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空に届け

そして【暴食者】の能力で全体の魔法陣を喰らいつくし相手の目の前に肉迫すると

相手は此方がその行動に出ることをわかっていたのかすぐさま後退しながら詠唱を続ける

恐らく死んでも詠唱を切るつもりはないな…と半分は呆れ半分は恐怖心から感嘆の溜息を吐く

しかし魔法陣という絶対的な優位性が相手に存在しないので此処で苛烈に責め立てなければどうする!!

と自分を鼓舞しながら一気に距離を詰める

相手は詠唱をしながら此方に険しい視線を飛ばすが




「残念」

そう言いながら相手の横を素通りする

今回の目的は…

「お前の主要武器もらうわ!www」

半分笑いながら相手の長剣を握りしめて力の限り破壊する

そして腕にバフをかけながら足にもバフを回し高速機動を手に入れる

そして相手を速度で撹乱しようと試みるが…

両手と口が塞がってる最中…

ギロリとても効果音が付きそうな目つきで此方を睨みつけながら走ってくるクインは軽くトラウマを植え付けられても問題はないと思う

そんな馬鹿な感想が思い浮かぶほどの恐怖映像である

だってさ…無表情のやつが詠唱を行い手も塞がり…でも此方に走ってくる…

コレが恐怖ではなかったら俺は何を恐怖と言ったら良いのかわからない

…全く俺にわからない感情を抱かせるとは末恐ろしい

そんな風に考えながら向こうから近づいてくるならば一番効率的である

と考えながら相手に向かって拳を振り抜く

しかし相手は前から飛んでくるゴミを避けるかの様な軽やかな動きで拳を回避しながら鋭い足技を叩き込んでくる

すんでの所で腕を滑り込ませてなかったら更にダメージを受けていたことは確実である

そうして痛みが残る腕に無理矢理バフをかけながら相手に向かって肉迫していく

しかし相手は足技のみでソレらを捌いていく

クソっ…認めたくないが俺は詠唱を途切れさせることに集中するべきだ…

と悔しい事実に辿り着いてしまう

本当は殴り合いで制して詠唱を中止させることに力を注ぎたかったけれども…

実は【ノア】から殴り合いで相手の詠唱を途切れさせられなかったら…と言われて念の為という作戦を立案されていた

立案された最初は少しズルくない?と言って却下したが今現在は確実に使わないといけないという状況に追い込まれてしまったので嫌々ソレを実行しようとする

「喰らえ【暴食者】」

そう呟くと一見すると周りは何も変化が起きてない様に見える

実際問題目の前のクインは何も起きてないことに衝撃を受けているが次の瞬間詠唱を継続させようとして驚愕の色に顔を染める

「……………」

まるで水面で口を開けたり閉じたりを繰り返す金魚の様に何度も口を開けたり閉じたりするが

『声』が出ない

魔法の詠唱とは喉から音を発して空気という媒介を経て音の波を大気中に放出することによって初めて魔法を放つことができるのである

しかし周りの空気が全て消えたらどうなる?

ソレは勿論声が出ない

更に言えば魔法を発動するための詠唱も行うことができない

結果魔法は発動できなくなり周りに魔法の残滓が漂うがすぐさま【暴食者】によって魔力の残滓が囚われ【ノア】によって魔法解析が行われる

……けど個人的にはこの方法嫌いだな

完全に盤外戦術やんけ…だって殴り合いして相手が魔法発動のために詠唱を開始しようとしたら空気を全て没収されて詠唱を行うことができなくなるとか

最悪な方法だろ

少なくとも俺はあまり好きではない

そんな風に考えながら相手の方に少し申し訳なく思いながら視線を飛ばしていると

苦しそうな表情を浮かべている相手が一瞬笑った様に見えた

一瞬訳がわからなくて硬直をしてしまいそうになってしまったが

ソレを一旦無視してすぐに行動を始める

相手の能力は解析し終わった

だから一切合切怖くないから一気に距離を詰める

相手も自分の能力がバレてるのは半分くらい…いや…ほとんどわかっているだろう

だから相手はギリギリまで能力を解放せずに大抵のことは純粋な魔力の強化と身体能力で対応するだろう

そうなると相手の能力を発動せずにはいられない程ギリギリまで追い詰めないといけないのであろう

全く強い相手にそんなことを気にしないといけないなんて…ソレこそ若白髪か禿げるぞ?

と心の中で愚痴を言いながら一気にかけ抜けていると

相手は此方に向かって一瞬目を細めながら何かを考えているらしく何も言わずに両手を構える

全く相手は余程俺との殴り合いが好きと見える

できれば俺は御免被りたい

そう思いながら相手に愚直に突っ込んでいく

相手は両手を真っ直ぐ伸ばしながら此方を挟み込む様に腕をクロスさせてくるが此方は体を一旦空中に舞い上がらせながら同時にサマーソルトで相手顎を砕く勢いで振り抜く

しかし相手は魔力で防御していたのかあまりダメージを負っておらず足に力をこめて一気に距離を詰めてくる

しかしソレに対応しきれずに一瞬体を硬直させながらも更に上へ逃れようとして体を動かすが相手はそんな隙を見逃すほど馬鹿ではなく

疾駆音を奏でながら一気に拳を振り抜いてくる

顎にとんでもない衝撃が走り抜ける

口の中が切れて歯も幾らか砕ける

あまりの痛みに白目を剥きそうになるが痛みで気を保つ

痛みで気絶しそうになるが痛みで目が覚める全く…皮肉もいい所だよな

そんな風に考えながら相手に向かって直進する相手は

『馬鹿の一つ覚えだな』という風に見つめてくるが

此方からしてみれば戦闘素人の俺が相手と戦う時に下手に気をつけても逆にその初々しいところをつかれて一気に窮地に追い込まれる可能性がないとは言い切れない

そんな風に考えながら相手の此方の目をつぶす様に放たれた指を腕で僅かに逸らしながら逆に相手の顔に拳を放つ

相手は避ける必要がないと判断したのか逆に顔を後ろに反らせながら額で拳を受け止めようと画策する

しかし俺は拳が額に当たった瞬間に更に力を込めて一気に振り抜く

相手は数歩ふらつく

この隙を逃すまいと更に攻撃を続ける

「チッ!!」

相手に僅かな苛立ちが蓄積されてるのがわかる

徐々に焦りが相手を侵食していくのをしっかりと理解しながら相手にソレを悟られない様に一気に攻め立てていくが

相手はなんとか捌いている

が…それはあくまでも拳で戦っている間だけである

大地を織り交ぜた戦闘に移行すれば相手は対応し切れなくなるだろう

しかし大地魔法でフィールドをぐちゃぐちゃにしながら戦えば相手が魔法陣を設置する隙を与えるので先刻の恐怖体験が再燃しそうなんで絶対駄目ではあるが

戦いにそんなことを考えても良いものか?と考えながら拳を振るっていると

相手がいきなり視線を細めながら剣を引き抜く

ソレに僅かに脅威を感じながら半歩体を引いていると

いきなり剣を地面に突き立てるので

「んな!?」

と驚きに声をあげていると

地面の下から光が漏れ出す、どうやら大地魔法では対処しきれなかった魔法陣がまだ一つ残っていたらしく大爆発に身を包まれる



「ゲホ、ゲホ!!」

気道に入った煙を吐き出す為に体が過剰に反応していると

体をボロボロにしながらも確実に此方を仕留める為に剣を振りかぶってきたクインを背中で感じ取りながら

地面に付いている両腕を一気に押し出してその場をなんとか離れるが

先刻いた場所は大きく地面が抉れる結果となっている

全く…あそこに残っていたらどうなっていたか……

そんな恐怖心を覚えながらブルリと体を震わせていると

相手が体をゆらりとさせながら立ち上がるので俺の危機感知が発動して両腕を体の前でクロスさせる

そうすると腕に内部から弾け飛ぶほどの衝撃が走り抜ける

衝撃のあまり空中で何回転かした後に足の裏から着地するが腕と足の裏が死ぬほど痛い!!

そう叫びたい衝動をなんとか抑えながら相手を見据えていると

どうやら制限していた魔力を一気に解放したらしい

俺には魔力なんて物は見えないけれど【ノア】のおかげで相手の魔力放出のタイミングがわかるのはありがたいと思いながら体を立ち上がらせていると

いきなり目の前に拳が出現する

触れてはいけないと本能で理解しながら回避をして距離をとっていると相手は更なる迫撃をかける為に大地を砕くほどの力を足に込めながら一瞬で此方に向かってくる

そして此方が反応し切れない速度で攻撃を敢行してくる

どうしようかと心の中で思いながら体で壊れても平気な部分を全面に出しながら防戦一方で戦いながら相手のガス欠を待つか

相手の速度が下がる気配は一向にない

しかしソレどころか速度が上昇しながら攻撃をしてくる

一体全体どうやって攻撃しているんだ?

と感じながら相手に反撃する為に僅かに攻撃をしようとすると相手がいきなり

僅かにノーガードになった場所に強烈な攻撃を喰らう

一瞬の浮遊感の後にあり得ない速度で壁に激突して骨の数本が折れたのを確かに実感する

けど此処で骨の処置をしていれば確実に相手に隙を晒す羽目になるので試合が…いや死合が終わるまで決して治療をせずに攻撃を続けなければならない

全く面倒臭いルールだなと感じながら相手に向かって走り抜ける

どうやら完全にエンジンが切れたのか先程までの攻撃の苛烈さは一切なくなんとか反応し切れる速度にまで下がっている

ソレがわかったことに一瞬の歓喜を感じながら右腕に全力のバフをかけながら一気に腕を振り抜くと

相手はコレは喰らってはならないと判断したのか一瞬体を下げるが決してこの攻撃から逃してはならないと判断して距離を詰める

そして相手はどうしようもなくなり腕を交差させながら


「止まれ」

能力を発動させる





止まった世界では奴がこの世界の主人である

何せこの世界では動ける人物は奴以外存在しないのである

そうして奴は誰も彼も気づかれない内に葬ってきた

そうして今日も一人止まった世界の中で葬る為に武器を構える

慈悲はかけない

今まで自身から降参をするタイミングというのは幾らでもあった

けれどもその全てを無視したのは彼自身である

最早情けは必要ない

彼の命を無惨にそして惨たらしく奪う為に武器を掲げて首を刎ねる

その未来がすぐ目の前に来ていた




来ていた筈なのである





「よお?」

軽く声をかけただけである

人によっては挨拶がわりに使う言葉

しかし今現在においてはソレは適応されない

何せ奴は自分の絶対領域に引き込んだと錯覚していた為に俺が声をかけてくるとは微塵も思っていなかったから

その思い上がりに漬け込んで顔面にストレートをお見舞いしとく

あ〜!!スッゴイ快感だわ!

ずっと嬲られてたから主導権を握って殴り飛ばすと凄い鬱憤が晴れる!

そう考えながら吹き飛ばされた相手の方に視線を飛ばす

相手は今だに自分の身に何が起こったのか全く理解していない

まぁ当然だわ

そう思いながらも相手の心を折る為に説明をしようとしていると

「………殴り飛ばしてやる!!」

と叫びながら此方に向かって走ってくる

先刻までとはまるで違う直線的な動きは交わしやすいのでヒラリと身を翻して避ける

あーあ完全に行動が短絡的になってるよ

コレなら多少会話を交えながらでも負けない…と思う

うん

「まず……お前が気になってることに付いて説明するよ」

そう言いながら相手の拳を的確に捌いていく

どれだけ行動が短絡的になろうが相手の拳は喰らえば一発KOが見えてしまうほどに強力な拳である

其処をしっかりと理解しないで戦えば先に倒れるのは俺である

そうして拳を一通り捌きながら相手が遂に足を使い始めてきたのでコレを捌きながら

「最初…俺はお前の能力を時間停止だと勘違いしていた、なんせこの前会った時には何度も体があり得ない時間で動いていたから恐らくそうであると勘違いしていた…」

其処で言葉を区切りながら相手の魔法を【暴食者】で防いでいく

「けど…違ったんだ、お前の能力の本質は時間を止めるんじゃない」

其処まで言うと相手の体は明らかに硬直する

ソレこそイタズラがバレた子供の様に

「お前の能力の本質は…『強力な念力で時間や物体に干渉して止める』という能力だ…全くお前が大魔法を行使してくれなきゃ俺はこの能力について全くわからなかったぞ?」

そう言いながら本心ではかなり心臓が破裂しそうなまでに音を立てて鳴っているのを確かに感じていた

何せもし…もしも【暴食者】で念力を喰らえなかった場合俺は止まった世界の中で首を斬られ死んでいたかもしれないのだ

それに【暴食者】が不発であった場合も同様である

本来【暴食者】に不発などはありないが今回に関しては疲労が体に蓄積しすぎている

ソレを鑑みればもしかしたら能力が発動しない可能性すら確かにあった

そう考えると相当危険な橋を渡っていたことを今更ながらに気づいて冷や汗が止まらない

そろそろ一章の終わりです

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