怖がりさんは大変だね
そうしてツチノコからスッと目線を外すと
ツチノコはガーン!という効果音と共に地面に沈んでいく
流石にツチノコのことを不憫思ったのか白がゆっくりと腹を撫でていく
あ?何で俺に撫でられる時は石を放ってくるのに…面食いか?
ほお?お前は面食いと申すか?
そうして全身から悪鬼の気配を漂わせていると
「…あ、あ……」
と死に際の様な声を誰かが響かせている
一瞬不思議に思いながら辺りを見回すと
あまりのプレッシャーに恐怖していた九露が部屋の端っこに座り込みながらガタガタ震えている
うん、やってしまった
そう思って気配を霧散させて下手にいくがビクッ!と体を震わせて完全に自分の殻の中に閉じこもってしまう
完全に俺から視線を外す
うん…此処は家族パワーを発揮してもらおうか
そう思って一瞬席を外す
そうして白黒露とヴィオの所にとっとことっとこ歩いて行く
本来なら俺一人で解決したい所ではあるが…………今回に限っていえば俺が行っても確実に逆効果である
ならどうするか?
簡単な話である
話が通用する家族を連れてくれば万事解決である
そう思ってヴィオの所に訪れるとアラクネの白露がおり今現在白黒露がいないか質問してみると
「………今現在彼はいませんよ?」
俺は今この瞬間に膝から崩れ落ちそうになるが
「…………ど、何処にいるんだ?」
そう言って居場所を聞き出そうとすると
「知りません………いつも行き先を告げないで行くことが多いので」
そういってくるので
「な、なら向かった方向だけでも」
そう言って何とか探し出そうとすると
「………すいません、どちらに向かったのかも」
あれ?こいつもしかして俺に合わせる気がないな…………こいつ
なら、なんで俺と白黒露を引き合わせたくないんだ?
そもそもの話………俺とヴィオが会うこと自体はそこまで制限されていない
それに結局のところ俺が闘技場から出てアイツと会ったのはクイーンズブレイドの奴らと面会した時である
しかし何故その時はよかったのか?
答えは人数か?人数によって奴は俺と白黒露と会わせたり会わせなかったり
いや………何か違う
確かに人数や場所の制限は一応設けておるのだろうが…それでもありないくらい厳しすぎる
それにもし人数がキーであるのならばクイーンズブレイド戦で白黒露の外出許可を与えなかったのかがわからない
つまり結局の所コイツは俺と白黒露を接触させたくないのであろう
そう考えるとコイツの陰からの努力が確かに伺えるが
何でそこまで忌避する?
何がこいつを此処まで駆り立てる?
先刻からノアは完全にダンマリを決め込んでいる
恐らく奴の目論見を完全に見抜きながら…奴に賛同した結果黙るのが一番効率的と判断したのであろう
まあ………コイツに関していえばかなり人間臭いところあるからな
人間と同等の感情を持っていると言われても俺は普通に信じる
というか既にそう考えている
しかしながら此処で下手に待っていても白黒露が延々と帰ってこない可能性がある
その可能性に辿り着いたので立ち上がろうとすると
目の前からとんでもないプレッシャーを感じた瞬間
あたりから視認できない数本の糸が張り巡らされる
「……そう言うことで良いのか?」
そう言いながら拳を構える
本来なら武器の一つや二つを貰いたいところではあるが
武器のストックなどもとより無いので拳で戦う他ないのだ
相手は無言で此方を向いた瞬間手元に光すら吸い込まれそうになるほどの真っ暗なワームホールを作り出して
中から禍々しい鎌を取り出して無言で構える
ほお?どんなヤバい武器を取り出してくるのかと思えば…
相当やばくね?それ?
なんか見てるだけで体から出てはいけない汗が大量に出てくるんですけど?
そう思って相手の挙動を観察していると
相手が何気なく鎌を一閃する
最初は距離があるし大丈夫と、たかを括っていたが
次の瞬間直接心臓を掴まれる様な
胃の中にコンクリートを流し込まれる様な恐怖を感じて地面スレスレまで体を押し付ける
そうすると自身の少し上を斬撃が通り過ぎる
飛び出した斬撃は酷く酷く細い一撃であった
ソレこそ糸の細さと比較しても更に細い
けれど…一撃の密度は完全におかしい
何せ…これを喰らった瞬間に俺は確実に死ぬと警鐘が鳴っていたのだ
そして相手は両手から黒い糸を出しながら
「……籠目」
そう呟くと一瞬で此方の方に糸の一本一本が意思を持っているかの様に行動しながら動いてくる
体に纏わりついてくる糸を苛々しながら移動していると
床全体が確実に糸に囚われてしまっている
足が着地しそうになった瞬間に靴を脱いで其処を足場にして空中へと逃れる
そして短刀を取り出しながら全体へと拡散攻撃を開始していくが
厄介なことに糸の頑丈さが確実に頭おかしい
しかも糸に短刀を振るえば振るうほど確実に武器の方が押し負けてきている
そう思って苦々しく思っていると
ツチノコがひょっこりと顔を出してきて大きく口を開けたと思った瞬間
「!?」
今回初めてアラクネの衝撃を見た気がする
安心しろ?俺も驚いている
そう考えてながらツチノコの行動に呆れる
コイツ…糸を食いやがって…どんな神経したら相手の糸を食べようなんて思えるんだ?自由奔放すぎるだろ?
そんな風に思いながらツチノコが作ってくれた動ける時間を活用しながら一気に相手にせまる
相手は糸での遠距離戦かれ糸と鎌の近接戦闘へと移行することにしたらしい
相手が上段から鎌を振りかぶってくるので体を半歩引きながら斬撃を避け
相手の腕が伸び切った瞬間に相手の腕を掴んで手のひらを上に向けさせ肘に向かって垂直に膝を上げる
すると相手の肘は嫌な音を奏でながら折れる
今回の敵は敵ではないので無力化の方向でやんなきゃいけないのが面倒くさいんだよね
殺すなんてもっての外だし
そんな風に考えながら相手は腕を折られたことで暴風の如き糸を此方に叩きつけてくるので
流石に対応しきれないので一旦引き下がる
相手は確実に腕を折られた
これが意味することは相手は身体装甲自体は其処まで頑丈という訳ではない
ソレどころか俺の体より確実に脆い
そうして相手が一瞬怯んだ瞬間に体を地面スレスレまで避けながら走る
相手は下の蜘蛛の鎌まで扱いながら攻撃してくるが
俺にとっては其処まで脅威ではない
そして今回の俺の目的は
そうして相手の顔面スレスレに敢えて蹴りを繰り出すと相手一瞬避けるために顔を動かして手元が疎かになる
そうして疎かになった手元から鎌を力強く奪いながら鎌の刃を限界まで砕きながら腕にバフをかける
相手は拳で此方のことを牽制しながら再度ワームホールを開き2本目となる鎌を取り出す
まったく…どんだけ鎌をストックしてんだよ?
そう思って呆れそうになるが相手から武器のストックを持っていることは当たり前なのだろうなと感じる
まぁ…そもそも短刀と体一つで戦ってる俺がバカなんだろうな
世間一般的には
そう思いながら相手を見つめていると今度は相手が攻めてくる
そうして繰り出される鎌の攻撃は最近アラクネに進化したとはとても思えない程洗練された攻撃であった
ソレをしっかりと回避しながら相手の喉元に攻撃を放つ
相手は一瞬息ができなく混乱していたが此方としては完全にどうでも良い
一瞬相手が混乱している隙に相手の喉元に蹴りを放つと
相手が更に後ろへと下がる
この隙を逃さずに相手の腹に攻撃を加えると相手が完全に困惑している
まぁ…今回限りは相性がいいと言うことで
そんな風に馬鹿な事を考えていると
相手が両手を前に出しながら糸を出す準備をしている
また?と感じながら大地をせりあがらせながら防御の陣形を取ろうとすると
一瞬相手の手元が光っと感じた瞬間に
秒速300メートル以上の暴力に晒された
一瞬の出来事で把握しきれなかったが恐らく相手は雷を放出してきたのだろう
その証拠として俺の後ろに焼けこげたカーペットが広がり
それだけには治らずに壁を何かが貫いている
全く…コイツは賠償金とかは考えていないのか?
そんな風に呆れながら何とか立ち上がるが相手には今の攻撃が一切効いている素振りを見せない
相手が何処まで俺を本気で殺すかわからない以上多少の無理は必要である
さらに体のダメージは【命の源泉】で回復することができる
其処まで考えれば多少の無理は簡単にできる
相手は俺に対して雷はイマイチだと判断したのか次は光の魔法をだしてくる
全く…自由すぎやしないか?
光の魔法は暴食者で反応できる速度であるのが救いだが…
雷やマジもんの光の魔法を放たれると正直対応しきれない
【暴食者】はあくまで俺が認識した物体や魔法を喰らって俺に還元する魔法
裏を返せば俺が反応しきれない魔法が飛んできた場合は俺は確実に攻撃を受けてしまう
幾ら体を再生できるといっても俺の意識がある限りなので攻撃のくらいすぎも案外アウトなのである
そう考えると中々に制約が多いが
ソレを悟らせて仕舞えば確実に相手がアドバンテージを握ってしまう
今の所この場の流れを掴んでいるのは此方と見て間違いない
そう思っていた俺はとことん馬鹿であった
相手が無策で俺に挑んでくるはずもないのだ
そうして一瞬の間の後に何故か俺の場所だけ翳りを見せる
体が僅かな硬直を見せた瞬間に後ろを振り返ると
其処には人形がいた
ただの人形であればどれほど良かったことか…
肝心な問題はコイツが確実に人智を超えていることである
相手の攻撃の苛烈さが一瞬治ったと感じた瞬間にコレだ
本当に人生と戦闘って似ているよな
…理不尽なところが
そう思って一瞬気を抜くと相手はその隙を逃さないと言う風に拳を振りかぶってくるの
その一撃は恐らく打撃の中では俺の人生一頭おかしい威力であった
脳髄の芯まで威力が響き後ろの壁は飴細工?と思うほど脆く簡単に弾け飛ぶ
眼下の街では混乱と恐怖の声が飛び交っている
まぁ…そうだろうな
なんせいきなり王城の壁が弾け飛べば誰でも混乱する
そうして体の半分ほどが弾け飛んだが何とか立ち上がり前を見据えるが血液が抜かれすぎだ
ダメージの影響も勿論あるが血液は補充できないので無視できない影響が体にいくつも出てくる
そうして相手が現在どうしているのかと観察している
相手は此方を既に眼中に入れないで優雅にティータイムと洒落込んでいる
全く…余裕だな?
そんな風に考えるが結局の所これを突破する方法がない限り俺は確実にタコ殴りにされる運命なのである
全く…厄介なもんを作り出しやがって
…うん?俺今何つった?作り出した?
コレは人形だが…どうして俺は何で作り出しってわかったんだ?
自分の怖い謎が一瞬噴出したので記憶を封印して無かったことにした
…コレは良いのか悪いのかは一旦置いといて
コイツをどうにかすることが先決である
そう思って目の前の巨大な人形を眺める
顔は全体的に整っているが異様なのは両目と口を糸でしっかりと繋がれてしまっている点だ
コレでは目の前を見ることも話すこともできない
しかも耳も完全に塞がれ……
あれ?コレって見ざる言わざる聞かざるって奴じゃね?
何処から引っ張ってきた?
…あ、俺の記憶を通して持ってきたならコレもあり得るのか
…なら…アレも通用したりするのかな?
そんな風に一人で悶々と考えていると人形はとうとう我慢ができなったのが此方に向かって拳を振り下ろしてくる
全く…どれだけ威力を秘めてるんだよ!?と言いたくなる様な威力で
正直あと数発喰らって仕舞えば天にも昇るのではないのかと思っている
上段抜きで
そうして相手が思っ行きり拳を振り抜いてきたので腕を上手く流しながら後ろの壁に突っ込ませて此方も拳で破壊しようとバフをかけて攻撃をするが…
相手の体に拳が着弾した瞬間に凄まじい衝撃が拳を走り抜ける
コイツ…体が!?
そう思って一瞬グラつきながらも無理矢理体を起こして難を逃れる
そして…今わかった事を敢えて口にするなら
コイツは恐らく俺のガンメタ相手だ
そう告げられる前からわかってしまうほどに俺とコイツは相性が悪い
まぁ…武器も持っていない
能力もショボい俺なら大抵の相手はメタだろうなと思ってしまうが
今回の相手に限って言えば
とことん俺のことを研究して俺を殺すか捉えるかに特化した眷属をアラクネは作り出したと言えるだろう
何せ俺が現在手も足も出せない状況下に陥っているのだから
そう…これは時間経過で確実に俺が劣勢になる戦い…今回ばかりは…
そう思って一瞬目の前を向くとアラクネが少しクスクスしながら
「もうわかったでしょ?勝てないってことが」
そういって来るので一瞬迷う素振りを見せて軽く舌打ちをする
「なら…こうさ「おい?いつ俺が勝てないって言った?」は?」
相手が降参を持ちかけてきた瞬間に俺は大きく声を張り上げながら不敗宣言を叩きつける
咳が止まりません
死にそうです…死なないけど




