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XANADU  作者: 神宮寺飛鳥
【王都奪還】
17/123

プロローグ(2)

 クィリアダリア王国は、その国土の中央をアムネア渓谷により分断されていた。

 渓谷より北側を北ダリア、南側を南ダリアと呼び、この北ダリア平原に王都であるオルヴェンブルムが設置された。これは北ダリア平原が大陸の中央部に近く、周辺国との交易に栄え、交通の要所としての発展を遂げたからである。

 王都が北にある関係上、人里の多くは北平原に集中した。南側にも町がなかったわけではないが、平原を二分するアムネア渓谷の存在もあり、南側は未開の地という印象を持たれる事が多い。元々クィリアダリアという国は南ダリアから発展していったと伝えられているが、現在まで町としての機能が残っている場所は数える程しかない。

 大陸有数の大国家として栄えたクィリアダリアであったが、その繁栄も魔物の活性化、そして巨大なる脅威、“双頭の竜”の出現により終わりを迎える事となる。

 大陸北方より出現した双頭の竜を初めとした無数の魔物が近隣諸国へ進撃を開始すると、瞬く間に人の領土は魔物に奪われていった。そもそもこの世界には魔物に抗うという概念が存在していない。ろくな自衛手段も持たず、その発想を持たない人々に出来る事と言えば、ただ住処を明け渡し南へと逃れる事だけであった。

 北ダリアの平原を南に向かって進むこの村人達の一団もそうして魔物の脅威から逃れてきた者達であった。道なりに一列になって進む彼らの横顔には疲労が色濃く見え、誰もがその目に絶望を宿していた。

 北から南へと逃れる旅は過酷を極めた。漸く見つけた拠り所たる中途の町村も直ぐに魔物の脅威に追いつかれて滅ぶ。そうやって行き場をなくした民を隊列に加え、流浪の民は旅を続けるのだ。その隊列の中、大荷物を背負って歩く幼い少女もまたそうして幾つかの故郷を失うという経験を味わってきた一人だ。


「おばあちゃん、大丈夫? 荷物……重くない?」

「大丈夫だよ。これくらいで動けなくなるほどやわな人生は歩んじゃいないからね」


 少女に笑みを返す老婆だが、その横顔にはどうにも余裕がない。それも当然の事で、既にこうして歩き始めてから三日が経過しようとしていた。空にはどんよりと雲がかかり、暗澹とした景色は余計に疲れと不安を助長させた。


「これはいけないねぇ……雲が出てきた」

「さっきまであんなに晴れてたのに……どうして?」


 空を見上げる二人。そう、最近になってこんな風に唐突に空が闇に覆われる事が多くなってきた。まるで意志を持つかのようにして渦巻く雨雲。世界から光が奪われれば人はその力を失い、そして魔物は活力を得る事になってしまう。


「早く次の村に行かないと……こんな何も無い所で魔物に遭遇したらいけないよ」

「南ダリアには、魔物がやってこない村があるんだよね?」

「そうさ。その村はダリア村と言ってね。この国が始まった場所なんだよ。近くには聖地とも呼ばれる大きな神殿があってねぇ。きっとロギア様が勇者様を遣わしてくれたんだよ」

「勇者様……」


 歩きながら呟く少女。しかしその瞳は薄暗く濁っていた。

 勇者がいつか助けてくれると、そんな話はこれまで何度も耳にしてきた。何もしなくても救いは訪れる。だからただ祈りだけを捧げれば良いと、そう言って死んでいく大人達を見てきた。

 言われるがままに信じ、ただ祈りを捧げた。捧げ続けた……だがそれで何が変わっただろう?

 何も変わらない。世界は変わらない。今もただ自分達は狩られる立場に過ぎない。お先真っ暗でただ死を待つだけの行軍。それでも諦めきれずにこうして足掻き続けている。


「もうすぐアムネア渓谷だよ。きっと今日の夜までには辿り着ける。もうひとふんばりさ」


 老婆の言葉に笑顔を返した正にその時だ。蛇のように長く引いた人の尾、その先端から男の叫び声が聞こえた。それは少女のささやかな希望を呆気なく打ち砕く一言。


「――魔物だ! 魔物が現れたぞ!」


 びくりと背筋が震え思いがけず硬直してしまう。振り返った視線の先、規則正しく動いていた筈の人の波が押し寄せるようにして迫ってくる。


「おばあちゃん、早く! 急がないと追いつかれる!」


 老婆に手を伸ばす少女、しかし魔物から逃れようと走り出した人の群れが二人の間を引き裂いて行く。指先は老婆には届かず、小さな少女の身体はもみくちゃにされ、地べたに倒れこんだ。


「ケイト! 私の事はいいから、早く逃げなさい!」

「おばあちゃん……おばあちゃーん!」


 伸ばした手を誰かの爪先が蹴飛ばした。痛みに顔を顰めていると大人達は迷惑そうに倒れた少女を一瞥していた。ぐっと歯を食いしばり立ち上がる。その視線の先、黒い陽炎が群れを成して迫りつつあった。

 黒い霧を固形に押し込めたかのような生物。赤い光を放つ結晶を抱く魔物。狼のような外見の魔物達はぞろぞろと草原を疾駆し、目に付く人々に片っ端から襲い掛かっている。

 血を流し、絶叫しながら肉を食い千切られる人々。その惨状に取り残され、少女は震えながら老婆の下へと急いだ。


「おばあちゃん、おばあちゃん……っ!」


 そう口にする彼女は、実は血の繋がった家族ではない。

 そもそもこの世界において血の繋がりという言葉はなんの意味も持たない。故に、少女と老婆は赤の他人である。老婆は別の町から逃れてきた少女を快く引き受け、半年ほど共に過ごした仲だ。二人が暮らした家が騒乱に燃え尽きるまでの間、家族として時を重ねた。


「おばあちゃん……今助けるから!」

「来るんじゃないよ、ケイト! 早くお逃げ!」

「いやだっ! もう家族が……大切な人が居なくなるのはやだよ!」


 こうやって目の前で誰かが死んでいくのを見るのは何度目だろう。それでも慣れないこの胸の痛みに逆らおうと腕を伸ばし、声を嗄らし、運命に抗いたいと願ったその瞬間、少女の存在は確かにロジックを飛び越えようとしていた。

 世界を緻密に彩る無限の歯車。その何処かに軋みが生じた正にその瞬間、狼が倒れたままの老婆に襲いかかろうとした。少女はその刹那から目を逸らさず、ただ必死に腕を伸ばし――しかし届かない指先を悔しく握り込んだ時。この世界の何かが変わった。

 少女の真横、すぐ隣を何かが飛んで行った。それは鞘から解き放たれた剣。むき出しの刃は真っ直ぐに飛来し、そのまま老婆に圧し掛かっていた狼の額を貫く。

 赤い結晶が砕け霧散する魔物。目を丸くしたままの少女が振り返ると、背後から二人の人影が迫っていた。その速力は並外れており、息つく間にぐんぐんと距離を縮めてくる。


「……くそっ、間に合わなかったか!」

「まだ全滅しちゃいねえだろ? 見ろ、生き残りだ。無駄足ってわけでもなさそうだぜ」

「シロウは先に行ってくれ。俺の移動速度に合わせる必要はないよ。こっちは手前から片付けて行く。救出が終わったら奥で会おう」


 頷く男。直後、これまでよりも更に加速し少女の頭上を飛び越えて彼方の敵へと襲い掛かった。雨風から身体を守る為に纏っていたマントを剥ぎ取り、シロウは両の拳を構える。


「けっ、雁首ばっかり揃えやがって。雑魚が……纏めて掛かってきな!」


 魔物は直感的に理解したのだろう。今はNPCを襲っているような状況ではないと。一斉に飛び掛る無数の狼、それをシロウは炎を纏った拳で片っ端から返り討ちにして行く。

 一体の魔物を屠るのに彼が要する攻撃は拳の一撃のみ。瞬く間に蹴散らされ、狼は蒸発していく。一方もう片方の少年――レイジもマントを剥ぎ取り、腰から携えた剣に手をかけていた。


「下がっていて下さい!」


 老婆を追い抜くと同時に近づいていた魔物を切り裂く。両手で構えた西洋剣で狼の額にあるコアを狙い、シロウほどの速さではないが的確に数を減らしていた。


「おばあちゃん、あの人たちは……?」

「ああ……間違いないよ。魔物をあんなに簡単に……彼らこそそうさ。神がこの世界に遣わして下さった救いの主……勇者様だよ」


 レイジを囲み、複数体で襲い掛かる狼。レイジはその攻撃をかわし、そして剣で受け止める。だがその瞬間刀身に亀裂が走り、別の攻撃を受けると同時に刃は破損してしまった。


「くっ、やっぱり魔物の攻撃には……まともに耐えられないか……!」


 次の瞬間折れた剣を投げ捨て、掌の中に光を収束させる。現れたのは白くて丸い巾着餅のような物体。それは大きく口を開くと、空目掛けて何かを放出した。

 回転しながら落下しぬかるんだ大地に突き刺さったのは無数の武具だ。剣や槍、斧と言った武器がレイジの周囲を囲んでいる。その中から槍を引き抜き、手の中で回し構え直した。

 飛び掛る狼。その身体に槍を突き刺すが、直ぐに駄目になってしまう。だからまた駆け回りながら別の剣に手を伸ばし、今度は二刀流で魔物を蹴散らす。それが折れたら斧に持ち替え、これを思い切り叩きつけて獣に悲鳴を上げさせた。


「すごい……」


 レイジはシロウとは違う。精霊を武器化した“精霊武装”ではなく、この世界の人間が作り出した通常の武器を使って戦っていた。それは強度も威力も低く、魔物に簡単に壊される。だから次々に持ち替えて戦うしかない。それが彼の編み出した戦闘方法であった。


「むっきゅい……ぺっ!」


 巾着が口から吐き出した剣が勢いよく狼に突き刺さり、レイジはその柄を掴んで振りぬく。黒い血煙が噴出し、振り返り様に更に一閃。額のコアを粉砕して見せた。


「はあっ、はあっ……くそ、やっぱりシロウみたいにはいかないな……」


 魔物の亡骸が霧散していく。レイジは剣を片手にゆっくりと少女へ歩み寄り、片膝を着いて視線の高さを合わせた。


「怪我はない?」

「あ……はい。ありがとうございます……?」


 老婆はありがたやと繰り返しながら両手を合わせていたが、少年は困ったような笑顔で立ち上がる。そうして少女の頭を優しく撫で、背後を指差した。


「向こうに俺達の仲間が駆けつけてる筈だ。そこまで行けばもう大丈夫。辛いだろうけど、頑張れる?」

「……はい! あのっ、ありがとうございます……勇者様!」


 きらきらと希望を帯びた瞳に頷き返すレイジ。少女が老婆としっかり手を繋いで走り去るのを見送り振り返ると、新たな敵を求めて雨の中を駆け出して行った……。




「しっかし、お前も正義の味方が板についてきたじゃねえか、レイジよぉ?」


 実際にレイジが倒した魔物は二割か三割程度であった。残りはと言えば、片っ端からシロウが一撃で葬ってしまったのだ。その様相は正に駆け抜ける嵐そのもので、助けられた人々の方がシロウを恐れるくらいであった。だがその戦いも終わり、今は二人並んで雨宿りをしている。

 アムネア渓谷まで難民を送り届けた二人は渓谷入り口付近で魔物の追撃を警戒していた。しかしシロウが大暴れしすぎたせいなのか、新たな魔物は出現する気配すらない。

 渓谷の道の中、洞窟のようになっている小さな窪みから二人は雨の様子を眺めていた。レイジは鞘から刀身を半分程覗かせ、そこについた傷に溜息を零している。


「正義の味方面するつもりはないけどね。美咲だったらきっとああするだろうなと思ってさ」

「ミサキミサキってお前、あれから何にも変わっちゃいねぇのな」

「美咲が死んだのは俺のせいだからね。だから俺は彼女が出来なかった事を彼女の分までやらなきゃならない。そんな事しても何の意味もない、ただの自己満足だとしてもね」

「いいんじゃねぇか? 自己満足上等だろ。なにせこいつは――ただのゲームなんだからな」


 ミサキの死、そして双頭の竜との戦いから半月が経過しようとしていた。シロウの言う通り、レイジはあれからずっとミサキの影を追いかけている。相変わらず彼女とは連絡がとれずもやもやとした気持ちのまま、しかしそれを考えないように振舞い続けていた。


「今日はこのままログアウトくらいそうだな……姫様達が上手くやってくれるといいけど」

「大丈夫だろ。JJが色々と口出ししてるみたいだしな。んー、しかしまだ暴れ足りねぇぜ……あんなザコばっかり幾ら潰しても面白くもなんともねぇや!」

「……それはシロウだけだよ……俺なんか倒すだけで精一杯なんだから……」


 身体を伸ばしながら笑うシロウ。レイジがその横で苦笑を浮かべていると、そこに遠藤が近づいてきた。といっても姿を消しながら近づいたので、二人にしてみれば唐突に闇の中から遠藤が出現したように見えたわけだが。


「うわっ!? 遠藤さん!?」

「オッサン、消えながら近づくのやめろや……まあ俺は気配でわかるけどよ」

「え!? シロウ、遠藤さんの迷彩に対応出来るの!?」

「あ? 音とかにおいとか、空気のカンジでわかるだろ?」


 全くわからないのでレイジは目を逸らした。二人の様子に遠藤は笑いながら頷く。


「いやはや、救出ご苦労様。難民は無事ダリア村まで辿り着けそうだよ。これも二人のお陰」

「そうでしたか……それはよかった。ログアウトに間に合うか心配だったんです」


 破損した剣を鞘に収め、ミミスケの口に捻じ込むレイジ。そこへ遠藤が声をかける。


「そうそう。君から頼まれていた例の件だけど……」

「何かわかりそうですか?」

「ん、まあね。ただ、思っていたより少し厄介な事になりそうな気がしてね……」


 歯切れ悪い遠藤の口調に眉を潜めるレイジ。シロウはそんな二人の顔色を覗っている。


「なんだぁ? 何の話だ?」

「ああ、うん。えーと……説明するとちょっと長くなるんだけど……」

「どうやらその説明をしている暇はなさそうだよ。話はログアウトしたら……そうだな、メールでも送っておくよ。ついでだから全員に知っておいてもらったほうがいいだろう」


 遠藤の提案を受け入れる二人。ほどなくしてログインの時間が訪れ、三人の姿は幻想の世界から忽然と姿を消すのであった。




「……遠藤さん。遠藤さん! 起きてください、遠藤さん!」


 身体を揺さぶられると同時に聞こえた声に思わず体が跳ねる。ゆっくりと視界を覆っていたHMDを外せばそこは現実。遠藤は大きく背筋を伸ばしながら溜息を零した。


「あぁ~……肩凝った。ん~……おはよう、瑞樹ちゃん」

「おはようじゃありませんよ? 最近事務所で寝泊りしているようですが……一晩中パソコンをつけて何をしていたんですか? もう、すっかりカーテンも締め切っちゃって……」


 女の名前は中島瑞樹。この遠藤探偵事務所に勤務する唯一の職員にして、私立探偵遠藤博彦の助手という肩書きを持つ。都内某所、ビルとビルの間に無理矢理押し込めたような小さな雑居ビルの三階にこの事務所はあった。瑞樹はカーテンと窓を同時に開け放ち、どうにもヤニ臭くなった部屋の換気を試みている。


「一晩中おじさんがパソコンで何してたのか知りたいのかい?」

「……別に知りたいわけではありませんけど……どうせろくでもない事でしょうしね」

「そうとは限らないだろう? ほら、僕の仕事って結構インターネット頼りな所もあるしさ。今時大体の事はネットを調べればわかっちゃうんだからすごいよねえ」

「では、何か仕事で調べ物をしていたんですか? 第一なんです? その変なオモチャ」


 HMDと接続された自称ダイブ装置を指差し怪訝な様子の瑞樹。遠藤は顎鬚をいじりながらHMDを手に取り、にやりと笑みを浮かべた。


「世紀の大発明。世界初のフルダイブシミュレーション装置」

「……なんですか、それ?」


 瑞樹はこの手の機械にめっぽう弱い。遠藤に言われ仕方なく持った携帯電話も未だに小奇麗なままで、辛うじて電話がなんとか出来るかどうかという感じである。無論パソコンなんてものは未知の物体だし、それを理解したいとも考えていなかった。


「まあなんというか、今回のお仕事に関わる品物なんだよ。これも貴重な証拠品さ」

「本当に仕事なんですか? ここ三ヶ月くらいまともなお客を見た事がないんですが」

「仕事さあ、勿論仕事だよ? 第一全く仕事していなかったらこの事務所を維持出来ないでしょ? 君にだってちゃあんと給料が支払われてるんだから、働いてないって事はないよ」

「……それが本当に不思議なんですよね。お給金はそこそこ良いですし……支払いが滞った事もないですから……」


 いまいち納得の行かない様子の瑞樹。遠藤は煙草に火を点けながら目を細める。

 実際の所、まともな仕事はここ三ヶ月どころか半年はきていなかった。だがそれは“探偵”としての仕事。彼が副業と呼んでいるある仕事に関しては盛況で、とりあえず食って行くのに苦労しないくらいの日銭は稼げていた。


「しかしもう朝か。どうやらログアウトしたまま寝入ってしまったようだね。僕ももう少し若ければみんなのように……んんっ、座ったまま長時間この姿勢と言うのは辛いものがあるねえ」


 首をゴキゴキと鳴らしながら席を立つ遠藤。ブラインドの隙間に指を通し、太陽の光が降り注ぐ街の交差点を見下ろす。


「元々昼夜は逆転していたけど、朝出勤してきた助手に起こされるようじゃ問題かな」

「コーヒーいりますか? どうせ何も食べていないんでしょう?」

「僕は実に果報者だよ。君みたいな美人が朝食を用意してくれるなんて、探偵冥利に尽きる」

「そんな冥利で探偵を名乗らないで下さい。不愉快です」


 つれない言葉に眉間に皺を寄せ、もうこれ以上は無理だと叫んでいる灰皿に無理矢理吸殻を捻じ込んだ。お陰で灰が飛び散り、デスクの上が余計に悲惨な事になってしまった。


「コーヒーだけいただいたら少し出てくるよ。今日は行くところがあってね」

「珍しいですね……どんな仕事ですか?」

「んーとね。女子大生の生態調査……かな?」


 まるで台所の三角コーナーを見るような眼差しを遠藤に突き刺す瑞樹。男は肩を竦めながら笑みを作り、それから真剣な目つきでVR装置を見つめるのであった。

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