負けられぬ戦い
俺たちは、捜索の末に、ようやくソレを見つけ出すことに成功した。
「ここが、そうなのか?」
仲間の一人が、俺に尋ねる。
「ああ、間違いない。あの扉に描かれている絵が、以前調べた本に書いてあったものと一致する」
一呼吸おいて、仲間たちに告げる。
「行こう」
そして、俺たちは、扉をくぐった。
俺たちの前に、遂に、奴がその姿を表す。
その巨体に、仲間たちが「でかすぎる」「本当に、大丈夫なのか?」と言う不安の声を上げる。
仲間たちの不安を感じ取った俺は、すぐに、士気を取り戻すべく口を開く。
「ここまで来て、引くわけにはいかないだろう。全身全霊を持って戦えば、きっと、勝機はある」
俺の言葉に、
「まだ勝負は始まってないのに、確かに弱気はダメだな」
「今まで勝ち進んできた俺たちなら、今回もきっと勝てる」
よし、仲間たちの戦意は回復した。ならば、後は挑み、勝利を手にするのみ。
「いくぞ!」
それぞれが武器を手に、目の前の敵に挑みかかる。
だが、奴の抵抗は凄まじかった。
「いくらなんでも、これは熱すぎるだろ!?」
「こんなのアリか!?
「いくらやっても、減った気がしねぇ!?」
灼熱の如き力で俺たちを苦しめ、真紅の力で俺たちを阻むその巨体は、俺たちの奮戦を嘲笑うかのように悠然と立ち塞がり続ける。
「俺は、もう、限界のようだ…」
仲間の一人が、その手から武器を取り落とし、力尽きたように突っ伏す。
それをきっかけとしたように、次々と、仲間たちが力尽きていく。
その様子を見て、その男は腕を組んだまま、所詮この程度か、と言わんばかりの視線を俺に送る。
だが、まだだ。
まだ、俺が残っている。
「負けて、堪るか!」
俺は、目の前の敵に、全力で挑みかかる。
戦闘開始からある程度時間が経ち、灼熱の如き力も、幾分衰えたようだ。
俺の全力に、遂に、やつの底が見えてくる。ここで、勝負を賭けるしかない。お前の全てを、飲み干してやる!
「…これでどうだ、文句はないな?」
俺は、遂に奴との勝負に勝利した。
男は、驚愕の表情を浮かべながらた後、一言、
「見事だ」
とだけ呟き、目を瞑る。
厳しく、そして、激しい戦いだった。
俺は、勝利の余韻を噛み締めながら、扉をくぐり外に出る。
美しい夕焼けを見ながら、帰路へとつく。
マジできつかったな、あの激辛超大盛りラーメン。
食いきれたからタダになったけど、食いきれないと、通常のラーメンよりもずっと高い料金払わないといけないんだよな。
皆を誘った後、今月の小遣いがロクに残ってないのに気付いた時はヒヤヒヤモノだったけど、食いきれたから、よしとしとくか。
少しでもお楽しみいただけたのでしたら幸いです。