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キミは太陽  作者: karinko
3/9

2話☆部活☆菜ノ花side

あの日から恵美ちゃんや西崎くんが頻繁に私に話しかけてくれるようになった。


私も初めは緊張していたけど、少しずつ2人との会話に慣れるようになってきた。


そんなある日……


「菜ノ花は部活とかやれへんのー??」


突然恵美ちゃんに尋ねられた。


「部活…ですか??」


今まで部活には入ったことがない。


一応興味はあったりするのだが…


なんとなく自分が入ってはいけない世界のような気がしていた。


「特に…考えてはいませんが…」


でも…


「…少し、興味はあります」


私はうつむきながら小さな声で答えた。


恵美ちゃんはそんな私をみてにっこりと笑う。


「じゃぁ、今日の放課後一緒に運動場きてくれへん??紹介したい部活があるねん!!」




放課後、恵美ちゃんに連れられて私は運動場へ向かった。


「えっと…何の部活ですか…??」


「あれ!!」


恵美ちゃんは元気よく運動場の真ん中の方を指差した。


そこでは何人かの生徒がふた組に分かれてボールを追いかけている。


あれは…


「サッカー部…ですか??」


「うん!まぁ選手じゃなくてマネージャーの方やけど!!」


マネージャー!!


予想外の言葉が頭の中で大きく響いた。


「マ、マネージャーって…あの、暗黙の了解で美人しかなれないという…有名な、あのマネージャーですか??」


「いや、そんな大げさなんとちゃうよ!!」


け、けど…


私のイメージではそうとしか…


とても私のような地味な人間がなれるようなものではない気がします…


私が当惑していると、恵美ちゃんは手を横にふって笑った。


「そんな困った顔せんでも!別にやりたくなかったらやらんでもええし!ただ、サッカー部のマネージャーがウチしかおらんくて仕事が大変やから手伝ってほしいなって思っただけやで!」


「え!!恵美ちゃんしかいないんですか!?」


サッカー部のマネージャーといえば、結構な人気職だったような気が…(以前の学校調べ)


「いや、募集者はいっぱいおるんやけど…みんな光と悠人目当てでやる気ないやつが多いというか…」


恵美ちゃんはため息をついた。


西崎くん??


ああ、そうだった。


そういえば初めて西崎くんと出会ったとき、彼はサッカーボールを持っていた。


そうか、西崎くんもサッカー部なんだ。


「西崎くんって女の子に人気があるんですか??」


なんとなく私が尋ねると、恵美ちゃんは苦笑いした。


「んー…まぁ、あいつは誰にでも愛想ふりまいとるからなぁ…。それに…」


恵美ちゃんはふとグラウンドの方に目を移した。


つられて私もグラウンドへと目を移す。


「あいつ、サッカーめっちゃ上手やから」


恵美ちゃんに言われて、私は西崎くんに焦点を合わせた。


ちょうど西崎くんがボールを持っているところだ。


前には4、5人の相手チーム。


西崎くんはボールを止めてじっと前をみると、突然動きだした。


そして軽々と相手役の選手をぬいて、シュートを決める。


「…すごい」


サッカーのことは全然わからないけど、なんとなくそう思った。


まわりの人が西崎くんのまわりに集まって、西崎くんをこずいたり背中を叩いたりする。


西崎くんはその中心でいつものように明るく笑っていた。


「まぁ、あんな感じやから、かっこいいとか思う女の子が多いみたいやなぁ」


「そうなんですか…」


私が感心しながらあらためて西崎くんを眺めていると、ふとこちらをみた彼と目が合った。


「菜ノ花や!!」


西崎くんは運動場の端にいた私たちにも聞こえる程の大きな声で私の名前を呼ぶとこちらにかけよってきた。


「どうしたん!?なんでおんのー??」


「ウチが誘ってん!菜ノ花にマネージャーせーへんか?って」


「マネージャー!」


西崎くんは目を輝かせると、私の手を握った。


「!!」


思わずどきっとする。


けど西崎くんは全然気にしていないようだ。


「やろ!オレ、菜ノ花にマネージャーやって欲しい!」


「…えっ」


私は驚いて目を見張った。


今まで部活に入るのはずっと気が引けていた。


ましてやマネージャーになるなど考えたこともなかった。


『なんでこんなやつが入ってるんだろう?』


他の人にそう思われるのが怖くて。


でも西崎くんは私が部活に入るのを望んでくれている。


うれしくて、自然とほおがゆるんだ。


「…はい!」


西崎くんがにっこりと笑う。


「やった!んじゃ、さらによろしくやな!」


「ウチもめっちゃうれしいわ!菜ノ花やったら真面目にしてくれると思うしウチも楽に…「恵美!!」


突然恵美ちゃんの言葉を低い声が遮った。


「げっ!悠人!」


恵美ちゃん後ろを振り向くと少し顔をしかめた。


「げっ!とはなんやねん!おまえ、マネージャーの仕事ほっぽって何をゆうちょにしゃべっとるんや!」


私も後ろを振り向くと黒髪の男の子が腕組みをして恵美ちゃんを見下ろしていた。


切れ長の目に整った鼻と口。


ずいぶんきれいな男の子だな…。


そう考えて、ふとさっき恵美ちゃんがサッカー部のマネージャー志望の大部分が西崎くんともう一人、


『悠人』という人を目当てにしていると言っていたことを思い出した。


ということは、この男の子が『悠人』くん??


「ゆうちょにしゃべっとるわけとちゃうわ!おまえらがウチに無理なことおしつけてくるから、仲間ふやそと思って勧誘してるんや!」


「ん…??勧誘…??」


男の子は私の方を見た。


「ちゅーことはおまえがマネージャー希望か??」


「え、えっと…希望というか…」


いきなり見つめられて緊張してしまい、おどおどと答えると、男の子はふいと私から視線を外した。


「まぁええわ。とりあえず恵美借りるでー」


そう言って恵美ちゃんのツインテールの片方をひっぱる。


「ちょ!悠人!離せって!」


抵抗もむなしく、恵美ちゃんは連れていかれてしまった。


「…ええと、いいんですか??」


私が唖然としながらつぶやくと、西崎くんはにこにこと笑いながら言った。


「…まー、恵美がゆーとにつれていかれんのはいつものことやから」


「そうなんですか!?」


ゆ…ゆうとくん??でしたよね?


あの男の子はいったいどういう人なんでしょうか…??


キーンコーンカーンコーン…


下校時間を告げるチャイムが鳴った。


「あー、もう帰る時間やな。んじゃぁかえろか!」


「えっ!!恵美ちゃんはいいんですか!?それに練習は…」


「ゆーとがきたってことは練習もう終わったってことやし!恵美は…ゆーとがおるから大丈夫やろ!」


西崎くんはすっと立ち上がると私に向かって手をふった。


「じゃぁ着替えてくるから待っててな!」


「は、はい…」


私はうなずくとぼんやりと西崎くんを見送った。


…って、あれ??


『待ってて』ってことは『一緒に帰ろう』ってこと…だろうか。


私と…


一緒に帰ってくれるの…??


西崎くんは私のことを『友達』って思ってくれてるのかな??


そう考えるだけでうれしかった。


今までそんなふうに思ってもらえてると思える人があまりいなかったから。


…とりあえず、帰り道ではそそうのないようにがんばろう。


そう誓って軽く右手でガッツポーズを作っていた時。


突然風が吹いて風が舞い上がった。


「っつ!!」


グラウンドの砂が舞い上がって眼鏡の間をぬい目の中に入った。


と、とりあえず洗わなければ…


そう思って私はすぐ近くにあった水道に向かった。



なんとか砂をとりだして眼鏡をかけようとしたとき、


ざっ…


近くで何かが動く気配がした。


「西崎くん…??」


視界がぼんやりとしていて見えない。


私は眼鏡をかけようとした…だが、いきなり両手をつかまれ、それを阻止される。


ぼんやりとした視界の中のすぐ近くに西崎くんの顔が見えた。


じっと私を凝視をしている。


「えっ…??なんですか…??」


突然のことで心臓がどきどきとする。


な、なんだろう??


私の顔に何かついているのだろうか??


西崎くんはしばらく私の顔を凝視したあと、大きくうなずいた。


「うん!」


そしてぱっと明るく笑う。


「菜ノ花は眼鏡とってる方が可愛いなぁ!!」


西崎くんの行動を見ていて気付いたことがある。


西崎くんは本当に何も考えずにこういうことを言ったりしたりする。


わかっているのに心臓が強くなった。


「ってことで眼鏡没収や!明日からコンタクトな!」


西崎くんはそういって私の眼鏡を取り上げた。


…可愛いなんて言われたのは何年ぶりだろう??


突然以前の学校でのこと、中学時代のことを思い出した。


『ブス!』


クラスメイト達が口々に私にそんなふうな言葉を浴びせる。


人をあざけるような、嫌な笑顔。


けど、目の前の少年は純粋な笑顔で私のことを『可愛い』といってくれた。


「…はい!!」


今日これから、さっそくコンタクトを買いに行こう。


私はそう誓い、大きくうなずいた。

サッカーのことはあんまり詳しくないのでおかしな点があれば追及してほしいです(;一_一)

悠人登場ですよ!でもまだこの時点では菜ノ花は悠人の名前をはっきり知らないということで…(*^_^*)

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