空に届け
本来自爆技である『荒波』を体の中で渦巻かせながら発動させる
気分はさながらシェイクされているプライドポテト……
あー……もう…そんなこと考えたら急にあの塩味のポテトが恋しくなって来たじゃん!
……全くここの世界の料理はドブに岩でもなだれ込ませた様な味がするんだよなあ
そしてソレを平気顔で食ってる俺も俺だけど
……そんなことを考えながら相手を見つめる
相手は今もなお全力で此方を射殺さんとしている
たくっ……俺なんかにガンを飛ばしても何も楽しくないぞ?
そう考えながら相手を見据える
相手の能力は鉄を放ち微細な粒子にして操る
更に空中に大砲として固定して砲弾の雨を降らせる能力
マジで強いから驚きである
そして俺からしてみれば相手はコレでも強いのに……
まだとっておきを隠している気配がする
ワンピー◯の覚醒的な?
まぁ……そんなん出される前に潰すだけだが
そして足をいきなり屈伸させて相手の背後に回る
相手は何とか粒子を飛ばして反応しようとするが『荒波』の暴走状態であれば回避は容易い
そして攻撃に転ずることすら容易い
相手一瞬驚愕の色に染めるが一瞬で此方に対応しようと全身に鉄の粒子を纏わせる
しかし此方にも手札は残っている
「『拳の道』!」
そう叫んで衝撃波を放つ
相手は一瞬白目を剥いているが此処で更に迫撃をかける
足にはまだ残していたバフをかけながら一撃を放つ
相手は避けようのない一撃を受けて大幅に体の体勢を崩すが
「フッ!」
此処で目を覚まして此方の動きに対応してくる
まるで糸を垂らされた人形のようにあり得ない体勢から此方に攻撃してくる
簡単にいえば地面スレスレに倒れ伏しそうになっているのに片方の足を軸足にして半時計周りに回転して足技を放っているのだ
完全頭おかしいだろ
と言うか……マジで能力で操っているんじゃないのか?
そう考えないと今の頭おかしい動きは説明がつかない
そう思い一瞬体を硬直させていると相手が大地を砕いて一気に此方の視界を塞ぐ
多分だが俺の視界を塞ぐ目的があったのだろうが大地は俺のホームグラウンド
コレくらい簡単に操れる
そう念じながら一気に相手に細かい石の槍を作り出して攻撃するが相手に届く前に全て切り落とされる
やはり周りに鉄の防御壁ができているのか
もちろんある時とない時のムラがあるのか攻撃自体はできる
ここがこの戦いの一番のキーポイントになるであろう
何せ……この戦いは奴の意識をどれだけ鉄の……鉄壁のディフェンスからはがせるか
それが大切になってくるのである
けど近接戦闘に持ち込むこと自体は然程難しくない
何せ相手が本気で遠距離戦で戦いを演じたいなら大砲で牽制を挟みながら鉄の粒子の嵐の中で俺を十二分に嬲ればいいだけの話である
そう考えるとコイツの戦闘スタイルはある意味では中途半端である
何せ遠距離戦は確かに他者の追随を許さないほどに協力である
まあ………グングニルには負けてしまうであろう
けどグングニルは継戦能力は低い
何せ大量の武器を一気に出現させて自身の命令で操作するのであれば必ず体の何処かに不調が出てくるはず
グングニルの正解はグングニルの能力を発動させて一気に操作範囲から逃れて、そして相手が消耗したのを確認してから相手が認識できないほどの遠距離攻撃で仕留めるのが一番効率的である
けどコイツの遠距離攻撃は消耗が全く見えない
これはあくまでも俺の考察ではあるが………
アイツは自身の馴染みの深い服を鉄に変えることでより鉄の操作性能を上昇させているのではないか?
そう考えると異常なまでに操作性と能力を発揮しているのに説明がつく………が
本人にソレを確認している暇は存在しない
そして逆に近接戦闘になると奴の能力はガタガタになる
何せ……今このタイミングで拳を繰り出す?と思うタイミングで殴ってくるのである
逆に奇天烈なタイミングで攻撃を出してくるのでペースを崩して攻撃されることもあった
そうして相手との間合いを慎重に測りながらゆっくり、ゆっくり深呼吸をしていく
そうして体から僅かに残っている緊張をほぐしながら目の前を見据える
そうしてようやく具体的に纏まってきた思考を頭の中で回転させながら実現可能か考え
「そろそろか…………」
小声で呟きながら相手に拳を構える
先刻までとは違い確かな勝利への確信を得ながら
そして相手が僅かに指を動かすのを視認した瞬間に自らの力で体を食い破るかもしれない程のパワーを体内で完全――とまではいかないが辛うじて制御して相手の目の前に迫る
此処で相手の後方に行かなかったのには大きく二つの理由がある
まず一つ目としては先刻ヤツの後ろに回って攻撃をしたばかりであるために似たり寄ったりの攻撃をすれば相手はその疑似性から攻撃を見切れる可能性が大幅に上昇する
そしてもう一つの理由が………
大地魔法で仕掛けた囮である
先刻石の槍にした石床の素材の一部を掴みながら後方に――『荒波』の身体能力で相手に見られないように――投げつけ囮として使ったのである
俺の想像通り相手は一瞬で後ろに振り向き石で出来た槍を見て一瞬で此方に向かって首を回してくるが
その先に相対するはずの地龍の姿は存在しない
スライディングの応用で半開きになっている足を一切触れずにスライディングしながら音を立てないで後頭部に攻撃をかける
どうやら鉄の粒子は俺のほとんどの能力と同じく意識をしてないと能力を発動させることはできないらしい
これも重要な情報である
そんな風に考えながら相手が崩れかかりそうな大勢から足を突き出すように尚且つ鉄の粒子をドリルのように旋回させながら纏わせているので簡単に防御をするのを諦めて大地魔法で粉塵を巻き起こす
そして一瞬で煙の中に体を放り込む
ノワリンは地龍を見失う方が革新的な脅威と感じたのか自身を中心に鉄の粒子を旋回させて一気に上空に煙を巻き上げるが
そこに地龍の姿はない
ノワリンはまた何処からか一気に襲いにかかってくるのかと警戒心を露にしながら全体に鉄の粒子をまき散らす
その判断はとても正しい
相手が幻覚や視覚誘導そして気配完全遮断などの能力を使っていたとしても視覚では捉え切れない程微細な粒子と化した鉄が体内部から体を引き裂く
そう………ソレは相手が地上から攻めてきた場合のみ絶大な効果を発揮する
「よお?」
ノワリンは盛大な勘違いをしていた
敵は自分が引っかかった催眠の能力を発動させて再び自分の視界から姿を消し去っている
そう勘違いしていた
相手は………コイツは!!
そうして片足を掴まれながら地面の中に体を引きずり込まれてしまう
煙に紛れ込んで相手から全身を隠した
相手はまた俺が性懲りもなく催眠の能力を発動させて自身の姿を掻き消すつもりであると考えていることであろう
何せ此処で馬鹿正直に体を出せば間違いなく俺は鉄の粒子の嵐に巻き込まれ蜂の巣にされてしまう
そうして一瞬体に力を込めながら波紋状に揺らぎ始める地面に体を飛び込ませる
そうすると地表とはまた違う光景が広がっていた
どうやら大地の中には下の地面に要らないダメージを蓄積させないために【蓄積】のスキルが施されている
これは俺ではなく【ノア】情報である
知ってる?お前がそんなことを初見で見抜けるわけないことはわかっているって?
…………なんだろう自分で問答してるのに凄い心に罅が入るのを幻聴で聞こえた気がする
そうやって考え事をしていると
〈さっさと地表に近づいてください惑星の中心に近づきすぎて溶けたいのですか?〉
とノアから凄いお叱りを受けたので何とか地表付近まで上昇する
今俺が使っている『技術』は「グランドダイブ」という技である
この能力は大地に潜り込んで自由自在に動けるようになれる……という能力ではあるが人間には扱えない重大な欠陥を孕んでいる
それは
地面の中では決して呼吸をすることはできないのである
まあ当然と言えばそこまでのことではあるが………これは俺のデメリットたりえない
なんで?と思った人もいるかもしれないが今こうして俺が地面の中で呑気に考え事をしている時点で感づいている人もいたかも知れない
俺………というか地龍は地面の中に潜り込んでも普通に呼吸ができるのである
大地の中とは地龍達にしてみれば自身の母親の羊水………胎内の中であるために中に入ろうがパフォーマンスの低下など絶対にあり得ないことであるのだ
そうして地表の上を暇つぶしに観察していると相手が鉄の粒子で簡易的な竜巻を巻き起こしながら粉塵を何処かに霧散させてしまった
最初から期待はしてなかったがソレでももう少し時間を稼いでくれるとばかり考えていたものだから衝撃が大きい
そうして地上観察していると
視覚……五感で俺を探すのは無意味であると考えたのが全体に見えない大量の鉄の粒子を蔓延させて一呼吸をした瞬間に全身に内部からズタズタに引き裂かれるという恐怖の能力である
【ノア】もこの手法は地上で戦いを繰り広げようとしている人物であればわかっていても対処は相当困難であると言っている
まああくまでも地上に出ていればの話である
相手は何度も正面から向かったことも相まって俺が地上から攻め立てることを想定しているのか足元の魔力感知や足などに警戒を一切払っていない
してから音を立てないように細心の警戒を払いながら近づき
思わず
「よお?」
と一声かけながら相手の足を地面の中に引きずり込む
ちなみに「グラウンドダイブ」の能力の範囲内は自身と自身が触れている範囲に特定される
そう逆を言えば俺が触れてなければ対象は地面の中で自由に身じろぎができなくなってしまうのである
そうして相手の足を掴みながら試験会場のかなり奥の下のほうに沈めてきたので取り敢えず試合の勝利カウントが計測されている限りは戻ってこれないという確信を得ながら地表に体を躍らせる
そして手のひらに冷や汗をかきながら顔を空に向ける
これで一人目かあ………………
と僅かに勝利の余韻に浸りながら読書でもしようと自身に割り当てられた自室に戻ろうとすると…………
自分が立っている地面に僅かに微細な衝撃を感じ取りながら警戒心を全開にする
そうすると地面の中から奴が顔を見せる
正直どうすれば倒れるんだよ…………
とあきれ果てながら拳を血が滴り落ちるほど思い切り握りしめながら構える
そこで気がついたが空中に浮遊している鉄の粒子を取り込まないか気になったが見たところ相手は俺が放置してきた岩盤と溶岩の境目から抜け出すのに相当数時間がかかったのであろうという疲労を見て感じることができる
しかし………だからと言って手加減するほど俺は優しくない
多分人として終わっているのだろが綺麗ごとはどんな戦いでも「完全勝利」を達成できるほど強くならないと言っても完全なる絵空物語である
そうこう考えながら自分の体の調子を確認しながら周りを見て状況を把握する
まず最初に相手はかなりの疲労を蓄積させているのがわかる
何というのか異世界のガキの顔だから前世のはかなり参考にならないが
ウチの親が三連勤で疲れてゾンビみたいな顔で帰ってきたときと全く同じ顔をしている
そして更にもう一つの重要なの話題が周りに鉄の粒子が漂っていないのだ
距離制限が存在するので自身の鉄操作をバンバン使えるわけでもないのであるが
それは地龍には一切合切関係のない話である
しかし此処で問題になるのが相手攻撃手段である
恐らく鉄の粒子を操りながら此方の命をやってくるであろうから防御を固めるべきか?
そう考えたが一瞬で思考を中断させた
何せ細かい鉄の粒子は外部からの攻撃に特化しているわけではなく内部からの恐るべき爆発の能力に転用することができるのである
そうして相手の体の一挙手一投足に細心の注意を払いながら警戒をしていると相手のノワリンがいきなり顔の目の光の一切を消しながら此方に向かってくる
余りの気配の無さに目の前に存在しているのに一瞬姿を見失いかけてしまいそうになる
今回それが巻き起こってしまった場合は完全に此方が不利になってしまうが
……………………………………
恐らくではあるが相手はソレをやって来ないと考えている
その大まかな説明として
まず最初にお互い完全に満身創痍である
俺は地龍の代名詞の大地魔法は息をするように操り………魔力や魔素の消費が皆無であるがゆえに『技術』は簡単に操ることができるが頭を使って考えようとすると疲労から脳の思考回路がバグり始める
【ノア】の補正もちである俺がその程度でバグるのだ今現在完全に動くだけで満身創痍の奴に意識的に気配を消すという高等技術はまだ扱えないであろう
最近フェアリーテイルと終わりのセラフを読み込んでるんですけど…二つとも滅茶苦茶面白いです
終わりのセラフは多少の展開の重さが否めないけど許容できる範囲で面白いです




