転生3
「ちょちょっと待ってくれ、いったん整理させてくれ」
「まず、さっきの話から察するに、ここは転生の間というところで文字どうり転生なんかをするための場所で間違いないか?」
「ふむ、間違いない」
ロームは大きくうなずく
「次に、魂だけの訪問者ってことはやっぱり俺は死んだってことで、なぜだか魂だけでここにきてしまった」
「つまり、通常ここに来る人たちはみんな肉体を持ったまま来るということか?」
「ああ、だいたいはあっておるの」
「じゃが、少しだけ間違っておる」
(なぁに?結構いい線いっていると思ったのに)
「通常ここにくるっ者はみな肉体を持っているのはあっておる」
「じゃが、現実のおぬしはまだ死んでいない、それにもかかわらずここへ来た」
「その理由は、実際、現実の世界で通り魔に刺される予定だったのはおぬしではなく、その前を歩いていた女性だったのじゃ」
「じゃがどういうわけか、世界の決めた進むべき道が捻じ曲げられた、だがおぬしはもともと死ぬ予定ではなかった、だが死んでしまう致命傷を負った」
「そんな、いろいろな出来事が絡み合い複雑になっていき結果としておぬしは現実世界で横になって生きている植物人間のようなまま、こっちの世界へと魂だけ弾き飛ばされたのじゃ」
「どうして、世界の決めた進む道が捻じ曲げられたかはわしにも理解できないがな」
読んでくださりありがとうございます。