EXTRA 何やってんだコイツら(3)
俺には大切な女の子が四人いる。とても可愛くて優しい女の子たちだ。もちろん皆俺を好きだと言ってくれているし、それにちゃんと応えたいと思ってる。
ただ、如何せん身体が足りていない。一人で四人を相手にするのは体力不足なのだ。それを皆分かってくれているのか、毎日ローテーションが組まれ、俺の相手をしてくれている。
あれ?俺だけ得しすぎじゃね?
これではなにも返せないと頭を抱えるが、だからと言って何をできるわけでもない。精々誕生日プレゼントを張り切ったり、一回一回のデートを真剣にするくらいだ。
皆の想いに向き合えているのか、応えられているのかということに、疑問を抱いてしまう。もしたして、俺は女の子の気持ちを弄ぶ最低な男なのではないかと。
皆の好意を知っても一人に決めずに付き合って、それを許してくれるその優しさにつけこんでいるような、そんな気持ちが心を支配する。
もう何度も抱いた気持ち。嬉しさの裏には葛藤だってある、でもそれは誰にも言ってない、というか言えない。
自分で決めて選んだ道なのだ、それを口に出すのはあり得ないだろう。
むしろ、もっと皆を喜ばせたいとより強く思っているんだ。そうじゃないと、もっといい男が現れたらそちらに行ってしまうかもしれない。
それになにより、みんなの笑顔も見たいんだ。
そう思っているのは事実だ。嘘偽りのない気持ちなんだけど、如何せん体力が足りないのも紛れもない事実。はっきり言って、干からびそうになる毎日だよ。
毎日必ず行為をしているわけで、回復する間もないくらいそういうことをしていれば、ヘトヘトになるのは当然。男冥利につきるけど、やっぱり疲れる。
それを皆分かってくれているのか、いつも心配してくれるので、本当に優しい子たちだ。あれ?俺ばっかり尽くされてない?
今日も相変わらずコレジャナイ感に頭をもたげながら、皆とたくさんイチャイチャするのだった。
そして迎える文化祭。クラスが違う奏とは後でしか会えないが、燈璃と紗奈さんと麻緒は同じクラスなのでずっと一緒である。
あんまりの落差だ、さすがに不憫である。あとでたくさん遊ぼうね。
クラスの出し物での役割を終えて、燈璃たち三人と別れて、奏の元に向かう。確かあちらも食べ物関係だったような。
そんなこんなでそちらに向かうと、ちょうど良く役割を終えた奏がクラスの男子に声をかけられていた。
「なぁ観月。今からヒマでしょ?一緒に回ろうよ」
奏に話しかけた彼は、ちょっとイケてる風な感じだ。明るい茶髪が印象的な、女慣れした雰囲気で彼女を誘っている。
「せっかくのお誘いですが、お断りします。ごめんなさい」
「えぇ、なんで?」
笑い混じりに返す彼だが、対する奏は冷たい声を出す。
「もう約束がありますから」
「約束?」
「お待たせ、奏」
このまま奏がだる絡みをされるのは見ていたくないので、そのやりとりを邪魔するように声をかける。すると、彼女はすかさずこちらにやってくる。
「待ってました♪じゃあ、回りましょう♪」
「うん。行こうか」
傍に来てくれた奏がギュッと腕を抱く。むにゅりと柔らかいものが腕を刺激するが、今は気付かないフリをしておく。
柔らかく微笑んだ奏を見た男子は、目を剥いて驚きを露にする。
「えっ……みっ観月って彼氏いたの?」
呟くようなそんな言葉に、俺たちは聞こえないフリをした。いつまでもここにいる必要はないからな。
俺たちのクラスの出し物は外だったので、歩いて校舎に入る。人が行き交っていてガヤガヤと騒がしくはあるが、それが文化祭の盛り上りを表している。
生徒たちの関係者ではあるが、外からも出入りがあるので当然ではあるが。
「せっかくだしメイド喫茶でも行ってみる?」
「良いですね。今年は三年のクラスでしたね」
「そうだね」
決まりである。既にお昼は食べたが、ちょっとしたものをつまみながら、飲み物を片手にのんびり喋るのも良いだろう。
いつも時間が少ない分、今日は一緒だ。




