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エンツォールの宝石姫  作者: ゆりあ
〈紅玉の宝石姫〉レティーナ
4/7

後編

大国・シェインジェル王国。


初代国王の第三王子が婿入りされた

王族のひとつ、エンツォール辺境伯家。


15代目のエンツォール辺境伯となった

王弟殿下夫妻の元に、美しい艶やかな黒い

長髪にルビーのような瞳を持つ少女が養女

として引き取られ、大切に育てられました。


〈紅玉の宝石姫〉レティーナ・フォン・

アルバ・エンツォール・クラリオス


そう呼ばれている彼女こそ、

アルバ伯爵家の長女として誕生し

様々な事情から、このエンツォール

辺境伯家の養女となった少女です。



わたくしは、レティーナ。


海の街、国防の要、エンツォール

辺境伯家の養女として育った者です。


わたくしは、国王陛下と養父様の命で

クラリオス公爵家の当主となる第二王子

ライアン様の妻になりました。


そのため、今は、王都に住んでおります。


20歳になったばかりの頃

クラリオス公爵夫妻となりました

わたくし達の間に男児が誕生しました。


アンゼルム・フォン・エンツォール・

シェインジェル・クラリオスと名付けられ

大切に育てられています。





「レティーナさん、お久しぶりですね。」


「リュミレーヌ様

お久しぶりでございます。」


アンリーノ公爵閣下の長女であり

次期国王の妃、リュミレーヌ・フォン・

アンリーノ・シェインジェル王太子妃です。


わたくしのお義姉様となるお方が

3歳児の嫡男、リューク殿下をお連れして

クラリオス公爵家にやって来ました。


「リューク、ご挨拶を。

貴方の義叔母様と、従弟になる子ですよ。」


「ぼくは、りゅーくです。さんさいです。

よろしくおねがいいたします。」


「まあ!ありがとうございます!

わたくしは、レティーナ。こちらの子は、

アンゼルム。宜しくお願い致します。」


ふふ。賢い子ですね。


容姿からして、エリック殿下やライアン様

そっくりに育ちそうですね。


「アンゼルムくん、可愛いらしいわ。

見せてくれて、ありがとう。」


「こちらこそ、わざわざ、見に来てください

まして、ありがとうございます。」


「あ、そうだわ。来年、レイナート殿下が

ジルヴェータ国王陛下となられる予定です。

その前に、サーシャ妃、ご子息のニコラース

殿下と共に、この国に来るそうよ。」


「まあ! 賑やかになりますね。」


ジルヴェータ国王陛下になられる

予定のレイナート殿下は、エリック殿下と

ライアン様の父方の従兄にあたります。


公爵令嬢、サーシャ妃と婚姻を結び、今や

8歳になるニコラース殿下が誕生しました。


「ご相談があるのだけど、ニコラース殿下の

婚約者候補のひとりとして、貴女の義妹さん

エルヴィールが名前に上がっているの。」


「確かに、ニコラース殿下と同い年ですが、

エルヴィールは、かなり人見知りな子なので

王太子妃が務まるか、正直、分かりません。」


「まあ!人見知りな子なのね。」


義妹のエルヴィールは、わたくしと同様に

エンツォール辺境伯夫妻の養女です。


しかし、家族の後ろに隠れて、ひっそりと

暮らしているくらい、人見知りさんなのです。


成長と共に、克服するかどうかも分からず……


あの子は、王太子妃に向いているかどうかは

正直、義姉のわたくしには分かりません。


「他は、どなたが、候補に?」


「アングラード侯爵の次女、アンネリースよ。

彼女は天真爛漫な子って感じね。ちなみに、

長女のレティツィアは、貴女の義弟の婚約者

候補になっているみたいよ?」


「まあ!リオネールの! 13歳になるのよね

早くて、びっくりしてしまうわ。」


「〈翡翠姫〉レティツィアは、まるで、翡翠の

ような瞳を持つ子よ。お似合いでしょう?」


「あら! ふふふ。お似合いね!」


その後のことです。アングラード侯爵家の

長女は、エンツォール辺境伯家の嫡男である

わたくしの義弟の婚約者に確定しました。


ニコラース殿下は、まだ、8歳ですからね、

婚約者の決定は、保留となっています。




「レティーナ!」


「ラウレンティアお養母様!」


今度は、エンツォール辺境伯夫人となった

ラウレンティアお養母様が来られました。


今や35歳になりますが、ラウレンティア

お養母様は若々しくて、25歳に見えますよ。


政略結婚のはずの、アルディオン養父様とは

仲睦まじく、こちらが恥ずかしくなるくらい。


「この子が、初孫の………」


「ええ、はい、そうなりますね。

アンゼルムと申します。可愛いでしょう?」


「とても、とても、可愛いわ!

レティーナの子どもの頃に、そっくりね!」


「お養母様……… ありがとうございます。」


ラウレンティアお養母様、まだ、35歳なの

ですけれど、すでに、初孫が誕生しました。


実際には義理の孫ですけれど、初孫だと認定

してくださっているみたいで嬉しいですね。


「レティーナ、可愛い初孫をありがとう。」


「こちらこそ、ありがとうございます。」

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