限界突破とか主人公だけにして欲しいわ
相手を確かに追い詰められている感覚を味わいながら一撃一撃を繰り出しているが
相手の防御が硬い!!
何だ!?この硬さは!?まるでビックバンでも起きても開かないガードを自負しているボクサーを相手にしている気分だ
まぁ…実際相手はガードと拳と特殊武器を扱いながら戦う
あ…もしかして相手の職業って忍び?
それならあの癇癪玉も一応は納得だわ
そう思いながら相手の蹴りを回避する
蹴りから繋がるモーションはジャンプからの迫撃もしくは遠距離系のこうげ……
「ドゴオオオン!!」
「んな!?」
あまりの衝撃に声を漏らしてしまったが
相手がいきなり地面を踏み抜いたのだ
俺とて全てのスキル・魔法の性能を把握しているわけでは無い
それどころか対人戦のスキルは半分くらい把握していない
それの中に地面を踏み抜く特殊モーションで相手を硬直させる能力のやつがあったとしても何ら不思議ではないか
……それでもこの威力!?バフ付いてんのか!?
いや…俺が観察していた限りでは全く確認できなかった!
※誰も発見できてなかった特殊ギミックを発見した馬鹿が漏らすセリフじゃない
しかも発見した理由が魔力を込めて投げたら手榴弾になんじゃね?とか言ってやって投げて発見したクソ馬鹿には発言権と人権与えられない
「ねえ?今から本気出すね」
そう一言だけ告げられ神速すれ生温い最速が迫ってくる
最早自分ですらどうやって反応すれば良いのかわからないそれを見て
「……………」
口すら黙っていた
そうして相手が高速の蹴りを繰り出すのを甘んじて受け取り他プレイヤーの戦闘に突っ込みながらキルしていく
事故でキルってのも中々アレであるが
「……楽しかった…けどつまらなかったね」
幕引きを予想している相手からはそんな発言が聞こえる
だが……
「…………は」
何処からか音が漏れる
最早絶望的とも取れ、尚且つ音を出せば相手のターゲットにされる馬鹿な状況で音をだすのは
「………ははは!」
更に音量を上げて腹を抱えて笑いあまりの笑いっぷりに涙すら出て来ている馬鹿は
「あっはっはっはっは!!!!はーっはっはっはっは!!」
俺であった
心の底から喚起している
本当に…本当に久しぶりだ!
自分では決して勝てないとわかる化け物が目の前に現れてコテンパンにされて
呆れられて!
「あー……コレだからゲームは最高なんだよ!」
そう叫びながら刀を構える
最早ミリすら残っていないゲージを携え自身の限界を越えんとしている
心臓が爆速を奏でながら血液を流していく
「思いだけじゃ届かない境地を教えてあげるよ?」
「そりゃ逆に教えてくれ?生まれてこのかた壁は壊して登って来た」
そうして相手が突っ込んでくるのを見ながら
カウンター前提で構える
コレは本来コイツ相手には絶対に間違っている戦法であろう
しかも体力ゲージがミリしか残ってない馬鹿がすることではない
そしてソレを理解しているのか相手は冗談から大振りで剣を振り落としてくる
誰もが俺の敗北を悟ったろう
しかしソレを笑うように刀身を蹴り上げる
「え?_____
「お前は確かに強いけどな……俺に時間を与えちゃ駄目だろう?」
音すら置き去りにする蹴りを顔面に繰り出す
今度の今度こそ本当にギアが上がり切った
「此処からはパワーも速度も全てが上がるだけだ…覚悟しろ化け物テメーのターンは終わりだ……」
そうして相手に指を指し示しながら
「てめえの歯あ食いしばれ!!怒涛のフィナーレを見せてやるよ!」
此処から勝負は一分を経過させずに終焉へと導く
誰も予想だにしない結末を伴って
「……此処から勝てる策でもあるわけ?」
「…おいおいおい?俺のこと全く理解してないな?」
そう言いながら足を曲げる
「真正面からぶち抜くそれだけだよ」
そう言って一瞬で目の前に肉迫する
鈍重であるはずの【リュウ騎士】には一生出せない限界を越えた速度である
俺のリズムが温まるまで待ってくれたコイツには感謝しかない
「ッッ!!」
あまりの速度に息を呑んで固まっている相手に拳を叩きつけるが相手はギリギリの所で回避して見せる
しかし避けた先は岩の窪地で相手にとっては回避も攻撃もしづらい最悪の場所に収まる
「一刀流………
「…もう…あの人たちの速度を知りたいならスーパー高解像度カメラを持ってくるしかいないんじゃないですか?」
そういうが…流石にこんな化け物じみた速度を出されるとは誰も思ってない
最早彼らの速度は人が目に収まる範疇ではなくただ音が遅れてやってくる限りである
あの二人は完全に人間の可能性を超えている
どんな反応神経を見せればあの動きは可能なのか?
それすら理解できずにただ時間が経過していく
そして一瞬の瞬きののちに最高のポジションをとって居合を構える彼が姿を表す
掲示板
『ねえ…アレって人間?』
『アレが人間なら地球上の全人類はゴミかクズになってるよ』
『二人とも大概頭おかしい行動してるよね』
『一応超高解像度ハイパースローカメラを使って撮影したけど残像が残ってた』
『それで残像が残るなんて世も末だね』
『というか…アイツ誰なの?本当に?』
『最初は司会者に楯突いて可哀想なことになっていたけど…』
『今思えば逆にカメラが付いてよかったね』
『……けど…二人の行動が全く見えないのは問題かね』
『コレ後で動画出しても誰も攻略できんだろ』
『あ、でもコイツが出てくる場所知ってるし後で待ち伏せする?』
『え?何処なの?』
大人の集いも夜が更けていく
「一刀流……居合閃光撃」
スキルの火力で一気に駆け抜ける
本来ならタメも隙もでかいこの攻撃を選んだ理由は
「お前は…動きたくても動けないよな?」
そう言いながら一線を放つ
最初に想定した通りに相手が上手くはまってくれた
【リュウ騎士】の特性で粘着泥というのがある
昔のマンモス狩りと同じである
昔の人たちはデカさも強さも確実に強い相手を仕留めるときに泥のぬかるみを利用して相手を嬲り殺しにするという戦法をとっていたそうである
コレはソレを現実で再現するスキルである
そうして固まっている相手は足に泥がはまっているのだ
「どうした?動けないのか?なら…俺からいくぞ?」
そうして固まっている相手を更に攻撃を続けていく
相手はまるで動かない石像のようにガードを強めていくが上がっていくボルテージの前に僅かに怯むような反応を見せる
そうして
「必殺技!発動!」
そうして此処で必殺技を発動すると意を決したようにガードを崩して此方に相手が向かってくる
そうか…この瞬間を待っていたのだ
リーチが長く一撃を入れやすい俺の牙を抜くために
そうして凄まじい速度で行われた真剣白刃取りは衝撃波を伴いながら相手の手のひらに収まる
しかし……
「別に…拳でやってもダメっていう規約はないんだよね」
そう言いながら拳を相手の腹にぶち込む
そうすると衝撃が相手の腹のを抜け後ろの壁をぶち抜く
すると相手はゴロゴロと地面を転がりながらまるで何もできないようになって動けなるが
「……此処なら」
そう言って空中を跳ねる
どうやら忍びの職業から分かるように地上戦より空中戦の方が得意らしい
そうして相手の行動を待ってみるが
「…よし俺もいくか」
とことん楽しまなきゃゲームの世界に飛び込んでいる意味が全くない
何せ現実では決して実現不可能なことをするためにゲームはあるのだから
まぁ…だからってモラルから大きく離れるビルジェンガとかミサイル発射とかは流石にやる勇気はないけどね
コレは本来やる方の感覚がバグってると俺は思うんだけど
…まあ、そこら辺の話はまた今度ゆっくりしようかな
そうして相手の方に視線を飛ばしてみると
何か準備をするように構えをしている
まぁ…忍びだろうし何か特殊ギミックを持っているだろうが
俺からしてみれば今更感のある技で……
「フッ!」
空中からの素早い身の切り返し
一瞬相手がブレた残像のように見えた!?
全く…コイツは追い詰めれば追い詰めるほど実力を発揮してくんのか?本当に面倒くさいな
そう思いながら相手を見つめていると
相手は一瞬此方を鋭く睨んでから
「必殺技…発動」
此処でくるか…必殺技
一旦距離を取るために後ろに後退しようとした瞬間に
「逃がさない」
そう呟くと声と共に地面から現れた鎖に雁字搦めにされる
「!?!?」
「……忍びの必殺技は半径10メートル以内にいる対象を雁字搦めにして…一撃必殺で葬る技…今までチョコマカしてたから使えなかったけど…必殺技って言って警戒してくれてありがとう」
……嵌められた…
あそこは警戒せずに突っ込んでいって相手の行動キャンセルに踏み込むべきであった
誰かに襲われながら発動できるタイプの必殺技ではないだろう
コレは…なんせ半径10メートル以内の対象を雁字搦め…条件は知らないが一度はまって仕舞えば確実に抜け出せない技なのだ
……本当は使いたくなかったが…コイツがここまで本気を出してんだ
俺だってやらないわけにゃあ
「人誅花」
天を裂く一撃が放たれる
本来なら絶対不可避、必殺の一撃
チリすら残らずに俺は死ぬはずである
しかし
「ざんね〜ん…俺はまだ死んでねえよ」
そう言いなが相手の隣に接近する
一瞬驚いて反射的に反撃してくるがソレでも最速には程遠い
「全く……油断しちゃいけないだろう?このゲームは設定時間にアイテムを使う仕様があんだし」
「!!??」
「もしかして知らなかった?」
そう、このゲームには実は設定した時間にアイテムを使用するという機能が備わっているのだ
あまりに忙しすぎてそのタイミングにアイテムを使用することができなくなったとき用に予約しておく機能らしいけど
俺からしてみればそんなんわかるかあ!!と言いたくなる
しかし今回に関して言えばあってよかった
なかったら完全に俺はしんでいた
そして相手は俺に対して完全に警戒心を強めながら距離をとっているが
「悪いけど……コレでおしまいだ」
大剣を形状変化させているタイミングでのみ発動可能な【リュウ騎士】の隠された必殺技
「【龍神の詔】」
その能力は体にかつて戦ったことのある最強の龍の全能力をトレース可能
俺が選択したのは通常は出現しない最強の裏ボスである闇龍
全身に光と闇が迸り一時的に全ステータスが完全に相手より上になっていくことを実感していく
「…………久しぶりだよ…負けるかもしれないって思うのは」
「そうか?割と追い詰められてる回数多いぞ?」
相手が辺なことを宣うので一応言っておき
そしてお互い同時に動き出す
お互いの動きに慣れたことで幾分か癖も把握してきた
相手と俺は簡単に言えば戦闘スタイルが似ているようで違う
俺の場合は蓮撃を叩き込んで沈めるタイプであるのに対して
相手は一撃で沈める殺意満々のビルド
雑魚敵とかと当たりすぎて一撃の威力を特化させたらしい
全く…どんだけたかられてんだよと思いながら一撃一撃を繰り出していく
相手はまるで此方の攻撃を呼んでいるかのように避けていくが
それは此方も同じ
お互い最早どちらが自分の攻撃かわからないほど入り乱れた乱撃合戦を繰り広げながら
一瞬間をおいて再び連撃合戦へと戻っていく
相手はまるで此方の動きを全て計算しているかのように着実にそして確実に対応して聞いてる
全く…俺の攻撃は徐々に当たらなくなってきているのに
相手の攻撃は着々と着弾しているんだから理不尽だって嘆きたくなるけど
どれだけ完璧超人に見えても相手は人間
動きにブレが来ないってのはまずありない
操るのは欠陥だらけの人間だ
ソレを見逃さずに穿てばヒビは致命的な場所にいたる
絶対に見逃さなければ
勝てる!
相手も俺も徐々にスピードアップしながらどんどん手数を増やしていく
先刻よりも強力な攻撃を
フェイントをかけた攻撃を
どれだけ攻撃をあて相手を先にダウンさせられるか
コレはそういう勝負になりつつある
決して相手に先を越されてはならない
そうやって俺と相手はドンドン戦いをヒートアップさせていく
そうして攻撃を放ち放たれどんどん勝負をしていってると
相手が一瞬体勢を大きく崩す
この隙を逃したりはしない!
そうして相手が体勢を崩したところに刀を投げつける
大分扱いが雑だが今現在俺の手元とイベントリにも投擲系のアイテムは存在しない
泥は地面設置型のやつで
今から設置しても発動する方が後になって
相手はその場にいないであろう
そう考えると刀を投げつけることが一番一番効率が良いのだ
そうして相手が刀に気を取られている隙に上空から踵落としをお見舞いする
相手は一瞬目を瞬かせながら体を地面に沈めていく
まるで避けられない攻撃が迫ってきたのを驚くように
「全く…しずめんのにどんだけ苦労させんだよ」
地龍もなかなか大変な相手と戦ってますね
俺も長編のミステリーと対決してます
いや〜面白いです!




