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アウトマン·シンドローム  作者: さとうよわし


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1/2

1-1     「神童」と呼ばれた令息

どうも、サトウヨワシです。

まだ本編は先ですので気長にお待ちください。

ではごゆっくり。

 「おい、聞いたかよ。」

 仕事の同僚で仲の良いウェンが話しかけてくる。唐突に何だ、と私は返した。

 「貴様は主語が足りない、そういう事が評価に響いているんだ。」

 「小言は今は置いてくれよ、だから陰険野郎って  呼ばれてんだよ。」

 全くもって不快だが、こいつに言っても意味がないので、話をもどす。

 「それで、なにか用でも?」

 「おうよ、前の飲み屋での話だがよ。どうも本当らしいんだな‥これが」

飲み屋というと親友だけで集まった集会の話だろう。私達はそこで耳を疑う話を聞いた

のだ。

7日前の安らかなる日の夕暮れ時に集会は始まった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「最近、仕事の調子はどうなのかね?」

 紳士ぶった几帳面(カンチガイ)野郎であるジェイムズは私の数少ない親友である。

 元々スラムで育った私は時折ではあるが、品性に欠けた言葉を投げかけてしまっていた。

 言葉遣いを変えようかと考えていた時に知り合ったので、気付けば私も話し方が似てしまってどうにも複雑である。

「私は、ボチボチだね。貴様はどうなんだ?」

 適当な返事ではあるがこいつの機嫌を気にしてはいられない。こいつはどんな相手にもこいつのルールを押し付けてきやがる。だが私が予想していた返事とは別の言葉が帰ってきた。

 「我輩は少しだけまずい状況にあるのだ、だからこの集会を開いたのだ。」

 この言葉を聞き、思わず私達は無口になった。

 普段から余裕綽々な態度を取る人間が弱音を吐き捨てたからである。

 私は何か嫌な予感がした。

いや、ウェンもしたのだろう。

こいつは態度は気に入らないが優秀なのである。

 そんな人間がまずい状況だと他人に話す様子が周囲を巻き込む嵐の前の静けさに感じたからだ。

 「我輩の雇い主である貴族が間違いなく厄介な仕事を持ってきてしまったのだ。」

 「厄介な仕事?」それは珍しいことだった。

 プライベートと仕事を区別するジェイムズから仕事の話を聞くことは滅多にない。

 「どんな仕事なんだね?」私がそう返すと、

横からウェンが軽口を叩く。

 「どうせ、やらかした貴族の令息の処理だろう?」

 「いや、そんな生ぬるい内容ではない!とても繊細でただ一つの失敗も許されない仕事だ。」

 「大げさすぎだろ?んじゃあその仕事が失敗したとしてどんなペナルティが待ってるんだよ?」

 「我輩にはない、だからこそ厄介なのだよ。」

 「勿体振らずに早く喋りたまえ、貴様は話が長い」

 「ではここからの話は決して他人には話すな。

我輩の仕事はとある国で起きたとある事件の再調査である。それも1年前に起こった事件だ。既に裁判による刑が執行された事件だ。」

 『?』私達は理解が出来なかった。

そもそも暗殺部隊の人間であるジェイムズが何故事件の再調査を受けることになったのか検討がつかないのである。

 次の言葉を待っている時まで熟考しても分からない。

ジェイムズは言葉を続ける。

 「その事件は不自然なことばかりで有名でな、とくにおかしいのは犯人が齢14の年の貴族令息であることなのだよ。」

 ウェンが聞く。

 「それの何がおかしいんだよ?そんな事件、山ほど有っただろうよ。」

 ジェイムズは言葉を続ける。

 「被害者は女性だけで構成された騎士団の隊員全員なのだよ。そして、被害者といったが決して亡くなった訳ではない。」

 「?じゃあ何の被害に合ったんだよ。」

 「凌辱だよ、それも同時期にだ。」

私は凌辱という言葉を聞き、酷く不快に感じた。その令息はクズなのだろう。たとえ子供であったとしても死で罪を償うべきである。そういうことを考えたがジェイムズは別のことを感じたようだ。

 「君たちが考えていることは分かる。だが考えてほしい。騎士団の隊員として活動するにはそれ相応の力が必要だ。たとえ、その令息が組み倒そうとしてもよほどの事がない限りではまず倒されることはないはずだ。」

 「その令息が戦うことに特化した神童だったのだろう?だったら倒せるだろうさ。」

 「そうだとしても騎士団全員を相手取る事は難しいはずだ。さらにその令息は罪を認めている。」

 「それのどこがおかしい?」

 「14という若さであるならば自分にとって不利益になることはしないはずだ。罪を否定することなく認めているのだ。自慢するでもなく吹聴するでもなく認めているのだ。そこに不気味さを感じている。」

 確かにそうだ。あり得ないことである。騎士団全員を凌辱するほどの悪人であるならば抵抗するはずだ。だが私はまだその令息に対する疑惑は拭えていない。

ジェイムズは言葉を続ける。

 「その令息は確かに神童と呼ばれていた。ただ一つ付け足すとすれば誰にでも優しい性格だったらしい。我輩が厄介と言ったのはこの調査を遂行しなければ一人の子供の社会的な死が待っているからだ。我輩が暗殺部隊に属しているのも子供が平和に暮らせるために、邪魔なゴミを排除するため。ならばこの仕事は失敗が許されないのだよ!」

ジェイムズはそこで話を終えると酒を一杯あおり、呼吸を落ち着かせた。

 「この話を聞かせたかったから、集会を開いたのだ。重い話を酒で流し込むためにな。」

 ウェンが聞く。

 「お前は結局その事件がどうだというんだ?」

 ジェイムズが答える。

 「その令息は冤罪だと考えている。もしくは罪を着せられたのだろう。我輩はこの後仕事があるのでこれにて解散する。」

 集会を終わらせる宣言をしたジェイムズは覚悟を決めた顔をしている。

 その顔が何故か罪悪感にまみれている様にも感じてしまったが親友とはそこで別れている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「にしても意外だったな。ジェイムズの野郎があんなに熱く語ったのはよ。」

 「奴は元々ああいう性格だ。格好付けているだけで中身は誰よりも熱血なのだよ。」

 集会の話をしているとウェンが忘れていたことを思い出す様に喋りだす。

 「話を戻すけどよ、凌辱事件の被疑者は別だったらしいぜ。ジェイムズが言ってたことは合ってたんだな。優秀で羨ましいぜ。」

 「優秀過ぎるのも大変だろうがな。」

私は話を終えて、次の仕事場に移動するのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これはオモシロイ、彼らは凌辱事件が終わったと思ってイル。ダが彼らはワスレテイルヨウです。既に刑が執行されているコトヲ。まあ、取り敢えず始めますか、本当のハナシヲ」






お疲れ様です。サトウヨワシです。

みてくださった方には感謝します。

主人公の名前は格好いい名前にします。

今回の話では、とある事件の話をしています。

一見解決したように見えますが果たしてそうでしょうか?刑が執行された令息はどうなっているのでしょう?そもそも何故事件に巻き込まれたのでしょうか?

疑問が生じているでしょうが真相が明らかになるのはまだ先です。お楽しみに。

改めてこの小説を読んでくださった方には感謝を、

またお会いしましょう。

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