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よろしくお願いします。

夏休み直前のある暑い日、私は車に轢かれた。

手のひらから転げ落ちた100円玉を追いかけて道路に飛び出し、硬貨を拾い上げた瞬間、そのままはねられてしまった。


暑いからって、飲み物なんて買おうとするんじゃなかった!節約するべきだったんだ。そうでなければこんな痛い思いをしなくて済んだのに……!このまま死ぬの?それとも入院?どっちも嫌!!!!


ひとしきり後悔したあと、わたしの景色はくるりと回り、そのまま意識が途切れた。


次に目が覚めた時、1番最初に目に飛び込んできたのは小さな穴が規則正しく縦に並んでいる真っ白い天井で、ああ、これは病院の天井だ、とすぐにわかった。なんとなく、身体の右側が痛い。



「生きてた……」

ピクリと身体が動く。感覚はあるみたい。両手にくっと力を入れると指が曲がった。やったー!良かったー!神様!ありがとうございます!!!


試しに首を左右に動かしてみる。両腕が布団から出ていて、左手には点滴が繋がってて、右手には包帯。ああ、けが人っぽい。

「しかし右手が重傷なんて…」折れてしまったのだろうか。利き手なのに、不便だー。


右手に触れてみる。どうやら硬いプラスチックみたいなのがはまってるみたい。へぇー、これがギプスか、よくできてるなぁ。軽くて薄い。痛みも感じない。高くなければいいんだけど……。


目も覚めたし、このまま寝たきりもな。誰かがくる気配もないし。


身体を起こして、ナースコールしてみよう。


あ、でもどっちに力を入れるべきなんだろう、左手は点滴だし、右手はギプス。

ま、丈夫そうだから右でいっか。


グイッ


ズン!!!


「えっ……」

上半身は起き上がったけど、何故か力を入れた右側にベッドが傾いた。ん?気のせい?


「と、とにかくナースコールしよう、うん。」


呼べたかどうかはわからない。だって押した瞬間、右手のボタンは砕けてて、わたしの悲鳴はナースセンターまでよく響いたらしいから。

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