第四十七回 俺たちの蚊帳の外で、
エピローグという名の蛇足。
ジャ○プは分厚いので丈夫ですよね。
※世川視点です
僕は懐にしまっていた物を取り出し、さっきまで白い少女を形作っていた残骸のそばに置いた。これが無ければあの剣は真っ直ぐに僕の心臓を貫き、即死していただろう。
「昴、そろそろ王都へ帰りましょ……ってそれ、漫画雑誌? 何でこの世界に?」
後ろから覗いた晴香が尋ねてきた。
「うん。実はこれ、俺たちの勇者召喚に巻き込まれた人が持っていた物なんだ」
晴香が目を見開き、口に手を当てた。
「そう、だったの……」
神田君が鎧を鳴らしながら歩いてくると僕の隣に片膝をついて座った。
彼の目は僕が置いたジャ○プに静かに注がれる。
「僕はこの世界で、たくさんの辛いことを経験した。その度に勇者なんかやめて逃げ出したくなったよ。だけど、そんなとき、いつもこれを見て、犠牲になった彼を思い出したんだ。……彼は基本的に生きることには無関心だったけど、死にたくなんかなかったはずだ。だけど、僕たちの近くにいたせいで、巻き込まれて、問答無用で命を奪われた」
「お前、まさか…」
僕は神田君のつぶやきを無視してゆっくりと立ち上がった。
僕の代わりにばっくりと裂けてしまったジャ○プに視線を落とす。
「僕がここまで頑張れたのは、生きているのは彼のおかげなんだ。ありがとう――」
僕は後ろで転移の準備をしてくれているイーサンさんに声をかける。
「帰りましょう。王都へ」
――さよなら、渡瀬。




