空に届け
……………思ってたより論外の化け物がいて非常に困惑しています
何せ俺からしてみれば幾つかある切り札のうちの一つを惜しげもなく切ったのに簡単に看破された
コレがサーモグラフィーとかだったらまだわかるよ?
でも何?自分の頭脳だけで俺の立ち位置を見抜いた?
お前は野菜星人か?そう喉から文句が出かかって何とか飲み込む
「…………」
一瞬の硬直の後にお互い長期の硬直は不利だと悟り一瞬ぇ行動を起こす
「ふっ!……」
相手は周りに粒子を飛ばすのをやめて全身に服の様に纏う方に力を注いで全力で近接戦闘をこなしてくる
遠距離だけで近接はちょろいのかと思っていたら普通に近接もこなしてくるあたり相手は相当できるんだなと
才能と努力の差が広すぎるなと感じてしまう
が、ソレを理由に負けたら元も子もないので何とか前を向く
相手の手から四方八方の逃げ道を塞ぐ様に網の様に鉄の粒子が張り巡らせられる
本来なら一瞬で詰みだと感じてしまうであろうが
「【暴食者】」
そう呟いて周囲に散らばっている鉄の粒子を喰らい尽くす
そして次には相手懐に潜り込んで拳を入れ込もうとすると相手は体を捻りながらタダでは避けないと言う気概を見せるかの様に此方に裏拳を飛ばしてくる
一瞬反応が遅れてしまったが此処は回避をせずに防御をするために腕を構えてガードをする
ガードしたがソレでも衝撃が腕を通り抜けて数メートル吹き飛ぶ
一瞬逡巡したが危険を取り一気に相手の懐に再び潜り込む
相手は一瞬訝しげに此方へ視線を飛ばすが此方からしてみれば時間をかければかけるほど相手は此方の手札をどんどん攻略して行くので一瞬でも攻勢の姿勢を崩せば終わってしまうのである
そんなことを考えながら相手の顔面に向かって拳を振り抜く
が……相手の拳から飛ばされた鉄の粒子が拳に絡み付いたと感知した瞬間には全身鉄の粒子で包み込まれてしまう
幾らか身じろぎした後暴食者で自分の体を喰らい一瞬で高速から逃れる
ソレと同時に服も食いちぎる
多分俺ありえんくらい衆目の前でまっぱになってるよね?
………何だろう…これ以上考えると脳みそがぶち壊れそうだわ
そう考えながら目の前から来てる鉄の粒子の本流を手でいなしながら相手との距離を測る
ちなみにこの時に自分の手は漏れなく消し飛んでる
全く避けるのていなすのも中々大変だな
そう思いながら短刀を取り出す
もう刃はボロボロであるが無いよりかは大幅にマシである
相手が鉄の粒子を飛ばしてくるので短刀で僅かに逸らしながら一気に距離を詰める
結局ヒット&アウェイが一番効率がいいのだ
俺みたいに雑魚で下手に攻撃を喰らうと致命傷になりかねないから
そして短刀を操りながら相手が繰り出す拳を体を柔軟に使いながら捌いて行く
前世では体はガチガチで
「お前……骨の関節アロンアル◯ァで固められた?」
と馬鹿にされた俺だが今ではI字バランスすら余裕のよっちゃんである
相手の苛烈な攻撃を避けながら服の方にも攻撃を仕掛けようと
体を前に倒すふりをしながら相手に向かって自身の武器である短刀を一本投げつける
そして相手がソレに一瞬気取られた瞬間に足に踏み込みをかけて半円を描く様に相手の後方を取る
相手は一瞬で此方の目論見に気づくが一本残しておいた短刀に全力で魔素を込めて一気に攻勢を強めて行くが
相手はまるでどこ吹く風というふうに回避して行く
コイツ………攻撃力だけじゃなくて予測能力も強いとか反則だろ!
そう考えながら足を大きく振り上げて相手の頭蓋を叩き割ろうと(なりふりかまってられない)すると
相手は此方の足を掴んで一気に頭の上で回転させる
一瞬「は?」と声に出してしまったが一気に回転をかけられて一瞬の浮遊感の後に壁に激突しそうになったが流石に此処で壁にそのまま突っ込む様な馬鹿な真似はしない
壁にふわりと着地して回転投げ飛ばしの勢いを殺さぬように円形の壁を走りながら相手の腕に足の裏から飛び込む
相手は一瞬の逡巡のちにガードする体勢をとったが
此方からしてみればそんなのただ悪あがきに過ぎない
先刻投げた短刀は丸みを帯びさせながら投げた為に相手の横どなりに落ちているので少し手を伸ばしながら
ソレを掴みながら体を更に回転させる
そして回転の勢いのまま相手の頭に攻撃を喰らわすと微妙な違和感を感じる
まるで魚の鰭が空気を掻いたような……
取り敢えず生きている限りは中々形容の難しい感覚が足の裏を襲う
相手は一瞬此方を見ると一気に服の鉄を解いて空中の大砲の用意を急ぐ
ソレを見て慌てて後ろに下がろうとすると
此処で初めて違和感の正体に気づく
足の付け根に足を切り続ける簡易装置が作られていたのだ
俺の能力…【命の源泉】は修復は行うが原因の排除までは行なわない
そう…奴はこの特性に気づいて一度きりの初見殺しではあるが
『一度あれば』という精神のもと策略にはめていった
そして今閃光が大砲の筒から漏れ出し____
爆ぜる
最初は何とか捌き切っていたが相手の大砲の砲弾の量と相手のボルテージが上がっていき上昇していく砲弾の速度に徐々に押され始めていき
結果
「カハッ!!」
体のあちこちが壊れかけて目を半開きにするのが精々であった
そして目の前にある大地に倒れ込みそうになったがソレを精神力で堪え切る
「ふぅ…………」
そう一息つくと一瞬で体の傷は治り相手は一瞬眉を動かすがソレでも不動を変えない
正しい…何処までも正しい
確かに【命の源泉】を攻略するなら時間をかけて戦うのと…このように瞬間火力で攻め切るのが正解である
何せ『継続的に怪我を負わせて徐々に失血死させるか』
『瞬間火力で大怪我を負わせて一気に失血死を誘うか』
この二つのどちらかを取られれば俺は攻略できてしまうのが難点であるのだ
何せ【命の源泉】では血液は復活しない
……さてさてさーて…俺の活動限界は何処まで迫ってきてるかな?
そんなふうに考えながら一瞬腕を上げようとしてまだ辛うじて腕が動くことを確認する
恐らく相手に向かって攻撃できるのは大きいのだと一発
小さいのだと三発が限界である
そう考えながら相手がまた鉄を集め行くのを見て
懲りないなあ…とヤメテクレと心の中で半ば泣きながらその光景を見る
が…相手は容赦なく鉄塊を叩きつけてくる
体の部位をあまり動かさずに最大速度を出しながら空中で一回転しながら鉄塊を避ける
これが他のやつの攻撃であれば鉄塊の上を走りながら相手に向かって迫撃をかけていたのだが
相手が悪い
何せ相手は細かい一つ一つの鉄の粒子を一切違わずに操る天才である
ソレの攻撃の上を走るなど最早自殺行為に近いことである
そうして相手の攻撃を避けながら相手が此方に向かって幾つか大砲の砲口を見せてくるので一瞬で威嚇の為たど判断して直線的ではなく相手の視線を混乱させるように複雑の動きをする
そうすることで直線上に入らずに相手の混乱を誘うわせようとしたら一瞬で一気に大砲の数が増える
「………そりゃ聞いてないよ」
とポツリと呟いて砲弾を眺める
……………あまり使いたくなかったが…
そして瞬きの数倍を超える速度で大量の砲弾が雨のように降り注ぐ
「………決まったか?」
誰かが呟く
一瞬が数分にも感じられるような時間の中あたりを包むような静寂のみが万人に平等に与えられている
そして審判までもがノワリンの勝利宣言をしようとした瞬間
「おい?まだ決着には速いんじゃねえか?」
会場全体に痺れが走る
確実に敗北したと
誰もがそう思った
本来人が流してはいけないほどの大量の血液は流れ出ていた
反応しきれないほどの大量の砲弾が彼を襲っていた
彼が倒れている理由を説明しようと思えば幾らでもある………が
「どうして?」
ノワリンが…対戦相手が観客全員の心境を代弁するかのように茫然自失とする
そう彼………彼?彼女?…………えーい!どっちでもいい!
コイツにとっても確実に決めに来ていたのにピンピンしている地龍は脅威にしか感じないのだろう
だが……
「俺は今こうして立っている…………その事実だけじゃあ不満か?」
アッブネエエエエエエエエエ!!
今現在ノワリンや観客達に対してかなり余裕綽々な態度を見せているが事実は……………
クソッ本当はこんな所で使いたくなかったんだけど!
発動!『荒波』&『拳の道』!!
そして一瞬体が何か不思議な感覚に包まれながら視覚が一気に晴れて行く
そして気分が高揚して行く
何だろう血液にカフェインとアルコールを大量摂取した時の感覚に似てるううううう↗︎
この時ツッコミがいれば
「いや……お前アルコールとカフェイン入れたことないだろう……」
そう……この時ツッコミがいなかったことは幸か不幸か…
誰にもわからない
「どうした?俺がこうして喋っていることに何の驚きがある?俺だって隠してる能力の一つや二つあるんだよ?」
……ヤバいな完全にハイって奴になってるな
多分本当に死ぬと思った瞬間に入ってはいけないゾーンに入って其処から更に生き延びた結果スイッチが完全にメーターを振り切っちゃったから……
頭の冷静な部分ではそう考えていられるけど
頭の中は煮え繰り返っているマグマのように思考が完全にショートを起こして頭から煙が出かかるほど思考形態がおかしくなっている
ここまで来たら敢えて思考をこのまま暴走させて戦った方が都合がいいのかもしれない
そうやって考えながら『荒波』の再発動のタイミングを図りながら相手との距離を測ろうとするが
(あ………魔素の強化が切れて視角強化が切れ………ヤバい景色が霞んで何もみえないんですけどおお!?)
ここで余談であるが前世の彼の視力は両方0.1であり常にコンタクトをつけていたせいで妹からも裸眼であると思われていた
そして彼は体の柔軟性が転生して改善したのに対して視力は更に悪化していたので苦肉の策で視神経に魔素を流し眼球にも魔素で強化を施して視力を1.0程度には引き上げたが………それは魔素が尽きない間だけである
しかしながら地龍こと彼はこのノワリンとの戦いに至るまでの疲労が本来無限に取り込めるまその吸収を大幅に阻害している
その結果彼の視界はまるで靄をかけた窓ガラスの様に曇ってしまっている
そこまで事実を確認してから相手に悟られないように一瞬瞬きをしたがそれでも目の前の相手とのピントは治らないそこまで考えて一瞬ため息を吐きながら体の中で気力を練り上げる
そうして目に頼りながら戦う戦法を変え耳に頼りながら相手との間合いを測る
完全な真っ黒な景色………
とまではいかないが…………それでも視界が使い物にならないほど曇っているというのは精神的に厳しいものとなってしま相手が動く気配は今はなく…………代わりに自分の異常とまでに緊張しながら呼吸を繰り返している呼吸を耳から聞き取る
心臓が自分の意思に反させながら落ち着かせていると
「ザッ!」
相手の地面を蹴り飛ばす音を耳で一瞬で聞き取りながら『荒波』の能力を発動させていく
『荒波』の能力はブーストである
自身の命という薪を体にくべることで本来では発揮できない身体能力を発動させることができる
しかし……これの問題点は
俺以外の人物がこの能力を使えば一歩ミスれば取っ手が外れた蛇口の様に一気に命という燃料が体から非常に漏れ出しながら暴走を開始させる
そしてコレをバーサークロボットは敢えて起こしていた
その理由は此処で語らずともわかるであろう
そして一瞬で全身に電気とも雷とも何とも結び付けられないような
何とも形容しづらいエネルギーを全身に纏わせながら相手を両の眼で相手を見据える
全身から常時エネルギーが溢れ出ることが原因なのか
この状態になると身体機能が大幅に上昇するだけながら自身の五感までもがいつもの数倍鋭くなっている
そう考えるとこの能力を常に発動させる方法は存在しないのかもしれない
何せ……この能力は自身の魂………つまり自分の命の力を前借の状態で使っている状況になるのだが
本来であれば数分も持たない産業廃棄物の能力であるが
絶えず全身から魂のエネルギーが溢れている俺からしてみれば
毎日…毎日…使えないエネルギーを垂れ流していて
そうして考え…………何かが悔しくて能力を完全に垂れ流しにしなければならないのか?という結論に至る
けど今日まで溢れて止まらない能力をどうやって効率的に使用していくかは決まっていないが
今日『荒波』を発動した結果自分の魂の力を搾取され自身の限界を超えた身体能力を発動できるということが分かった
結果論から言ってしまえば『荒波』は自分の魂の力を食らう能力であるが
俺にはとっても便利な能力であるのだ
カフェイン…エナドリ補充したいなら元いた世界に戻るんだね




