空に届け
諸事情により投稿が乱れましたすいません
ツチノコを抱えて相手に向けながら全身から威圧を放つ不審者
うん……言葉にすると怖いことこの上ないな!
そう思いながらも一切ツチノコを握る手を緩めない
そう……ツチノコの能力は最初は何が起こるかわからないから何かアクションが起これば相手は否応が無しに能力を発動しえない
……そうなってくれれば万々歳
そうでなくとも相手の牽制になれば十分
けれども相手は静かに此方を見据える
ソレは此方を品定めするアザトースのようで……
「クソッ……ツチノコ離れてろ、おい!アンタの能力は何だ!近距離と遠距離……好きな方で戦わせてやる!」
そうアザトースの影がチラついた瞬間にムカついたからコイツは全力で叩き潰したい
そう考えながら…実はもう一つ目論見があった
(……コレで奴がどちらかを選択すればどちらか特化していることになってくる……コレで相手が乗ってくればわかるって話だけどな…)
そう心の中で呟きながら相手との距離を一切詰めない
もし相手が近距離特化の能力であれば三メートルから四メートル前後をキープしとくのが一番良い
逆に遠距離主体であるなら近距離に無理矢理にでも突っ込んで相手の能力を封じに行くことが重要であると考えている
……さて、と…相手はどう動く?
「……近距離……」
相手がそう言いかけるので一瞬体を動かしかけた瞬間に相手の体の周りに微細な粒子が飛び始める
一瞬砂埃が舞っているのか?
と疑ったが……すぐに違う、とわかった
「……何だ?」
服がボロボロと崩れ始めてコートが一瞬で消える
一瞬崩壊系の能力で空間対象の能力が発動したのかと身構えたがいつまで待っても崩壊系統の能力がこの身を蝕むことはなかった
そして何がしたいんだ?と相手の方に視線を飛ばした瞬間背中に
悪寒が走り抜ける
一瞬でその場を離れると目と鼻の先を奇奇怪怪な文字列が並んだ砲弾が飛んでいく
「…………………どうなってる?」
思わずそう呟いてしまうほど相手の能力は意味不明であった
何せいきなり服が崩壊したと感じた瞬間後ろから砲弾が飛んできた…………
「お前の能力は一体なんだ?」
答えが返される…とは一ミリも思っていない寧ろこの質問で一瞬でも隙を作り出して相手の懐に潜り込んでぶちのめすのが目的である
が、まさかの…………
「ん?僕の能力?【服を金属のようにして自由自在に操作することができる】っていう能力だよ?」
……………………………………………………
はて?俺の目の前には馬鹿がおるのだろうか?
そんな自分の能力をわざわざ晒すような真似をして何の得をするのだろうか?
そう思って誤情報の可能性を考えて一瞬体を確かに硬直させるが相手が嘘を吐いてる雰囲気は感じられない
あれ?もしかして…………
「マジで本当の能力ばらした?」
そう思わず呟くと相手はまるで当然の様に
「あたりまえじゃーん、此処で嘘を吐いたって何も楽しくないじゃん?」
わあ~俺と同じのノリで突っ込むタイプの奴じゃないか~
…………………うん…わからなくないよ?だって俺も同じだから気分によって自分が不利になることを言ってみたり行動してみたり
けどさ?今ソレをネタバレするのは少々ねえ?
そう考えながらも………
「まあネタバレ喰らった所で………ってね」
そう………この能力は空中に服の粒子を辺り一面に散らせて此方に認識させないでいきなり金属に変えて魔力砲弾を放ったりする
これの恐ろしい所は相手の体内で服の一部を金属化させて内部から食い破らせることである
服の一部からどこまでの大きさの金属塊を生成できるのかはわからない
けど…………もし大砲並みの大きさを生成できるとしたら…………
考えただけでも心の奥底から冷え冷えしてしまう
しかしながら相手が此方をどうこうしようと言う気配はないので完全に油断するのもアレではあるが一瞬は思考の外から消しても怒られはしないであろう
それよりも今は楽しい楽しい検証のお時間である
そして次の瞬間こう発言する
「お前の能力………確かに凄まじい能力だが一つ解せない点が存在する!それは奇奇怪怪な文字列で作られた砲弾だ……………幾らお前が金属を操る能力者でも文字列で砲弾を作ることはできないであろう?」
そう言いながら相手との距離僅かに詰める
「確かにね…………その文字列の入った砲弾は僕が長年かけて研究した【魔術言語式特殊砲弾】…………通称「魔弾」だ、けどね?それがわかった程度で調子にのられてもねえ…………」
こちらの文言に何かを呆れながら少し警戒心を緩めていっているアクアマリンことノワリンのことをゆっくりと観察していく
恐らく自信過剰、一度発動させてしまえば一気に形勢を逆転させることも可能である強力な能力、そして何よりこの年齢………恐らくは十代前半という天才的なまでの才能がある故に誰も止めることが出来なかった致命的なまでの油断
前までの俺なら此処まで考えながら相手の弱点を探るという行為は決してしなかったであろうが今の俺は決して油断はしない
前回はソレで散々な目にあったからな
そう思いながら相手が一瞬目を閉じて此方のことを完全に視線から外すのを確認してから一気に突っこんでいく
「んな!?」
と一瞬驚愕する素振りを見せるがそれに構わず一撃で屠る為に全力を込めて相手を殴りつけた瞬間に腕に強烈な衝撃が走り抜ける
「!?!?」
一瞬衝撃が電気の様に全身に走り抜け
次の瞬間には悪寒が背筋を支配する………このような時の直感というのは案外馬鹿にできない「何か」が存在する
そして今回はその「何か」が俺の運命を救った
「ドドドドドドドドド!!」
と先刻まで俺がいた場所にまるでスコールのように砲弾の雨が地面に降り注ぐ
そして顔を頭上に上げるとソレが目の中に飛び込んでくる
「全く…………お前らは俺のことを絶望させるのがとことん好きらしいな……………」
そう言いながら頭上のソレを悲観的に見上げる
「そう?このまま蜂の巣にしてあげるよ?」
絶対に御免だねと思いながら全力で走り回りながら一回情報を整理することにした
まず奴が使うのは服を改造して金属に変化させる一見すると錬金術にも見える超常的な能力
そして今現在「魔弾」と同時に運用されている金属で大砲を作り上げて今まさに俺の体を食らわんとしていると砲弾別にこの砲弾に何も加工がなされてないのならば俺も甘んじて受けようとするだろう
だが見る限り確実に何かが付与もしくはエンチャントされていることは確実的である
ソレを真正面から受けるなど馬鹿の所業であることは確かである
そしてもう一つ確認できる事象は
「謎の防御壁」である先刻俺は奴に向かって全力で拳を振りぬこうとしたが「不可視」の壁に阻まれて振り抜くことどころか傷をつけることは叶わなかった
他の魔法や『技術』であれば破壊することも可能である可能性があったが…………
「ここで何を切るのが正解なのか…………」
何を何処でどの様なタイミングで切るのかを確認するために女王まで出張ってきているのだろう
しかも俺にはクインという未知数の相手が控えているのだ
此処で下手に手札を晒してしまえば此奴には勝てるかも知れないが後に控えているクインには確実に勝てない事実は覆りようがない
そう思いながら今回切る手札を考えていると
「ねえ?そんなにちょこまかと動かれるとウザったくて殺しちゃいそうだよ?」
そう言いながら奴の周囲に花弁の様な鉄の花が咲き誇り一気に数百の細かい花弁が一気に飛んでくる
「チッ!!」
軽く舌打ちをしながら自分の一番馴染みの深い大地魔法を咄嗟に発動させる
「…………………!?」
相手はただの土塊で細かい金属を防ぎ切ったことに衝撃を隠し切れていない
が、お生憎様………俺の俺はそんなに人間できてないんだ…………
自分の情報は余り流さないで相手に完勝して見せる
そう考えながら相手の周りをゆっくりと円状に移動していくと
「「………」」
奇妙な膠着状態が生まれ始める
俺は相手の金属能力に恐怖して
相手は俺の大地魔法に懐疑心を抱いて
両者ともに膠着状態になったがお互いにすぐにこの膠着状態に終止符が打たれるのは理解していた
何せ此処で何分も硬直を起こしていればお互いにより動けなくなり決着は明日に持ち越させることになってしまうであろうということはお互いに理解しているが
それはお互いにとって避けたい事実
「夜まで起きてたら普通に寝そう」という事実がお互いに早期決着を望ませる形となっていた
しかしながら俺も相手も決して動かない
その時が来るまでは
一体どれほどの時間が経過したのであろうか?
太陽の動きからほんの数分も経過してない事実がより此方の精神力を抉る事態となっている
まさか敵と対峙しながら膠着状態を迎えるとこんなにも時間の経過が長く感じるとは……………
これだけは完全に予想外であった
そんな風に考えながら相手と此方どちらが先に動くべきなのかを考察する
自身ではない第三者の目を持って
〈まず、この試合で膠着状態になっている要因は貴方が大地魔法にふんだんに魔素を含ませて細かい金属の破片を防いだという事実が彼を迂闊に動かせない状況を作り出す要因となっています…………逆に言えば……………彼を束縛している事実はそれだけであります、彼が大地魔法で金属片をそう何度も防げないという事実に気づき始める前に封じたほうがよさげです〉
…………………
結局俺から突っ込まないといけないのか………と落胆しながらも何とか目の前の相手を睨み付けながら相手に悟られないように足に力を込め始める
「ふううううううううう」
と長くそして気合いを入れるために深呼吸をしながら相手に向かって突進するが相手は落ち着き払って大砲を作り出して此方に攻撃してこようとしていたので一瞬そちらの方に視線を飛ばしながら大地を隆起させながら大砲の前に出現させる
相手は一瞬発射するかどうか躊躇う、が今回の奴は魔素をほとんど含ませていないカスである
こんなのでもブラフには使えるのか…と自分で感心しながら相手に拳を振るうと
何故か拳が滑っていく
結局のところ…………これが一番の問題であるのだ
最初であれば色んな力を使って攻略しようと考えられたかも知れないのだが大地魔法だけで攻略すると自分で自分にルールを定めた手前中々にルールを破れない
結局大地魔法一つで攻略するしかないのである
そして一発目の拳が防がれたのは多少のショックがあったけれども何度でも殴れば良いという極めて脳筋的な理論で拳を振るい続ける
「…………………………なんだろう……………この戦い周りを気にしすぎてクソつまんねえ」
最初は試験に合格するため、クインに勝つための作戦云々かんぬんとかを並べていたが
今の戦いはどうなってる?相手と自分両方とも周りの目をずっと気にしながら戦って…………
挙句の果てにつまらない戦いを延々と繰り広げるだけで何の進展もなく
恐らくこのまま戦えば俺の勝ちであろう
幾ら強いからと言っても無敵の存在ではない時間をかけて攻略していけば確実に攻略できるであろう
しかしながら…敢えて質問しよう、そんな戦いは楽しいか?
断じて否である!!
そんな相手も自分もクソつまんない戦いを延々と繰り広げるのを見てて何が楽しいであろうか?
そこまで考えた結果後先のことは一切考えないで能力を解放することを決定した
「喰らえ【暴食者】」
そう一言呟くと一瞬で拳の周りに絶対の捕食空間が出現する
「な!?」
相手は今まで弱めの打撃しか飛んでこなかったことに慢心した結果顔面に【Infightingー抜重】を発動させた拳を思いっきり振りぬかれ…そして攻撃を受けてしまう
ああ、ようやくあのクソガキに全力の一撃をお見舞いすることができた……!
そう…………この快感だけでしばらくは何の不満もなく生活できるであろうが
ここからがメインディッシュである
とうとう相手も本気になったとようで………相手の頭上にいきなり巨大な砲台が幾つも出現する
一瞬グングニルの様な理不尽砲撃が始まるのかと身構えたがいつまで経過しても相手は動き出さないので恐怖心と好奇心を半々にないまぜにしながら視線を目の前に飛ばすと
相手が天井に手を掲げながら大砲を操作している
矢張り…………砲撃か?
と再び身構えるが砲台の形が一瞬ぶれたと感じた瞬間にいきなり複数の下手な町なら砲台の口だけですっぽりと覆ってしまえそうなほど大きな大砲が奴の体へと取り込まれていく
そして現れたのは半分サイボーグみたいな感じになったクソガキである
なんと表現したら良いかわからないが金と赤をベースにしたパワードスーツを着たあの人の状態に近い格好である




