったあの子には悪いことしたけど、ドッジボールのすごさみたいなのを伝えることができたかも。

でも、初日からとばしすぎたかな~


そして、その日の帰り道。

「今日のドッジボール楽しかったね!」

ユウはドッジボール好きのようだ。

「そうだね!じゃあまた明日もやろうよ!」

「そうだね!」

「それじゃまた明日~」

「じゃあね~」

ユウをドッジボールチームにも誘おうかと思ったけど、さすがに早すぎるかな。

また今度にしよう。

機が熟すのをまたないとね。


家に帰ると母が少し心配そうな顔をして聞いた。

「今日どうだった?」

「だいじょうぶ!楽しかったよ!」

「どんなことがあった?」

「休み時間にドッジボールをしたよ。」

「活躍したの?」

「うん!・・・いや、当てたらその子が泣いちゃって・・・。」

「あらら・・・・。なんていう子?」

「わからない・・・・。」

「そう・・・。ちゃんと謝ったの?」

「それは謝ったよ。」

「それならいいんだけど・・・・。」


親としては当然心配になるよなぁ。

名前聞いておかなかったのは失敗だったなぁ‥。

電話とかで謝ったりするかもしれないもんなぁ・・。

明日聞いとかないとね・・。


その夜、父が帰ってきて、今日の出来事を話した。

「ヒロト。ちゃんと気持ちをこめて明日もう一度謝るんだぞ。

 ドッジボールは当てるものだけど、人を見てやらないといけないよ。」

「うん。そうだね・・・。」


1年生の身体をしているが、完全に大人げなかったな・・・。

でも、何人かの心に大きなインパクトを与えることができたのはよかったかな‥。

いや、誰かが悲しい思いとかしてるのに、自分だけのこと考えてたらダメだろ・・・。

壁に当てるとかすりゃよかったな・・・。

自分の目的のためになら他の人が悲しんでもいいってことはないからね・・・。

もっともっとうまくできるはず。


しかし、大人の思考回路を持っていても結構難しいものだなぁ。

子どもの思考に戻って何も考えないで生活ってのもしてみたいけど、

そうはいかないな。

頑張ろう!



久しぶりの学校復帰初日は、やはり学ぶことがたくさんあったのであった。

1年生はルールも何もあったもんじゃない。

そしてすぐ泣いちゃいますね。

そのあたりもかわいらしいと言えばかわいらしいですけどね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ