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チョコミントがきっかけ

夏といえば、チョコミント!!というくらいチョコミントが好きなので、チョコミントが好きな人が読んで楽しんでくださると嬉しいです。


とくに何かきっかけがあったとかではない。


強いていうならば「ああ、ここにチョコはあるのになぜチョコミント味がないのかしら」と思った瞬間だったと思う。



その瞬間に前世の記憶が甦ってきた。


とはいえ、瞬間的に頭に入ってきた情報量なんてたかがしれてるし、脳のほうも元々容量の多くないことは自分自身の身体が良くわかってるらしく、いま思い出せたのは私に「前世の記憶があること」と「私は無類のチョコミント好きだったこと」だけだった。


うーん、我ながらなんて残念な記憶力!


なんかもっとこう……普通だったらこういう前世の記憶を生かして何かこの世を発展させようとか………あるでしょホラ……

チート使って世界最強とか実は聖霊の加護持ってて何でも意のまま!とか…あ、この世界に聖霊とか魔法とかない?そんなあ………

俺tueeee系のよくあるアレとかは?!我が領を儲けさせるための一発逆転系アイデアとか!……あ、うちはこの国でも最古にあたる、王家が過去に何度も降嫁してたりするような歴史的にも血統的にも由緒正しい公爵家だから一発逆転も何もない?…そ、そんなあ……



「…でもそれって逆に言えば、私が好きなものを好きに開発出来るだけのお金や人員は簡単に手配出来るってことよね?」


「リズ? いきなりブツブツ呟いて、どうしたんだ?」



あっ、忘れてた。

今はお茶会の真っ最中だった。


私は、リズ・バーミルトン公爵令嬢。12歳。よくあるテンプレ異世界転生にあるような肩書きでしょう? 誰に向けてでしょうとか言ってるのか自分でも分からないけど、とりあえずこのまま聞いて欲しい。


お察しの通り、100万回見た!って私でも思うけど、マジでここはそのテンプレ通りの異世界。

貴族の制度があって、世界観は中世ヨーロッパ風で、私は金持ちのお嬢様で、見た目は髪が青みのある銀髪にルビーのような赤い瞳。

漫画ならまあ可愛いお人形さんみたい~~って思うし、実際マジでお人形さんのような(自分で言っちゃうけど)美しい系可愛い女の子だと思うのよ。

まあ、出会って素の私と会話したら全員が全員に、見た目と中身が全然違うといわれてしまうのだけど。



で、私とお茶会をしているのはギルバート・エメラルディア第二王子。同じく12歳。そして私の婚約者だ。……異世界転生もののテンプレでしょう?


ギルの見た目は金髪にエメラルディア王家特有のエメラルドを嵌め込んだような緑の目、顔も少年ぽさは抜けてないけどイケメンで、言うなれば王道少年漫画の主人公!!っていう感じの顔をしている。ただまあ、見た目に反してやんちゃ小僧とかいうよりは、よく私が無茶なわがまま(前世の記憶を取りもどす前から私は結構この世界のご令嬢らしい振る舞いとか、考えが全然出来なかった)に振り回していたおかげか、苦労人のような私の保護者みたいなストッパーみたいな役割になっている。むしろ私がやんちゃ小僧だと言われてしまう始末。解せぬ。


…いや私、今思い出したけど、前世では20代後半まで生きてたっぽいんだから、いくら今までは同い年の子供同士だったからとはいえ、今はもう12歳の子供を振り回しちゃ駄目でしょ……! うーんでも、前世から記憶を戻す今まで私という中の人…っていう言い方があってるのか分からないんだけど、とにかく魂的なものの本質は変わらなかったらしくて、猪突猛進、思いついたら即実行、いけいけどんどんな性格が全く変わってない。三つ子の魂百までってこういうことを言うんだっけね? 生まれ変わってまで同じって、生活環境やらが庶民だった前世と違うのにどこまで染み付いてるのよ私の性格……今さらか!! この切り替えの早さも前世では散々ムダにポジティブシンキングすぎる!! って言われてた部分でもあるのだけど。



さてさて、そんなことはとりあえず置いておいて。



「あのねギル、私ね、前世の記憶があるみたいなの!」



ギルに告白することにした。

何故って? ギルとは、婚約者となった6歳のころからの付き合いだけど、当時から私のやんちゃをいなし受け止め時に制し、時にGOサインを出す、常に反射で生きている私のブレーン的な存在だからだ。ギルとはこの6年間で、婚約者としての愛情ではなく、悪友としての信頼感が培われている。


だから私は彼に何でも話してしまう。というより、出会った当初に言われたのだ。

「お願いだから何か反射で動く前に俺に一言相談してくれ。じゃないと止めるのか助けるのか判断が遅くなる」と。とんだじゃじゃ馬扱いだ。実際そうなんだろうけど。


だから今回も私は、私の手綱を正しく引っ張ってもらうためにギルに告白する。


「は?……前世の記憶、ねえ……うーん突然言われても全然ぴんとこないんだが、リズが言うんだし嘘じゃないんだろうな」


「さすがギル。ちゃんと説明すれば信じて貰えるとは思ってたけど、一言だけで信じてくれるなんて信用されてるなあ!」


「リズは嘘なんてめったにつかないし、こんなこと冗談として思いつかないだろ」



うーん、けなされてるのか私の性格を正しく把握されてるだけなのか。後者だと信じておこう。



「それでね私、ちょっと作りたいものがあるのよ! ギルも協力してくれる?」


「その思い出した前世の記憶と関係してるものなんだろ? わかった。何をすればいいんだ?」


「さすがギル!察しが良いわね!話は着いてからにしましょう。お茶会は終了して、行くわよギル!」


「行くってどこに?」



決まってるでしょ! 厨房よ!!

いざゆかんチョコミント作り!!!!

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