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掌編小説集7 (301話~350話)

隙間の風景

作者: 蹴沢缶九郎

目の前には味気ない灰色をしたビルの壁面が見え、その壁面に沿って水道やらいくつかの管が縦方向に延びている。アスファルトの地面からは、名も知らない雑草達があちこちから生え、きっと誰にも拾われる事がないであろう錆び付いた空き缶は、たまに吹く風に煽られ、その間を転がっている。


最近、このビルの隙間を通り道としていた野良猫の『ミケ』を見かけない。もっとも、『ミケ』とは私が勝手に猫に名付けた名で、『ミケ』には他の名があるのかもしれないし、それに、『ミケ』の心配をしたところで、私にはどうする事も出来ない…。



あまり知られていないが、長い年月を経た物に魂が宿るとは人間の勝手な思い込みであり、年月に関わらず、この世の全ての物には意思が存在する。

もう長く、ビルの隙間の風景を見てきた。当たり前に見飽きた風景だが、移動したくとも雑居ビルの閉ざされた窓である私にはそれが叶わず、あと何十年この風景を見続けなければいけないのだろうか…。

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