EXTRA 何やってんだコイツら(2)
まさかの再会を果たした麻緒に、俺は今の状況を説明した。彼女は深く考え込んでしまったが、しばらくして顔を上げる。
「樹が三人の女の子と付き合ってるのは分かったよ。ウチがよければもう一度付き合いたいと思ってくれてることも、ちゃんと分かった」
俺の言葉をしっかりと聞き届けてくれた麻緒がそう頷いた。そして、彼女は俺の手を握って、しっかりと目を見つめた。
「ウチも、樹の事は大好きだから、もしその子たちが許してくれるなら、樹ともう一度お付き合いしたい」
「麻緒……ありがとう」
それが麻緒の答えだった。その優しさに思わず涙が出そうになるが、誤魔化すために彼女をギュッと抱き締める。
あとは三人に話をするだけだ。
そうして翌日、登校時に燈璃と紗奈さんがいつも通り合流した。そして、昨日の出来事を話す。
燈璃は麻緒のことを知っているが、紗奈さんはそうではないし、もっと言えば奏もそうだ。
麻緒との付き合いについて話をしなければならない。
「そっか、馬門がな……まぁアタシはアイツのこと知ってるし、樹が望むんなら全然構わねぇけどよ」
「私は……どうだろ、まずその子とちゃんと会ってみたいかな。どんな人かも分からないし」
紗奈さんの言い分はもっともだ。会ったこともないのに判断出来るわけがないだろうし、明日か明後日あたりにでも時間を作ってもらおうか。
そういえば、麻緒がどこの学校に転入したのかちゃんと聞いておくべきだったな……あとで連絡しておこう。
とりあえずその話は一旦保留にし、学校に向かう。幸い紗奈さんも燈璃もクラスは同じなので、ずっと一緒にいられる。奏も同じだったら良かったのにな。
そんなことを考えながら二人と過ごしていると、いつもより早い時間に担任の先生がやってきた。どうやら転校生だってさ、タイムリーだね。
先生の呼びかけに応えて教室に入ってきた人物に、俺は目を見開いた。
「まさか麻緒がこの学校に転校してくるなんてね」
「ウチこそびっくり、樹と同じクラスなんて嬉しい!」
まさか麻緒の転校先がウチの学校……しかも、同じクラスだったとは驚きだった。
一時限目を終えてすぐの休み時間、他の生徒たちが群がったところで彼女はすぐに俺の元へやってきた。
今は俺と彼女の他に、燈璃と紗奈さんも一緒にいる。親友である壱斗は麻緒と挨拶をした後、すぐに離れてしまった。
ちなみに壱斗は俺と距離を置いている……というより、陰ながら応援してくれている。良い奴だよ本当に。
「あなたが麻緒さんだね、樹くんから話は聞いてるよ。私は七瀬 紗奈っていうの、よろしくね」
「こちらこそよろしくね。紗奈さんって呼んでもいい?ウチのことは気軽に麻緒って呼んで欲しいな!」
「もちろん、そっちの方が私も嬉しいよ!」
早速仲良くなった麻緒と紗奈さん。しかし、燈璃も合わせて俺には勿体ないくらいの美少女たちだ。こんなに幸せなことはない。
見た目も相当素敵だが、やはり性格だろう。一緒にいて楽しい相手なのもそうだが、一途でいてくれる彼女たちには本当に感謝しかない。
まぁ、俺は四股してるんだけどね。公認とはいえさ。
麻緒と紗奈さんの初顔合わせは無事に終わった。俺や燈璃の存在がクッションとなったことは間違いないだろうが、おかげですっかり仲良しになったみたいで嬉しい。
そうして迎えた昼休み、奏も交えた五人で昼食をとることになった。奏には既に話をしてあるのだが、実際に麻緒と顔を合わせるのは初めて……だと思っていた。
どうやら麻緒と奏は、実は中学時代に友達だった経験があるようだ。二人とも再会を喜びあっている。
麻緒が転校した先で会ったということみたいだ、それなら納得である。
しかし、こうして見ると壮観だ。先にも感じたことだけど、こんな素敵な人達と俺は関係を持っている。
幸せが過ぎるだろう。だけど、それに甘んじるつもりはないよ。
その気持ちに、全力で応えるんだ。




