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主人公は蚊帳の外で、  作者: 鶴次
プロローグ
1/51

第一話 これが噂の勇者召喚?

小説書くのも、なろうに投稿するのも初めてなので、お見苦しいところが多々あると思います。

ご指摘いただければ有難いです。

伸びた影を引きずりながら小道を歩く少年がいた。

道の前を広がる学生に足取りが重くなる。

茜色の空を見上げ、小さく溜息をついた。

その時、足元の地面が一瞬光ったことを彼は知らない。




「っ~~~~!!!!」

俺が溜息をついたあと、世界が真っ黒になった。

その直後、強い衝撃を感じ、膝から崩れ落ちた。

腹を下した時の腹痛なんて目じゃない痛みが全身を駆け巡る。

激痛に汗が吹き出す。震える手で何とかそれをぬぐった。

ぬめりとした触感に目を向けると、かすれた視界は赤一色に染まった――




「あれ、痛くない……」

ものすごい激痛にもだえ苦しんでいた俺は真っ黒だった世界に光が戻っているのに気が付いた。

死ぬんじゃないかと思ったほどの痛覚もすでに去っていたようだ。

今ではあの痛みが嘘だったかのようで、体が非常に軽い。


光に目が慣れてきて、あたりが見えるようになった。

白く広大な室内だ。

昔やってたゲームにこんな内装の神殿があったな、とあたりを見渡す。

正面の少し離れたところにゆったりとした服を着たおじいさんが立っている。

立派な髭を蓄えた顔はなんだか困惑しているように見える。

壁際に並ぶ神官っぽい人も、騎士っぽい人もだいたい同じような表情だ。


(……マジでどこだここ?)

俺は帰宅中だったはず、と思いながら横を見る。

前を歩いていた学生たちがいた。

するとすぐ横の女子が俺の方を振り向き、すぐさま他の学生を巻き込みながら後ずさりした。

足がもつれてしりもちをついた女子は、ゴキブリよりおぞましいものを見たような表情で、俺を指さしながら震えている。

……先ほど感じた激痛を精神的に与えてくる女子に泣きそうになり、俺は慌てて視線を下げた。

そこで初めて俺は何かの上に立っていることに気が付いた。


それは赤黒い液体をまき散らしている肉塊だった。

先ほどの女子のごとく、後ずさる。

圧潰された肉片の中に見慣れた学ランを見つけた。

血濡れたポリ袋に今日発売の少年漫画雑誌が入っている。

重なる内臓の合間にチャックが壊れた通学カバンがのぞく。

転がっている眼球と目が合う。


「……あれ、俺、じゃね?」


白亜の神殿っぽい建物に誰かの悲鳴と嘔吐がこだました。


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