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空に届け

夢の中で小学生と戯れていたから筋肉痛が……!!

気絶してから何か不思議な夢を見ていた気がする

なんか見ず知らずの不思議の国から迷い込んだ様な動物たちが俺の手を無理矢理引っ張って嬉々として国を案内していくのだ

最初は不思議に思ったが途中から警戒心自体も大分薄れていってしまい

最終的には宴会を開くと言う奇妙な状況下に陥ってしまった

そして宴もたけなわの時に全員に名前を聞こうとして……


「んぁ?」

一瞬の逡巡を経て眼を開けると其処は楽しい夢の国でも試合会場でもなかった

「あー、なるほどねえ………」

そう言いながら誰にもバレない様に溜息を吐く

何でか?負けてしまって悔しいんだよ……

あそこまでコテンパンにされて逆に悔しく無い奴は全力でやってなかったと言う事実が浮き彫りになってきてしまうが

今回の最後の試合に関して言えば割とマジで戦ったんだけどな

そう考えながら布団の中にいそいそと入ろうとすると

「あ、目覚めた?」

そう言いながら何があったのか新しく新調した服をぐちゃぐちゃにした鈴山達が入ってきた

「何があったん……お前らは……」

そう半分呆れながら質問すると

「何?俺たちが泥んこ遊びでもする様な年齢に感じられるの?」

そう不服そうに申し立てられるので

「良識のある男子は新調したばかりの服を泥でぐちゃぐちゃにしません」

そう言って布団からひょっこり顔を出しながら欠伸を噛み殺してそう告げる

「いや、コレに関してはお前の後始末をやってたんだよ」

後始末?……あー、もしかしてギルマスさん俺を倒した後も暴走してたパティーン?

「…………ソレはなんかすまん」

そう素直に謝ると機嫌良さそうに

「全く……今回の相手は普通に疲れたよ?音山がお前の傷を回復させるのを手こずるわ白は発狂しながら毒撒き散らすわ、相手は相手で笑いながら毒に突っ込んでいくから撒き散らさなくて良い毒まで拡散するから俺が中和して無毒化するのにどれだけ苦労したか……前々から思ってたけど毒の奴は効率的だけど周りの労力と対価が釣り合ってないんだよね……」

そう愚痴ってくる

うーん……大分混沌とした風景が浮かび上がってきたな……

「まぁ…何がともあれ、お疲れ様…結局俺は不合格だけどね……」

そう言いながら布団に顔面からダイブする

人間は何か隠したいことや見たく無い事実がある人ほど顔面を下にして眠ることが多いらしい

確か何かで聞いたことがある謎知識

「え?何言ってんの?合格だぞ?一次試験は?」

………おっと?音山君がふざけたことを抜かしてきましたよ?

「勝負で負けてんだから試験の合格なんてあり得ないだろう?」

そう言いながら手をヒラヒラと振っていると

「あれ?もしかしてお前聞いてなかった?」

と鈴山が「コイツ……マジか」みたいな視線を向けてくるので流石に俺が何か重大な何かを見落としているらしいと言うことは判明した

「ん?俺試合開始してから司会の話は一切合切右から左に流してたから全くわかんない……」

ソレはソレで問題ありだぞと言う視線を向けられるのでムスッとしながら

「仕方ねーだろう?俺は突っ込むことしか能がないんだから!」

そう言いながら不機嫌に足をジタバタさせてると

「いや、普通に……どうして最後の2戦だけ豪奢に飾り付けしてたかわかってないのか?」

……あー、あの不可思議な装飾?

「8戦目の奴の趣味じゃないの?黄金戦士とか何とか言ってたし派手好きだからあんな装飾頼んだんかなーって思ってたんだけど?」

そう言うと一瞬此方を完全に馬鹿にしている視線を向けてくるので枕を放り投げておいた

「いててて、わかったよ勿体ぶらずに話すからその手に持ってるのをおろそうか?」

そう言ってくるので手に持ってた花瓶をゆっくりと下ろす

そうすると鈴山は一つ咳払いをしてから

「まずあの装飾はただ飾りつけるだけの意味じゃなくて試合会場一周させることで擬似的な結界を作り出すと言う意味があった、最初から結界をガチガチに張っちゃったら会場から外に出るのが難しいから解除のやり方が割と簡単な装飾で行ったの、んでここからが本題」

そう一区切りしてから鈴山は一口水を含む

どうやらギルマスの後始末は相当手こずった様だ

「あの装飾品所々光ってたでしょ?」

所々?一箇所しか光ってなかったように見えたけどな?

「そうか?一箇所しか光ってなかったか?」

そう言うと鈴山はコレだから……と言う風に顔を横に振ってくるので花瓶を投げつけとく

「プベ!?………ごめん今のはわざと…んで、話を戻すとあの装飾には約五つの光が存在した、そうだね……12時と3時と6時と9時の場所に其々一点ずつ、そして最後に時間経過を表す点が一点、そして時間経過で勝利する為に11分間10秒以上気絶しないで戦うってのがルールなのよ…んでお前はギリギリソレに勝って試験は合格したんだけど……やっぱ悔しいか?」

そう言われると悔しさがぶり返すわあ!!

「…………うん」

心の中は滅茶苦茶荒ぶっているが声はソレに反して静かな声しか出ない

俺も相当悔しがっている証拠であった

「まぁ……今回の戦いに関しては試合に勝って勝負に負けた…その上途中までお前全力出してないでこの結果だからな…まぁ、俺たちもアイツの強さは驚いたよ、何せ最初の見立てではアイツも他のS級より、多少強いって感じだったけど……あの武装を展開した瞬間から強さが異常に跳ね上がった……不可視の瞬間的な移動、更には再生不可能な攻撃、そして攻撃を喰らえば喰らうほど思考能力が鈍っていく……もし最初から攻撃を喰らわずに全力を出していたのならばお前にも勝ち目はあったのかもしれないが……態々自分から勝ち目を潰しに行ってんじゃお話にならないよな?」

…………はい……滅相もございません

「………けど、一応試験には合格できたって舐めてるだろ此処の審判………」

そう愚痴ると鈴山が

「まあ、言いたいことはわからなくもないけど………今回は『気にしない』のが正解なんじゃない?」

といってくるので何とか飲み込もうとするが

「やっぱり今回のは納得できない方が多いな………全くプライドも何もかも根元から圧し折られた気分だよ…………」

周囲の鈴山達はなんと声をかけて良いのかわからずに困惑と沈黙で答えた




同刻 ギルド医療支部

「痛い!痛い!痛ああああああああい!」

「うるさいですよ!ギルドマスターにもなってピーピーギャーギャー騒ぎ立てないでください!」

そこでは司会者とギルドマスターが二十代後半とは思えないほど喚き立てながら騒いでる光景が広がっていた

「全く……………ギルドで緊急時以外には決して開けてはいけないと言われている『魔王武器』を勝手に使用した挙句に死ぬ寸前まで戦って……………しかも戦いが終わったら治療が痛い?馬鹿言ってんじゃないわよ!」

司会者ことギルドの医療支部局長である彼女から言わせてみれば今日のギルドマスターの行動は下手をすれば国家反逆罪に問われても文句は言えないのである

「そもそも『年下に負けそうになって悔しくなったから国宝級の武装を使う』って馬鹿としか言いようがないじゃないの!」

そう言われてギルドマスターは少し気まずそうに顔を逸らす

彼女の言う通り今回の戦いでは完全に頭に血が上りすぎていたと自身でも実感している証拠である

「それに、アンタが全力出して殺す勢いでボコボコにしたあの子は今クイーンズブレイドの方に行ってるわよ?」

と消毒液をわざとかと思うほどに傷口に塗りたくってくるので一瞬意識を飛ばしかけながら

「も、もう意識が戻ったの?」

と思わずと言っていいほど衝撃を受けながら彼女に質問する

「ええ、試合に勝って勝負に負けたって愚痴りながら歩いて行ったってさ」

が、こちらからしてみれば試合も勝負も此方が敗北しているのだ

何せ取り出してはいけない武装を取り出して命を削りながら自身の戦闘能力を大幅に上げて相手にペナルティをかして戦っていたのにーーー幾ら相手の治療者が優秀だとしてもーーー奴が眠っていたのは僅かに三時間

三時間も眠らせられた、と喜べばいいのか

三時間しか眠らせられなかった、と嘆けばいいのか

多分両方であると私は睨んでいる

けれども今回は実力の差をまざまざと見せつけられた気分である

何せ初戦のソフィアですらその能力の全容を見抜けなかった自身の愚かさを恥じていたのに

あのロボットの様な輩には別の意味で驚かされ

最終的には奴と私の実力の差をこれでもかと見せつけられてしまったのである

本来であれば奴と私の実力はイーブンであると女王から報告が来ていたが

デマもいいところであった

奴の強みはその判断能力と継戦能力……………言わばタフネスさである

初日のソフィア戦で私はてっきりこれが終わったらてっきり休憩に入るものだと勘違いしていた

何せあの試合の激しさは今まで見てきた勝負の中でも断トツではげしかったのである

しかしながら、奴は八回戦までノンストップで戦い

八回戦も疲労から………というわけではなく完全に精神的に参ったから精神的に回復を図るために休憩を挟んだのであると考えられた

そして一番怖かったのが【黄金戦士】の瞬殺である

何せ奴は私の次にギルドで強いから私の前の障壁として今まで活躍してきたが一瞬で排除されており不覚にも大笑いしてしまったのである

そして奴と対面して簡単に自慢の大地魔法を攻略されてしまったが

そもそもの話【大地魔法】は大地と密接に繋がればつながるほど能力は大幅に上昇して尚且つ操作性も格段に向上するというのが研究家の間では通説であった、が

大地のプロフェッショナルである地龍の発言から鑑みてみると奴は恐らくそこまで大地と密接に繋がってはおらず

むしろ表面部分でしかあやってないと考察することができる

しかしながら本来ならば表面だけで大地を操ろうとすると操る大地はより脆くなり簡単に壊しやすくなってしまうのだが

ソフィア戦で彼が出現させた土の柱の一部を改修工事の際にギルド職員に持って来させたが

調べてみた結果その土の硬度は私のソレを遥かに凌駕するものであった

驚いたものだよ

「ど、どうしてコレほどまでに硬い地面を柔軟的に操ることができるのか?」 

そして何処まで密接に大地と繋がっているのかと

しかし蓋を開けてみると

「表面部分」でしか繋がってないという此方からしてみれば煽ってんのか?という事実が飛び出してきて既に卒倒しそうであったがそれでも自分の全力の必殺技を初見で回避されたときには少なからず衝撃を受けたものである

しかしその後に聞いた話だと大地魔法は密接になればなるほど魔法全体の強度が共有されて全体的に脆くなってしまうといわれたときには疑問符が飛び交った

「ねえ、大地魔法が大地と密接になればなるほど脆くなるって話知ってる?」

と手当のためでもあるだろうが全面を何も隠さずに晒しながら治療を受けていると暇なので質問してみると彼女は

「うーーん?そういう話はあまり聞かないけど………もしかしたらそうかもなあって感じたことは割とあるよ?」

と割と爆弾発言をしてきたので思わず体を前のめりにすると全身に鋭い痛みが全身を走り抜ける

何せ現在の私の体は以前の様な強靭さと頑丈さは持っておらず実力的には昨日までの半分以下というのが現実的であろう

だがそれでも有象無象のSS級の奴らよりかは実力があるので引退はできないのである

しかし傷が治るまでは良くてS級程度の力引き出せないであろうというのが私の見解である

おっと……話が脱線してしまった

「え、どんな時にそれをおかし感じたの!」

と鼻先に迫る勢いで近づくと

「はいはい治療中にいきなり動かないこと、で話すから落ち着いて」

となだめられてしまったので何とか聞きたい衝動を抑えながら待っていると

「それでね、一応根拠としてあげるなら貴女の必殺技かな~」

と治療も終盤に差し掛かった所でポロッと零すので遠慮なく顔を思いっきり近づけて疑問をぶつけると

「貴女の必殺技って地中の奥深くの一番固いところの一点を使って必殺技を放つでしょ?」

そう言われるので本来は漏らしてはいけないことではあるが頷いてそうであると示すと

「それでね、あの地龍君に言われた通りにそういうのって一つ綻びが出ると元の場所にダメージがフィードバックして結局全体にダメージが戻ってくることが多いのよ」

そう言われると大体の大地魔法はそうであると思い至り頭を悩ます

「まあ、こんなの普通は思いつかないよ、何せ飛んでくる大地魔法を一つ一つ砕きながら検証をしないといけないからね…………………」

あれ?地龍って普通に勝ててたんだ〜

会って話せばわかったんだろうねえ〜www

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