11話
職業に関する説明回です。
残されたドッズとメリッサ、アンジェリカにデイジィの4人は訓練所に再度移動しながら確認をしていた。
「片目だけ霊が見える、サイクロプスで間違いないな?」
デイジィはおそらく、と付け足して頷いた。
記録に残ってる限り巨人族の先祖返りなんてのは聞いた事がないのだ、断言は出来なかった。
それでもドッズは満足げに頷いて魔力があった方が職の選択に幅がでらぁな
と言いつつメリッサが知りたがっていた職業、所謂一次職について話し始めた。
確認されている一次職は次の8つである
前衛物理系の<ソードマン><ファイター><ガード>
遠距離物理職の<アーチャー>
攻撃魔法職の<マジシャン><エレメンタリスト>
支援魔法職の<アコライト><ドルイド>
<ソードマン>
文字通り片手剣に丸盾、或いは両手剣をメインに戦う職業。
金属鎧を主に装備し、避ける事も耐える事も出来る。
スキルが耐久系と剣に関わる物が多く、攻守バランスの取れた、パーティもソロもこなせる人気職だ。
<ファイター>
斧やナックル、双剣を主に使用する職業。
皮鎧、或いは金属製の部分鎧を装備して、身軽さを活かして敵の攻撃を避ける事を重視する。
スキルは攻撃に偏っているが、熟練した彼らは十分に前衛をこなせる。
ソロや少人数で効率的にモンスターを狩れる故に人気がある。
<ガード>
大盾にフルプレートの金属鎧、片手でもてる武器を装備した守りに特化した職業。
装備の重さ故に鈍重である彼らは敵の攻撃を耐えて後衛に火力を任せるスタイルが多い。
スキルはほぼ耐久と自己支援のみで攻撃スキルは少ない。
パーティを組めればスペックをフルに発揮出来るがソロだと攻撃性能が低く、装備に多くの金がかかる為前衛職のうち人口は最も少ない。
前衛職の共通として敵の注意を自分に惹きつける<咆哮>という武技を習得出来る。これはパーティで後衛に敵が流れないようにする為の必須スキルであるが、ダンジョン内でむやみに使うと離れた敵も呼び寄せるから注意するように。
お前さんはどうみても前衛向きだろうな、とドッズは言って続ける。
<アーチャー>
文字通り弓を主に使い、罠も駆使する職業。
前衛がいる場合避けて矢を放たなければならないし、矢代も馬鹿にならない上に、荷物が嵩張るが比較的安全圏から攻撃出来る性質上人気は高い。
スキルは弓全般に一部の罠に関するもの。
<マジシャン>
己の中に眠る魔力を活性化させ、超常現象を起こすパーティの花形職業。
装備は魔力の発現の邪魔をしない薄手のローブに魔力増幅器である杖や魔道書。
先天的に大きな魔力の必要なこの職は魔力との親和性の高いエルフや一部のい先祖返りが多く、人間の魔法使いはあまり居ない。
習得できるスキルは火、風、水の属性攻撃魔法。
<エレメンタリスト>
別名精霊魔道師、魔力と精霊と繋がる稀少な才能が必要な為<マジシャン>より更に人口は少ない。
装備は<マジシャン>と同一で見た目が変わらない為一纏めにして魔法使いと呼ばれる。
精霊とは自然に宿る異次元の住人で、普通の人からは見えない彼らを従えられるのが<エレメンタリスト>である。
習得できるスキルは木、地の属性魔法と精霊の召還。
<アコライト>
聖職者見習いと呼ばれる彼らは、神に信仰を捧げる事により傷を癒す事が出来る。
基本的に白い修道服を纏い聖書を片手に後衛で味方を支援するのが役割であるが、修道服の下鎖帷子を着込み、鈍器を片手に前衛をこなす<アコライト>も少数ながら居る。
神に対する信仰心と魔力が必要なので人口は多くないが神を信仰する事によって魔力を与えられるケースがある為魔力との親和性が高い種族以外にもあらゆる種族の聖職者が存在する。
この世界には8柱※1 の神が存在されるとし、それぞれ信奉する神によってスキルが変わる。基本的には瞬時に傷を癒すタイプの回復魔法、身体能力向上の支援魔法。鈍器に関する武技。
<ドルイド>
精霊信仰を主とする支援職。
<エレメンタリスト>のように精霊と繋がる才能は必要なく、純粋に魔力と信仰を以って味方を支援する。
独自の宗教形態を持っており、精霊と繋がる事の出来る<エレメンタリスト>のパーティに入りたがる傾向が強い。
森に祭壇を作り、拠点とする事が多い彼らは人口こそそれなりに居るが街中で見かける事はあまりない。民族としてのドルイドと職業としてのドルイドがいる。例外としてこの職だけは派生する上位職が少ない。
習得できるスキルは体を活性化させ持続的に傷を癒すタイプの回復魔法、木属性の魔法。
魔法はその職にあった魔道書を読み解く事で習得出来る魔法が多い。
低級の魔道書をギルドで買って覚えてから実践か訓練所で反復するもんだ。
魔法の使えない魔法使いなんて唯の木偶だからな。と最後に付け足してドッズは説明を終えた。
ふわっとした世界観設定
※1 それぞれの神の名は伝わっておらず。教会には8柱の祭壇が纏めて存在する。成人の際に信仰する神を決める、信仰する神を変える事による罰はない。
風と旅人の神・・・主に商人が信仰する神。
地と豊穣の神・・・農夫の多くが信仰する神、王国の国教。
炎と戦いの神・・・傭兵や冒険者等戦いに関わる人々が信仰する神、帝国の国教。
水と出産の神・・・水夫や妊娠を願う女性が信仰する神。
森と狩猟の神・・・エルフや木こり、狩人が信仰する神。
鉄と創造の神・・・鍛冶や製薬等に関わる人々が信仰する神。時たまこの神が創ったとされる武器防具が遺跡から出土する。
光と純潔の神・・・主に未婚の女性が信仰する神、皇国の国教。
闇と冥府の神・・・主ダークエルフ信仰する神。死後の安泰を司るので戦いに身を置く人々の一部も信仰する。
他にもドルイドの精霊信仰やドワーフの巨人信仰等がある。