痛覚切らないゲームは終わってる
さてさてさーて……このゲーム唯一のクソ理論
「痛覚は切れや!!」
首に確実に残ってちゃいけないソレが残っている
正直首を切って蘇生した時ですら完全に気を失いそうなほど痛かった
このゲーム……肉体のダメージの可視化を図るために痛覚の制度を取り入れているらしいが
せめて最低限の規制は入れろよと今回初めて思った
さて…みなさん不思議に思いでしょう
何で俺が首だけになっていたのに蘇生したのか
ソレは至ってシンプルな話である
自害して首が後ろに向いた瞬間にイベントリから蘇生薬を口で挟んで相手が後ろを向いた瞬間に割って飲んで相手の顔面撃ち抜いた
これが真相
真相だけれども……恐らく絶対全員真似しちゃダメなやつである
今回俺は戦略がなくなったので半分ヤケクソの領域でコレを使ったが
………正直に言おう
マジで痛い、多分ネットにあげて検証開始されたら現実の体にダメージはや傷は残らないだろうが
精神的に終わる
多分発禁になってもおかしくないレベルで痛い
じゃあやるなよ!?と言いたい人もいるかもしれないが
コレ…実はドラゴンがやっていた戦法なのである
どう言うことかと言うと
昔首長竜と戦っていた時に
首を切り落として意気揚々として帰ろうとした結果
後ろから奇襲をかけられてマジで最悪な気分になった話である
昔の経験で一番の苦い思い出なのでよく覚えていたが
………本来ならば一生やりたくなかったランキング一位のやつである
何せ……見た感じ100%規制入るタイプのグロさを体が誇っていた
このゲームはリアリティが頭おかしいレベルで再現されているので
死体はポリゴンにならずに自分で捌く方式なのだが
体から血はかかる臭いはくる、嫌なことの三トン拍子である
全く……コレさ俺じゃなかったら完全にゲームから離れててもおかしくなくね?
と最近思ったがどうでもよくなって諦めてやっていたが
今日再確認できた
ゲームで首のダメージが通るのは完全におかしい
せめて急所の痛みは外してほしい
できれば他の所のダメージもなるだけ伝えないで欲しいけど
全く……そう思いながら一瞬相手の死亡確認をするために視線を飛ばすと
「?」
土煙が立っているのも原因だろうが相手が落としていったアイテムがよく見えない
この大会ではキルした相手の所持武器を奪えるのだ
ゲームから持ち込むと言っても武器は戦えば耐久値がなくなっていずれは戦えなくなるので
ないなら相手から奪おう戦法が確立した
何処ぞの世紀末だよと呆れたくもなるが
俺も武器の消耗はなるだけ低く抑えたいので敵の武器をソレなりに回収していたが
今の所一回も使う機会がなかった
しかし…何で見えないんだ?
そう思いながら一瞬ちかづこうとすると
「死ね…」
そう呟きながら上空からナニかが近づいてくる
視界一杯に広がって黒い影を見つめながら今現在自分に何が起ころとしているのかを瞬時に把握
そしてすぐさま膝を畳んでイナバウワーを披露する
相手が死んだふりをして俺を殺しにかかる
そんな単純な作戦を何で最初に想定できなかった?
いや…想定できなかったんじゃない
想定しなかったんだ…
相手は俺が知る限り最強クラスの化け物
ソレが俺なんかを倒すために色んな策を講じてくるとは考えられなかった
考えられるのは圧倒的な力を用いて俺を一瞬で潰してくる
そして俺は相手が俺のことを完全に下だと思っている隙を利用して毒のようにジワジワと殺していくつもりでいたのに
実力が完全に上を言っているコイツが本気を出して殺しに来たら俺は完全に対応しきれないだろう
「たくっ…テメーは鬼か?悪魔か?……これ以上頭と手と足を使わせんなよ」
「…使いたくないならそのまま突っ立って死んでるといいよ?」
おお…完全に悪魔みたいなセリフ吐いてきやがった
……けどまぁ…確かにコイツの言う通りかもしれない
もう戦いたくないなら普通に相手に殺されるのを突っ立って待ってるのが一番効率がいいのかもしれない
けれど
「ソレはゲーマーとして終わってんだろ…いや…ソレ以前に人として終わってる、今から本気を出して戦おうとしているお前に対して殺してくれって最初から白旗をあげるのは」
そう言うと相手は何を言うでもなく僅かに口角を釣り上げながらこちらに向かって剣を向ける
最初は拳を向けてくるのかと恐れたが
まだ武器を使う選択をしてきてくれたのには感謝する
恐らくだが相手は何らかの武術をやっている可能性がある
しかも結構な実力である
VRで武術って関係あるの?と思うかもしれないけれど
これが案外深く関わっているのだ
武術というのは極論暴力から自分の身を暴力で守るということを目的としており
ソレには相手の行動に常に最適解で行動していくことが最低条件となってくる
ソレには人体の構造に詳しくならないといけない
人がどのような体勢なら転びやすいとか
そういうのをわかってやっているのとやってないのとでは強さに天地ほどの差がある
ちなみに俺は時間とやる気と金がないので全くやっていません
…何なんだよとか言わないでね
そうして相手の洗練された動きに多少の嫉妬を覚えなが突撃をかましていくが
単純な攻撃なら既に見切っているとでも言うかのように態々接近してきて
乱打戦を繰り広げる
相手の攻撃は確かに俺に通るのに相手への攻撃は悉く回避される
全く…本当におんなじ人間と戦っているんだよな?俺は?
時々世界最高峰のAIと戦ってるんじゃないか?って勘違いしそうになる
そう思いながら拳で殴りかかるフェイントをかけながら回転して大剣で攻撃を繰り出していると
一瞬足が根に引っかかって行動が制限されてしまう
人間というのは一瞬の隙が時に致命傷になってしまうことも確かにあるのだ
「ここだあああ!!」
そしてリュウ騎士の必殺技を発動させる
「ッッ!!」
相手は攻撃を避けたいが避けられないというジレンマんに駆られながら着実に必殺技を回避もしくはパリィしようと目論むが
「だから、剣じゃなくてもと問題ないのよ」
そう言って足で相手の腹を蹴りだ飛ばす
相手は衝撃に一瞬白目を剥いて俺はボーナスタイムを入手する
相手はふらつく体を無理矢理動かしながら俺からの追撃を逃れようと空へと逃げるが
「おらあああ!!」
そう叫びながら大剣を空中に投げ相手の進路を遮る
いきなり飛んできた俺のメインウェポンに僅かなりとも衝撃を受けたのか止まってはいけないタイミングで止まってしまった
本来なら空に逃げて上空から俺の攻撃が届かない範囲からはめ殺してしまえば簡単に終わっていただろう
しかし一瞬でも足を止めてしまったのならば話は簡単だ
「フッ!」
上空に向かって力一杯足に力を込めながら跳躍すると相手は驚いて空中へと更に逃げていくが
リュウ騎士のスキルで更に加速していく俺の速度には敵わず掴まれて捕捉されてしまう
そして相手は一瞬躊躇したのちにゲージ技を選択して俺を落とそうとしてくるが
「二発目!」
そう言いながらボーナスの拳をねじ込む
そして二度目のボーナスタイム延長を手にして相手を下にして拳で殴りつけつつ地面へと堕としていく
相手は魔の手から逃れようと必死にもがいているが
今の所抜け出せる保証は一ミリもない
ソレどころか……
そうして相手を地面に落下させると相手はすぐにまずいと判断したのかインベントリを操作しようとしているので
一瞬で鳩尾にボーナスの拳を三連打する
そして更に拳を打ち据えていくと三度目のボーナスが来る
そうして更に攻撃を加えていくと
やがて相手の体が動かなくなった
あれ?何度ボーナス経由した?
……六回か
………この必殺技本来なら一撃喰らえば簡単に死んじゃうくらい強力な必殺技だったのに…
殺すのに六回ボーナス挟む必要があるって
どんだけやばいんだよ……
というか、途中記憶が抜けてるけど
死ぬほどだるい高速機動戦闘があって
…なんだ?つむじでジャンプした記憶があるぞ?
幾らテンションが上がっていたとはいえ常識人では決して真似できないような記憶が流れ込んでくるのは
俺が凄いのか、ソレとも異常者なのか
誰か答え教えてくれない?
…まぁ、多分聞いても誰も答えてくれないと思うけど
多分全員そっと視線を逸らしてきて答えてはくれないだろう
…何だろうな自分で言うと尚更悲痛な思いが溢れ出てくるのは何でだろう?
…まぁ、ソレは置いといて
「勝ったぞーーーーー!!」
「勝っ…勝った…あの少年世界ランキング一位から五位全員を相手にして倒した……」
「………」
瞬間会場は熱狂の渦に包まれる
誰もが確信した
彼の今大会の優勝を
掲示板
『ねえ、途中つむじで体を支えてジャンプしてるように見えたんだけど』
『気のせいじゃない?』
『ねぇ、途中歯で拳を止めてなかった?』
『近藤勲?』
『どこから引っ張ってきた?そのネタ?』
『あれ?知らない?昔新撰組の総長を務めていた近藤勲は自分の拳をグーのまま丸呑みできたらしいよ』
『いや、顎が外れるんだがww』
『いや、お前実践したのか!?』
『そりゃあ、昔の人がやれたんだ今を生きる俺たちができないわけないだろ』
『あ、ソレに、アイツ途中半分白目になりながら戦ってなかった?』
『知〜らない』
『最早誰も彼もアイツについて考察するのをやめたな……』
『まぁ…世界ランキング一位で大会を何回も連覇している圧倒的王者が今までのプレイの中でいちばんの動きを見せていたのに
浪漫技発生させるごとに速度も攻撃力も増加させて王者を噛み砕いた化け物なんて到底信じられないけどな』
『まぁ…ねえ、ソレにアイツ完全に最後テンションだけで乗り切ってた節ない?』
『あ〜確かに、最後は完全に叫び散らかしながら笑って戦ってたしな、まぁ、見てる分には結構楽しかったから良かったけど、あれ…アイツじゃなかったらゲームの内外関わらず一瞬で通報案件だよな』
『ソレを言ってやんな、と言うか何ならバトルロワイヤルなのに百人くらいで徒党を組んでアイツに向かって言ったアイツらこそ最初に通報されるべき奴等なのでは?』
『いや、ソレは一つの戦略だろ?……まぁ、ソレの結果コレを産んだんだから良かったんやら悪かったんやら』
『あー確かに…アイツらをやってからエンジンが急に鰻登りになったよね』
『やっぱりアイツってテンションファイターの節があるな』
『テンションファイター?』
『そ、自分の気分によって実力が大幅にブレる人……ゾーンとかもコレに近い感じかね』
『あーでも、ゾーンに入ると色々と感覚が変わるって言うけど、テンションファイターの場合はただ単純にぶっ飛ぶだからね』
『確かに…気分がぶっ飛んで強くなるのと極限の集中力の中で覚醒するゾーン…似ていて非なる存在なのかもな』
『まぁ…でも今回の優勝はアイツだろ』
『あの〜、お話が盛り上がってる最中申し訳ありません』
『『『『ん?』』』』
『今現在話題のその人キルされてますよ?』
『はああああ!?』
ソレは数分前のことである
「よし…此処からは何とか隠れながら隠密優先にして戦うか!」
そうして今まで死ぬほど目立ってしまっていたので今度は隠密を意識しながら相手を確実に倒していこうかと思って隠れようとしていると
「カラカラカラカラ」
そんなリズミカルな音が足元から聞こえてふと見てみると
丸っこい何かが落ちていた
「ん?」
ふとソレを拾って見てみると
「パカっ!」
球体が真っ二つに別れながら内部から眩い光が溢れ出す
一瞬何が起こったのか全く把握できずに目の前の光を全て眼球の網膜に焼き付けてしまい
行動が大幅に制限させる
しかも眩しすぎる影響か耳鳴りまで始まった
対人戦だからそう言う目潰しや耳潰しの方法があってもおかしくなかったのに……
俺はコイツとの戦闘で何を学んでいた!?
そう自分を叱りつけたくなる衝動を抑えながら周りからの襲撃に備えていたが
「ブス」
小さく足元からそんな音が聞こえた瞬間に全身が脱力し切って気絶してしまった
あ、こりゃあ
「あーあ……何やってんだか…負けっちゃったよ」
全く…せっかく化け物みたいなやつをぶっ飛ばしてテンションも上がり切ってたのに
…慢心してた…いや、天狗になってた
あの化け物に勝てた俺なら他の奴らも余裕だろって考えて普段なら決して怠らない警戒をといて馬鹿みたいに地面に転がっていた閃光弾を目玉に喰らっていた
しかも目が見えなくなってからの対応も悪手だ
あそこでは本来多少のダメージを無視しでも「あの場」から逃れるのが最優先事項であった
何せ相手がどれだけの数の罠を仕掛けているのか把握できないし
そして、此処で一番問題なのが
目が見えないのに相手の襲撃を気にしすぎて毒ナイフ喰らったこと
全く…呆れすぎて自分にモノも言えないよ…
トホホ
すいません、少々予定が立て込んで投稿が遅れました




