表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鈍色のパラディン  作者: チノフ
二章~王都立身編~
62/67

9話

間が空いた上に短くなりました、申し訳ないです。

「こちらは王都武道大会の受付になります」


あれから順調に体を慣らし、感覚を取り戻しつつあるメリッサは大会に登録する為、王都中央に位置する闘技場へとやってきた。


この闘技場、王都の建築物の中では二番目に大きい。一番は王宮だ。

登録受け付けを開始したばかりは人が多い。10人程いる受付員の中から適当に選んで列に並んだ。



            ~~~         



「大会の登録を頼む」


「畏まりました。ではまず武器に問題が無いかチェックする為、大会で使用する武器とギルドカードをお持ちでしたらお預かりします」


メリッサの筋力に合わせた斧槍だ、当然重い。結局三人がかりで奥へと運んでいった。合わせてギルドカードを首から外し机へと置く。


「お名前はメリッサ様、Bランクの<クルセイダー>でお間違いないですね?」


「ああ」


「では武器のチェックの間に注意事項等説明させて頂きます。

まず、怪我に関しては自己責任になるのでご注意を。これには命も含みますのでその旨の書類に後ほどサインして頂きます。

勿論全力で戦っていただきますが、過度に相手を傷つける行為や降参した後に攻撃を加える行為は失格となるのでご注意ください。

刃を潰した武器であっても全力で戦う以上、命を落とす事もあります。失格にはなりませんが出来るだけ避けて下さい。


次に大会は全てを通してトーナメント方式で行われます。

それぞれ最初に一般枠予選から始まり、次に一般枠で勝ち残った人を交えて冒険者枠予選になり、冒険者予選で勝ち残った5名のみが本戦に参加する権利を得られます、前大会の上位入賞者や冒険者の中でも特にランクの高い方はシードとして本戦から参加する形になりますのご了承ください。


一般枠はギルドに所属していない方や街の腕自慢が参加する部分ですが、メリッサ様は冒険者枠なのでここはあまり関係ありません。

冒険者枠はその名の通り、冒険者としての資格を持った人が参加する部分です、転職によって基礎能力が違う為一般枠とは分けられています。

元冒険者もここに含まれますが、ギルドカードを所持していないので一般枠から参加する事も出来ます、そんな方は今までいらっしゃいませんでしたが一応可能という事だけ。


本戦のルールについては予選を勝ち上がった時にお教えします。


次に装備品の重量についてですが、これは制限はありません。

ですが無理に重装備にして時間切れ、判定負けということもありますのでご注意を。


最後に魔法に関してです、攻撃魔法は一切禁止となっておりますが補助魔法のみ使用可能です。

これは武技を用いて身体能力を上昇させる職と補助魔法を用いて身体能力を上昇させる職のバランスを取る為です。

回復魔法は使用可能ですが、時間切れで判定になった場合不利になるのでご注意ください。


以上ですが質問はありますか?」


「準備期間中、ダンジョンに潜るのに制限はあるのだろうか」


「ありませんが当日参加出来なければ当然不戦敗となります」


「トーナメント表はいつ、どこで発表される?」


「大会開始三日前、場所は闘技場で発表されます。武器のチェックが終りました、結果は……問題無いそうです。他に何か御座いますか?」


「いや、大丈夫だ、ありがとう」


「ではこちらの書類に参加表明を書いて頂いて終わりです、お疲れ様でした。」


大会で命を落としても相手が罪にならない様に書類に名前を書き、武器を受け取って手続きを終えた。




           ~~~



「おかえりー」


宿に戻るとデイジィが机に向かって内訳書の整理をしていた。

対面の椅子を引き、座る。


「ああ、ただいま。大会の登録とルールを聞いてきた」


「人多かったでしょ」


「参加する人間も多いし、街も活気立ってたな」


「王国の一台イベントだからね、見物しにくる人も多いんだよ」


おかげで経済の回りも良くなるんだよ、と付け加えるデイジィ。

確かにバイス工房の方も大会が終わるまでは忙しくなるので教えれません。と言われている。といっても普段は武器の手入れがメインで力仕事の手伝いも多いのだが。


「そうだ、聞いてきた話だとダンジョンに潜るのに制限は無いらしい」


「よかったね、オークと対人は全然違うけど似てる部分もあるもんね」


「対人の訓練が出来ない現状、オークに相手してもらうしかないからな。大会までは今までと同じスケジュールで行きたいと思う」


「工房にも行くの?」


「ああ、武器の恩もあるし力仕事くらいなら出来るだろう」


「分かった、アンジェにも話とくね。今日はこれから何か予定ある?」


「人体に関する本を読むつもりだ。回復魔法を使うなら知っておいて損は無いと言われたからな……」


自主的に勉強するというメリッサにデイジィは驚いたがいい事なので黙って部屋に戻る後姿を見送った。




             ~~~



登録し終えてからも普段通り過ごし、とうとう大会予選の組み合わせが発表された。

一般参加枠はそこまで多くない。一般予選は一日で終わり、冒険者枠予選は一週間かけて行われ、予選決勝は闘技場で本戦形式で行われるそうだ。


「一応組み合わせ表を見に来たはいいが……名前だけ見ても誰か分からんな」


「私達、同業者の交友関係狭いもんね」


「でもほら、ダンジョンで助けた人の名前は結構あるわよ」


正直助けた人数が多すぎてメリッサはあまり覚えていない。最初に助けたシグンとコニーくらいだ。


トーナメントの細かい事は分からないが7回勝てば決勝トーナメントに進出出来るという事だけ分かった。

考えるのは苦手だ、目の前に立った相手を全力で倒せばいい。


メリッサは無意識に拳を握り締めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ