転生2
その後、約一分間男同士見つめあうという地獄絵図が続いたものの、いまだ老人はなんの反応もあらわさない
俺がもう目覚めたのにきずいてないのか、はたまた爺さんが目を開けて寝ちゃっているのかわからないため
「あの~すいません、俺誰かに刺されたみたいなんですけど、ここって見るからに病院じゃないですよね?」
「見る限り、あたり一面黄色い空間が広がっていてどうも現実の世界とはちがうような気がするんですが、やっぱり俺って死んじゃって死後の世界に来たって感じですかね?」
その声に老人は ビクッ と反応し
「おっおぬしようやく目覚めよったか。すまんが今どこにおるのじゃ?」
などと、俺が今どこにいるのかわからないのに逆にその質問を聞いてきて
「どこにいるも何も、そんなの俺が聞きたいよ爺さん。ここはいったいどこなんだよ」
すこし強めにもう一度聞くと
「ほぉっほぉっ、それはすまんの」
「そういう意味で聞いたわけじゃなくてな、この部屋のどのあたりにいるのかを聞いておるのじゃ」
(ん?どういうことだ?)
「そんなの見ての通り目の前にいるだろ俺は」
すると老人は、またも笑いつつ
「見ての通りか・・」
正面を再度向き直した老人は
「まず、わしの名前はローム、すまんがわしにはおぬしが見えぬのでな、なんせおぬしはこの転生の間初の、魂だけで来た訪問者だからの」
そんな、重要なことをさらりと言いやがった。
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