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主人公は蚊帳の外で、  作者: 鶴次
第一章 ギン
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第五話 旅立ち?

ひょっとして一話一話がかなり短いのではないか……と思い始めた。

少しふらつきながら立ち上がる狼を眺める。

「あぁ、これからどうなるんだろ。

体無くなっちゃったし。成仏とかするんだろうか…。」

狼のひくひくさせている鼻にガンを飛ばし、仰向けに寝転がる。

朝焼けに染まる空を黒い手が遮った。

頬にひんやりとした感触がする。

「君だけだよ。幽霊になった俺をかまってくれる奴は。

出会った時、一目見てピンときたよ。君はマイフレンドだってね。」

黒い手をひしと掴むと、黒い手はするりと離れていった。

(何もしなかったら近寄ってきてくれるのに、こちらから行くと離れてしまう。女子って難しい)

上半身を起こし狼の方を見ると、重い足取りで森の奥へ向かいだそうとしていた。

その弱弱しい後姿に叫んだ。

「食い逃げとか卑怯だぞ! 今度会ったら絶対どうにかして殴ってやる!」


俺は息を継ぐと、さらに声を張り上げた。

「……俺の肉を食っときながら、そこらでのたれ死ぬなんて許さんからな!」

伝わらない言葉をぶつけ終わると溜息を吐き、腕を組んだ。

「ほんと、これからどうなるんだろ。俺……」

足元に漂う黒い手に向かって「どうしよっか、クロちゃん」

などと呟いていると急に体のバランスが崩れ、空中にひっくり返った。

「え!?」

驚く俺にはお構いなしで霊体は森の奥へと引っ張られる。

「まさか……」

俺を引っ張る先にいるのはあの狼。


どうやら俺はあの狼に憑いてしまったようだ。


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