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キミは太陽  作者: karinko
7/9

3話☆勘違い☆恵美side

「ウソー!!こんな可愛い子がオレらのマネージャーになってくれるん!?」


「え、えっと…笹川菜ノ花です…よろしくお願いします。」


今日から菜ノ花がマネージャーとしてサッカー部に入ることになった。


…というわけで、今は菜ノ花の自己紹介中。


菜ノ花のまわりに部員がわらわらと集まって菜ノ花が困っている。


そんな状態。


ウチは小さなため息をついた。


あっ、ちなみになんで今まで散々地味、地味って表現してきた(めっちゃ菜ノ花に失礼やな…)菜ノ花がこんなに部員に大人気になっているのかというと、菜ノ花が眼鏡をはずしてコンタクトにしてきたからだ。


入部とともにいきなりコンタクト。


というのはちょっと男子受け狙ってんかな??…と思ったがそうでもないらしい。


理由は今朝菜ノ花と光が説明してくれた。


どうでもいいけど振り返ってみよう……




「恵美!聞いて聞いて!大ニュースや!!!!」


ウチが教室に入るなりいつになくご機嫌な光が満面の笑みでかけよってきた。


な、なんやこいつは…


朝っぱらから元気なやつやなぁ……


「なんやねん??」


「秘密!本人きたら教えたる!」


光は『知りたいやろ?まぁおあずけや』とばかりの顔でウチを見た。


なんか腹立つなぁ。


なんやねん、こいつの変なテンション……


と、ウチが冷たい目で光を睨んでいると、


「あっ!きた!見て見て!」


光がうれしそうに教室の扉の方を指差した。


光が指差した方を見ると、ちょうど菜ノ花が教室に入ってこようとしているところだった。


……あれ?なんかいつもと違うなぁ。


疑問に感じて、ふと菜ノ花が眼鏡をかけていないことに気がついた。


「あっ…恵美ちゃん、西崎くん、おはようございます。」


菜ノ花は恥ずかしそうに下を向いた。


そんな菜ノ花を光が引き寄せて、私に見せつける。


「見て!菜ノ花って眼鏡とったらめっちゃ可愛いねん!!」


光に言われてウチは菜ノ花の顔を見た。


思わず目を見張る。


長いまつ毛に大きな目。


今まで気にしてなかったけど、よく見ると可愛らしい顔立ち。


「ほんまや……」


ウチがつぶやくと、菜ノ花は顔を赤くしてさらにうつむき、光は得意げに鼻を鳴らした。


「オレが最初に発見してん!すごない!?」


「はいはい、すごいネ。で、なんでまた眼鏡とってきたん??」


ウチが尋ねると、菜ノ花はぼそぼそと答えた。


「その……昨日…光くんに眼鏡をとられてですね……」


「うん!オレが眼鏡とって、明日からコンタクトでこい!っていってん!」


………!?


それはどういうシチュエーションなんや!?


全く理解できん…




……というわけらしい。


いや、最後にウチも『全く理解できん…』って言うてるけど、まぁ要は光のせいやっちゅうことで、それを掴めてもらえたらいいと思う。


というわけで、眼鏡をとった菜ノ花はめちゃ可愛い。


菜ノ花ってめっちゃおいしいやつやなぁ…


囲まれている菜ノ花を見てそんなことを考えていたとき、


「いやー!恵美は女ちゃうからな!女の子らしい子きてくれてうれしいわ!」


部員の一人、愛称『ハゲ』である横山結城の声が聞こえた。


「ほーう…」


ウチが女じゃない…と。


この完璧な大和撫子ばりの女子である三浦恵美様が女じゃないと…


「おい、ハゲェ!!ウチのどこかどう女の子らしくないっちゅうねん!言うてみー!!」


ウチは結城を怒鳴り飛ばした。


「そこやー!!」


結城の親友である愛称『チャラ男』こと江藤大地がつっこんだ。


それを無視してウチはため息をつく。


「はぁ…って、あれ??」


そーいえば、今ここで一番生き生きしてそうな人物が足りへんというか……


「光は……」


ウチがまわりを見渡すと、すぐに部室の床で倒れている光を見つけた。


「おまえは何をしとんねん!?」


「だって…誰もオレの相手してくれへんから……」


光はゆっくりと立ち上がりながらつぶやいた。


「そうか…そいういや恵美には言うてへんかったなぁ……」


珍しく深刻そうな光の顔。


「ごめん…もっとはやくいうとくべきやった…。オレな……」


いつもノーテンキな光がこんな深刻に……


もしかして、何かめっちゃ重要なことなんやろか……??


「さびしかったら、死ぬんやで??」


全身の力がぬけて、思わず転びそうになった。


「ウサギか!」


かろうじてそうつっこむ。


あかん…


こいつの言うことをまともに聞いたウチがアホやった……


「だってー!!みんな菜ノ花菜ノ花って!!オレもかまってくれやー!!」


「ごめん!光!」


「オレらが悪かった!!」


光のまわりに集まって肩をたたいたり、慰めたりする部員達。


アホや、こいつら……


ちゅーかみんなを『菜ノ花菜ノ花』にさせたんは誰やっちゅー話やし!


ったく、朝のあの妙なテンションの光はどこへいったんや……


「……楽しい部活なんですね」


隣で菜ノ花がその光景を見ながら微笑んだ。


ウチもそれを見ながらふっと息をつく。


「まぁ、いろいろめんどくさいけどな!でも、菜ノ花が気に入ってくれたみたいで良かったわ」


菜ノ花の笑顔を見ながら、ウチはほんまに菜ノ花をこの部活に誘ってよかったなと思った。


「おい!」


そんなにぎやかな雰囲気の中、突然部室のドアが悠人の声とともに開いた。


「もう練習始まるでー!!集まれよ!」


「ほーい」


「やべっ!シューズ忘れた!!」


悠人の声とともに部員達がぞろぞろと練習の準備を始める。


「んっ??」


ふと悠人が菜ノ花の方に視線を向けた。


「そーいや、お前…昨日マネージャーなりたいとかなんとか言ってたやつやんなぁ??」


「は、はい!一応先生にも報告してきました!!」


菜ノ花はぴしっと姿勢を正して答える。


そんな菜ノ花を悠人はじーっと見た。


「……なんか昨日と雰囲気ちがうくない??」


「あっ!せやろ!!やっぱ悠人は気付いてくれた!?」


光が突然水を得た魚のように食いつく。


「これにはふかーいわけがあってな!?聞きたい!?聞きたい!?」


「いや、ええわ」


朝と同じ変なテンションの光を軽く流して悠人は菜ノ花に向かって笑いかけた。


「オレはキャプテンの和泉悠人や!よろしくな!!」


悠人が菜ノ花に自己紹介をしているのを見て、やっと菜ノ花がはっきりと悠人の存在を知っていなかったことに気がついた。


あー、そういや昨日悠人がきたときに菜ノ花に紹介しとくべきやったな。


「まぁどんなことしたらええかとかは恵美に効聞き。オレは練習参加せなあかんし」


「は、はい!」


悠人はそれだけ言い残すと部室をでていった。




そのあと、ウチは菜ノ花に軽くマネージャーの仕事を教えてから外でお茶作りを始めた。


「んでなっ!それで光がな!」


ウチが光のおもろい話を菜ノ花に話していると、菜ノ花がふと思いついたように言った。


「恵美ちゃんって…西崎くんの話してる時、すっごく楽しそうですよねっ!」


「え…??」


そうか??


まぁ、あいつはおもろいことばっかしよるから、あいつの話するんは楽しいけど……


「もしかして恵美ちゃん……」


菜ノ花がいたずらっぽい目で私を見つめる。


「西崎くんのこと、好きなんですか??」


……!!


少し驚いて目を見張った。


いや、確かに好きやけど……


光はそーいう好きじゃなくて……


というか、どちらかというとウチは……


かぁぁぁ!


顔が急激に熱くなった。


それを見て菜ノ花はにやにやと笑う。


「やっぱりそうなんですね!!」


「いや、違…!!」


今のは光のことを考えて赤くなったんとちゃうくて!!


ウチが言いわけしようにも、ウチが光のことを好きと思いこんだ菜ノ花には通用しないようだ。


「大丈夫ですよ!西崎くんと恵美ちゃんならすっごくおにあいです!私、応援してますから!」


「いや、ほんまにちが「えっ!?」


ウチの無駄な反論はうしろからの違う声にかき消された。


「そう…やったん……??」


この声、もしかして……


ウチはゆっくりと後ろを見た。


「…悠人!!」


やっぱり。


こいつには一番勘違いされたくなかったのに……


「いや、聞くつもりはなかってんけどな…聞いてもーたわ」


悠人は申し訳なさそうに頭をかく。


「いや!違うねん!これは菜ノ花が勝手に!」


「いやいや、大丈夫。恥ずかしがらんでも、オレもおまえは光が好きなんちゃうかと思ってた」


だから違うっちゅうねん!


ほんまこいつだけはタイミングが悪いやつやな!!


ウチが反論しようと口を開きかけた時。


ポンッ


悠人がウチの頭に手をおいた。


「頑張れよっ!!」


そしてウチに向かってにっと笑う。


「応援してるで!」


不覚にも、その笑顔がかっこいいと思ってしまった自分に腹が立った。


おそらく赤くなっているだろう顔を隠すようにうつむく。


「……ありがとう」





「あーっ!!やっと1日終わったーっ!!」


「おまえ今日、ほとんど何もやっとらんかったやろ……」


下校時刻。


ウチと光と悠人は帰路についていた。


「ウチもちゃんといろいろやってましたー!」


「ウソつけっ!全部あの子に押し付けてたんしってんねんぞ!!」


「うっ!!な、なぜそれを……!!」


ウチと悠人が話していると、突然光が足を止めた。


「……あれ??」


そして慌てたように振り返る。


「菜ノ花は??菜ノ花はどこ行ったん??」


「え…なんか残って部室のそうじやるって言ってたけど……」


ウチが言うと、光はさっとウチらに背中を向けた。


「どーせやったら菜ノ花も一緒に帰ろうや!オレ呼んでくるから!!」


「えっ!光!?」


光はもう部室に向かって足を踏み出そうとしてる。


「…わかった。待ってるわ」


こいつ、ほんま最近やたらと菜ノ花に執着してるよな……


もしかして菜ノ花のこと好きなんか??


何の気なしにそう考えながら光の背中を見ていると、ふいに部室に向かおうとする光を悠人が止めた。


「光」


光は面倒くさそうに振り返る。


「オレ部室にシューズ忘れたから、オレがついでに呼んでくるわ」


「えっ…!そうなん!?でも、オレも……」


「恵美が1人になるやろ?お前はまっとけ」


ドキ……


心臓が少し強くなった。


「あ…せやなぁ……」


納得してとどまった光の代わりにさっていく悠人の後ろ姿をじっと見つめた。


ウチを、気遣ってくれたんや……


悠人はウチが光のことを好きやと思ってるから……


ズキッ


心臓が締め付けられるように痛くなる。


多分もう気付いてると思うけど、ウチは悠人にずっと片思いしてる。


だから、ほんまに悠人だけにはウチが他の人が好きやなんて勘違いして欲しくなかった。


…分かってる。


菜ノ花に悪気はない。


もちろん、悠人にも。


けど『光を思っている』ウチのための悠人の気遣いが、ウチにとってはとても辛い仕打ちのように思えた。

前半…というか今回はほぼどうでもいい日常ですね^_^;


でも書いてて楽しかったです♪


ちなみにハゲとチャラ男は部員の代表としてこれからもちょいちょいでてくると思います(笑)

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