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四度の告白《おもい》は砕かれるー今更好きだと言われても  作者: 隆頭
それはもしもの物語

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95/99

EXTRA 何やってんだコイツら

 少しだけ贅沢な、そんな出逢いをした樹がいたとすれば……?

 そんな光景(もしも)のお話。オマケである。



 ──────────



「よっす」


「おはよ」


 登校前、待ち合わせ場所で合流した俺たちは挨拶して学校に向かう。

 いつも通りに手を繋いで、それはまるでデートのよう。


 隣にいるのは酒匂(さかわ) 燈璃(あかり)という女の子だ。俺の幼馴染で、中学三年の時から交際を始めた。

 ボーイッシュな風体に男勝りな性格だが、むしろそれがギャップになって可愛いのだ。


 そのまま駅に向かい電車に乗って、途中の駅で下車する。

 なぜ学校まで向かわないのかというと、とある人物を待っているためだ。


「樹くん!」


 下車した俺たちは改札に向かい、その人がやって来るのを待とうと思っていたのだが、すでに到着していたようで、その声が聞こえてきた。

 彼女は七瀬(ななせ) 紗奈(さな)さんだ。俺が燈璃と付き合っていることを知りながら、それでも付き合いたいと言ってくれた女の子である。

 もちろん燈璃も構わないと言ってくれている。


 小走りでこちらにやってきた紗奈さんが、俺の胸に飛び込むように抱き着いてくる。可愛すぎて鼻の下が伸びそうだ。デレデレ。



 それから改めて電車に乗った俺たちは学校最寄りの駅で下車し、いつも通り学校へ向かう。

 これといって特別なことのない、いつも通りの一日を過ごした俺たちは、放課後を迎えて図書室へ向かう。燈璃や紗奈さんではないが、それと同じような関係の女の子に会うためだ。


 図書室の扉をあけると、目的の人物はすでに本を手に椅子に座っていた。相変わらず早い。


「よう(かなで)。相変わらず(はえ)ぇな」


「はい。そうじゃないとまた声をかけられますからね……」


 燈璃に声をかけられて、苦笑しながらそう返した彼女は、観月(みづき) (かなで)という女の子。俺の学年であれば一番美人だと胸を張って言える。なんなら学校一かもしれない!

 そんな彼女はクラスが別であるため、クラスが一緒の二人と比べて、必然的に一緒にいられる時間は少なくなってしまう。


 俺は迷わず彼女の隣に座り、その向かいに燈璃と紗奈さんが座る。紗奈さんは俺と同じく読書が好きだが、燈璃は元々そうでなかった。

 しかし俺が好きな本を読んでからは、燈璃(あかり)読書(ラノベ)にハマったのである。かわいい。


 燈璃と紗奈さん、奏……三人の女の子と交際をしている俺は、いったいいつからこんな女たらしになってしまったのかと思うものの、そんなことよりも皆の好意にちゃんと応えられる人間になりたいと思う。



 そうして図書室が閉まる時間を迎え、学校を後にする。下校時は奏の家の方向が違うため、彼女が一番最初に別れてしまう。

 傍にいられる時間が最も少ないので、俺としては寂しいところだ。


 登校は電車を使うけれど、下校時はのんびりと歩いて帰る。紗奈さんを家まで送り届けた後は、燈璃の家まで向かうんだ。

 彼女が家に入った後に、今度は俺が帰路に着く。


 それが俺のルーティンなのだが、今日はちょっとした出会いがあった。

 家に向かうその道すがら、とある人物が目に入る。中性的な姿をした、俺にとって大切で見覚えのある女の子。俺の視線に気付いた彼女がこちらを見る。


 もしかしてと思い、その名前を呼んだ。


「麻緒……」


「──樹?」


 馬門(まかど) 麻緒(まお)……俺が中学の時に付き合った女の子。初めて付き合った女の子であり、唐突な別れを余儀なくされた過去を持つ。

 そんな麻緒とまさか、もう一度会うことができるなんて……

 彼女は俺の顔から足までをじっくり一往復して、目を くしくしと擦らせたあとに、パァッと笑顔を咲かせて抱きついてくる。


「樹だ、久しぶり!やった会えたぁ!」


「戻ってきたんだな、麻緒……嬉しいよ」


「んぇへへぇ♪」


 グリグリと俺の胸に頭を擦り付ける麻緒があまりに可愛いが、彼女がとにかく興奮しているので、対する俺はかえって冷静だ。おかげで、じっくりとこの喜びを噛み締めることができる。


「ウチ昨日から戻ってきたんだ。昨日はバタバタしてたけど、今日である程度落ち着いたからちょっとだけ外に出ようかなって出てきたんだけど、そしたら樹いるんだもん!」


「まぁ通学路だからな。でも、それだったらこれから何度も会えそうだね。連絡先交換する?」


「するっ!」


 せっかくなのでと、お互いにスマホを出してメッセージアプリにアカウントを追加した。付き合っていた当時は俺がスマホを持っていなかったからね。

 交換が終わると、麻緒は嬉しそうにスマホを見ていた。


「んふふ♪」


「これでいつでも会えるな」


「だね!えへへ……樹大好き!」


 スマホをポケットにしまった麻緒が嬉しそうに抱き着いてくる。それを応えるようにこちらも背中に腕を回し、少しだけ力を入れる。


 だけど、麻緒に話さなければいけないことがあった。もう一度少しだけ距離を空け、彼女の目を見つめる。


「実は、麻緒に話さなきゃいけないことがあるんだ。聞いてくれるかな?」


「?……いいけど、どしたの?」


 きょとんと可愛いらしく首を傾げた彼女に、今の状況を話した。これからのことも踏まえて。

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