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主人公は蚊帳の外で、  作者: 鶴次
第二章 シロ
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第十九話 勇者との闘い

戦闘は正直いって役に立たないのでギンに丸投げし、俺は右手のクロちゃんに話しかける。

「クロちゃん、今さっきは庇ってくれてありが……」

右手のクロちゃんを見ると虫ピンが何本も刺さり、ハリネズミのようになっていた。

「うわああぁぁぁあ!」

慌てて虫ピンを抜こうとするが、虫ピンがみるみる黒く染まり、クロちゃんと同化してしまった。

「え、なんか虫ピンと混ざったようにみえたけど大丈夫!?」

慌てる俺にクロちゃんはいつものように親指を立てた。

(クロちゃんって実は強キャラなのでは……?)

女の子(の手)に守られるのは男としてどうなのか、と悶々と考えていると目の前で火花が散り、現実に引き戻される。

(そういえばまだ戦ってる最中だったな)

周囲に目を配ると敵が半数ほど削れていた。

ギンが咥えていたものを地面に吐き捨てる。

鮮やかな瑠璃色の翼が血だまりで赤く染まった。

「さすが、私のペットまで全てやられてしまうとは……これは奥の手を使うしかないようだ」

イーサンが懐から札を3枚取り出し、何かを呟き始めた。

イーサン自身が淡く光り始め、風に髪がなびいている。

ギンはイーサンに向かって攻撃を仕掛けようとするが、横山(仮)ともう一人のガタイのいい勇者に阻まれる。

「なんで人間を狙うのか、わかんないけど、お前は皆を殺した……! これ以上は殺させない、絶対止めてみせる!」


(うわ、すごい勇者してる)

俺が感心している間に横山(仮)がギンに切りかかる。ギンが軽く躱すともう一人の勇者が畳みかけに攻撃を繰り出す。

ギンは地面を強く叩き、小範囲を瞬時に沼地に変えた。

バランスを崩した勇者たちの隙間を縫ってギンがイーサンに飛びかかる。

「行かせない!」

フジさんがギンの影に向かって虫ピンを飛ばすが、ギンが素早く飛びのき、それを躱す。するとイーサンがギンの着地を狙い3枚の札を放った。

「おとなしくしてもらおうか!」

札が当たる瞬間、ギンは纏っていた鎧を変形させ、前方に大きなシールドを作った。

札の爆煙を抜け、ギンが飛び出す。

「行かせないと言ったでしょ!」

開けた視界に、イーサンの前に立ちはだかるフジさんが現れた。

周囲にはギンを串刺しにすべく、無数の虫ピンがこちらに狙いを定めている。

「おしまいよ」

フジさんが手をかざすとともに虫ピンが一斉に襲い掛かった。


俺が「冒険の終わりか……」と諦めて目をつぶろうとしたとき、クロちゃんが動いた。

右手のクロちゃんと地面から生えてきたクロちゃんたちが俺とギンを包み込むように周囲に広がり、虫ピンを遮る。

「クロちゃん!?」俺の声が外の轟音にかき消される。

慌てる俺とは違い、ギンはただイーサンだけを狙い、地を蹴る。

フジさんの猛攻が止み、クロちゃんたちが散っていった視界に鮮血が舞う。

ギンの剛腕がフジさんの首を飛ばし、イーサンの腹部を貫通していた。


この後、第二回登場人物紹介を上げます。

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