第二十一回 白い乱入者
文章力が貧弱!貧弱ゥ!な為、展開が非情に分かりづらくなっていると思います。
精進します……
「まさか、殺されてしまうとはね。アージェンルーヴを侮っていたわ。にしても、その黒い手、一体……」
フジさんが何やら呟いている。
対して俺は、初の人型幽霊仲間を発見してテンションが上がりそうだが、早く立ち去らないとギンが殺されてしまうので焦っていた。
「ちょっと今忙しいからっ」
世川が剣を構えて走ってきている。急がないと本当に取り返しのつかないことになる。
フジさんを躱してギンに近づこうとしたとき、急に目が回りはじめて膝をついた。
先ほどから感じていた冷えと空腹感がいっきに強くなってくる。
(いきなりなんだよこれ!? 急がないと、こんなことしてる暇、な いの、 に……)
クロちゃんが背中やら肩やらをさすってくれるのを感じながら俺の意識が途絶えた。
視界を覆う葉の隙間から青空が覗く。
どうやら俺は高い木の枝の上にいるらしい。
「お腹空いた……」
誰かのつぶやきが聞こえた。
(あぁ、確かに腹が減ってる。それに何だか寒い……)
すると急に視界が揺れ、葉のざわめきと共に空が遠のいてゆく。
(ん、あれ? うわっ、落ちてるし!)
どうやら登っていた枝から落ちているようだった。
慌てる俺の精神に反して体は実に落ち着いており、下手な着地はしそうにない。
ものすごい速さで近づいてくる地面を見ると、所々地表がえぐれ、死体が転がっていた。
その中でまだ動いている人間が5人。
そして一人の人間に今にも切りかかられそうな傷だらけの獣が一匹。
4つ耳の銀色の狼――
「あれ? ギンじゃん」
俺は世川とギンの間に着地した。
長い雪白の髪が遅れて地に舞い降りる。
(ん? 白い髪?)
世川の驚き顔を尻目にギンの方を向く。
ギンの見開かれた金の瞳にはあの洞窟で会った白い少女が映っていた。
「はぁ? ……俺、あれ?」鈴を転がすような声で俺のセリフが聞こえてくる。
(え、もしかして……白い女の子に乗り移ってんのか!? なんで?)
慌てる俺に世川が話しかけてくる。
「そこをどけてくれ! 関係ないやつまで切りたくない」
「え? あ、ま、待てよ世川。確かにギンは人を殺したけど、それは悪いことだって思ってるけど……あ、けどフジさんならまだそこにいるぜっ!」
俺のくそ下手な説得が功をなすはずもなく、むしろ世川の怒りを増幅しただけのようだった。
「お前、独眼の仲間か……ふざけた冗談まで……!」
世川が短剣で切りかかってきた。
いくらギンで見慣れていたとはいえ、咄嗟に動けるはずもなく、剣先が喉元へ迫ってくる。
(うわ、無理! 躱せねぇ)
思わず目をつぶった直後、鋭い金属音と共にしりもちをついた。
「な!?」
白い少女の右手の平から白い刀身が伸び、短剣を弾いたようだった。
世川は驚き、警戒を強めてこちらを注意深くうかがっている。
「お、おい! フジさん、世川を説得とかできないか? てか助けて!」
ギンのそばでたたずむ幽霊フジさんは険しい表情でこちらを睨んでいる。
「なんで、この娘が!? それにこの黒い手、一体ユヅキは何をしているの……」
フジさんの心はどうやら思考の大海原で大冒険しているようである。
フジさんに頼るのは諦め、ギンの元へ駆け寄る。ギンの周囲にいたクロちゃんたちが俺(白い少女)を避けている気がするが、今はそれどころじゃない。
(とりあえず撤退だ!)
ギンに刺さった針を抜こうと手を伸ばすが、右腕しか動かないことに気が付いた。
(そういえばさっきから左腕が動かない、というか……)
針を掴もうとした右手が勝手にギンの首へとのびた。
少女の小さい手がギンの首をぎりぎりと絞めはじめる。
「お腹すいた……」
無意識に口から言葉がこぼれる。
そして動かないと思っていた左腕が赤く光り、一本の剣を生やした。
「いただきます」少女の口が静かに言葉を結ぶ。
(まじかよ! 右手と左腕が操れない!? まずい)
左腕の剣がギンに切りかかる寸前、腕が急に軌道を変えて空を切った。
真っ二つに裂けた札が舞う。
「そのアージェンルーヴは僕のペットになるんだ。……殺してもらっては困るよ、お嬢さん」
札を握り、喀血しながらこちらを見つめるイーサンが初めてまともなイケメンに見えた。心なしか視界が明るくなっている。
(うお、まぶしっ……ってあれ? 俺も光ってる? というか、なんか光が当たってんのか。 一体どこから……)
首をめぐらすと、俺(白い少女)とギンをサーチライトで狙ったように明るくなっていた。
警察に追われる泥棒になった気分だな、と思いつつ光源を確認する。
眩しさに目を細めた先には、発光する大きな魔法陣を俺たちに向けて展開している世川が見えた。
(俺たちをすっぽり包んでいるこの光は……)
「予測線!?」
(こんなの逃げれ)
俺たちを覆う光が真っ赤に染まった。




