EXTRA 何やってんだコイツら(4)
初日は奏と楽しんだ文化祭もすぐに終わり、気が付けば冬休みを迎えていた。あの翌日には麻緒や紗奈さん、燈璃と一緒の時間を過ごし、文化祭を大いに楽しんだのだった。
そんな楽しい日々も颯爽と過ぎ去って、新年をもう数日と控えた今だが、その前に訪れるのはクリスマス。
冬休みの課題を四人と一緒に進めながら、話すのはその話題。ちなみに、今いるのは奏の家だ。
彼女の両親は今日一日 出掛けているため家にいないらしく、大人の目を気にすることはない。つまり "そういうこと" をしたって問題ないのだ。
いやまぁ、課題もちゃんと進めていますよ?さすがに弁えてるって。
「クリスマスは、イブと当日で二人二人で分かれてデートしない?」
先ほどよりもだいぶ薄着になった麻緒が、飲み物を片手にそう言った。確かに、俺を含めて五人でデートをするのは些か大所帯だろう。
それならば、彼女の言う通り二人ずつに分かれてもらった方が良いかもしれない。皆も同じことを思ったのか頷いている。
「なら、イブは私と麻緒ちゃんで如何でしょうか?」
「そうだね。奏ちゃんとウチなら、中学の時から関わりもあるし」
「さらっと先を取るんじゃねぇ」
麻緒の提案に真っ先に名乗りを上げた奏に、燈璃がツッコミを入れる。それを横目に、俺は横に置いてある長袖の服に袖を通した。
「でも、せっかくのクリスマス当日なら、燈璃ちゃんと紗奈ちゃんで楽しんだ方が良いのでは?」
「それなら、燈璃ちゃんと麻緒ちゃんじゃない?私たちより先に樹付き合ってたのはそっちなんだし」
「それなら、アタシらより付き合いの短い紗奈と奏が良いだろ。特に奏は離れてることが多いんだしよ」
盛り上がりを見せる予定合わせを聞きながら、俺もどうしようかと思考を巡らせる。俺との付き合いの時間を基準にするか、相方となる子の時間を基準にするか、悩みどころだ。
俺としては、イブだろうが当日だろうがデートに差を付ける気はないし、せっかくなら満足してもらいたい。
去年のクリスマスは奏と付き合う前だったし、そもそも麻緒はウチの学校にいなかったので、それぞれと一人ずつと付き合う形でデートを楽しんだ。
つまり、去年のことはあまり参考にならないのだ。うむむ、どうしようか。
「とりあえず、燈璃ちゃんが当日になるのは当然として、もう一人をどうするかですね」
「なっなんでアタシなんだよ」
奏の言葉に頷く二人と、困惑する本人。そういえば燈璃とは、付き合える時間に限りがあったな。
彼女には婚約者がいるんだったな……
そう思うと、もっと燈璃との時間を過ごしたいと、思わず彼女の肩を抱き寄せる。
小さく あっと声を出した彼女は、頬を朱に染めて身体を寄せてきた。そんな俺たちから皆は目を逸らして、ヒソヒソと予定について話し合っている。
「アツアツのお二人さんに割って入るのは少々憚られますね」
「そもそも、クリスマスにこだわり過ぎなくても良いんじゃない?イルミネーションだって何日も続くだろうし樹が良ければ四日間に分ける?ウチが言うのもアレだけど」
「そだね。まぁ、その話は後にしよっか。ちょっと買い物でも行く?邪魔になっちゃうし」
そんな紗奈さんの言葉が聞こえて、俺と燈璃がそちらを見ると、三人が微笑みながら頷いた。恥ずかしくなって、それを誤魔化すように燈璃を見ると、彼女も顔を赤くして笑顔で抱きついてきた。
「ほいじゃー、行きますか」
「「はーい」」
紗奈さんの号令に、麻緒も奏も立ち上がる。すっかり気を遣われてしまったな。
でも、なんとなく三人とも楽しそうではある。
彼女らの背中を見送って、俺と燈璃は二人だけの時間を送るのだった。




