空に届け
相手に未曾有の好奇心が心を埋め尽くさんとしている今
相手に下手に突っ込むと自分が自爆する可能性が大いにあるのである程度のダメージ食らうのは覚悟しておいた方がいいのかもしれない
そう考えて相手の弱点を探そうとしている自分に呆れながらも少しの苦笑いを溢しながら
今回初めて起動した『技術』の能力を手探りで探っていく、しかし、それを相手に悟られてはいけないという事実に多少の恐怖を感じながら能力を発動させていく
そして、顕著に違いが現れ始めたのは
『阿修羅観音・悟』の能力である、この能力を発動してから体の『何か』が移動していくのを本能で理解する
ソレを体の中で最初に感じた数倍に練り上げていく
そして本能のまま己が体がなそうとしていることに身を委ねる
そして現るるは御手を百程携えた阿修羅観音とでも言うべき存在が創り出されている
そして、その手には其々別々の武器を携えており、見るだけで頑丈で尚且つ業物であることがわかる
そうしてから気づいた…これ、グングニルに似てるな?
「勿論……この世のありとあらゆる『技術』は"憧れ"や"思念"で創り出される、そこには一切の躊躇ない感情が混じり込むために能力は、この世で最も嘘を吐かない存在と言われている」
と完全に誰だ?となってしまうほど大豹変を遂げたバーサークロボットが口の端を吊り上げながら自身の強大さを誇示するが如く両腕を広げながら…
甘んじて一撃を受けるって?
「なら、此方から行くぞ!!」
阿修羅の手に持たれている武器が一斉に相手に仕向けられるのと同時に前に足を進める
第一歩の踏み込みから周囲数メートルを砕き一気に加速する
そして、武器を一気に放つのと同時に相手の顔面に拳を衝突させる
すると相手は大袈裟なまでに上体を逸らし、殴った此方はより一層強力になった雷の威力に僅かに怯みながら、躊躇を捨て去って更に自身の速度を上げていく
にも関わらず相手はまるで朝の新聞とコーヒーを飲みながらゆっくりしている家の父親の様に緩慢な動きを見せながら立ち上がる
……………まだ隠していることがあるのか?と一瞬怖くなりながらも、此処で怖がっても意味がない!
と自分を鼓舞しながら前を向き直りそして、第一の役目を果たした阿修羅観音を体に同調させる
阿修羅観音は俺の理解が正しければ、第一形態は『グングニル』の能力に憧れて
そして、第二形態の能力は…………恨めしく思っても俺の心の中に残り続ける人生で一番鮮烈で強烈な強さを誇る『アザトース』の強さを心の奥底から憧れてしまったらしい、本当に恨めしいことに
けど、第二形態の能力である純粋な肉体強化は………
「おらあ!!」
相手がどの様な装甲をまとっていようが砕く
其々五十本分の腕の力を入れているのだ多少の無理は当たり前である、がそれでも体に負担がかかりすぎてしまうので多少は後先を考えて短期決戦で決め切らないといけないな
と考えて更に踏み込んでいくが相手は予想していた言わんばかりの大振りの腕を此方に振って来ていて一瞬怯んだが敢えて紙一重で回避を敢行しながら拳の連打を雷の体に叩きつける
本来ならば雷のダメージを恐れて叩くことは出来ないが、今回の
『infightingー抜重』の能力で拳によるダメージ上昇のほかに、殴れば殴るほど速度が大幅に上昇していくという事実である
これを簡単に見逃すわけにもいかないので無理くり体を動かしつつ相手に着々とダメージを負わせていくが
どれもカス当たりなのである、本来ならば体の中心線に向かって拳を繰り出したいのだが、相手は腕や体に上手くフェイントを織り交ぜながら此方の攻撃をほぼほぼ無力化している
これでは肝心のダメージを相手に蓄積できずに時間経過と共に此方の形勢がより悪くなってしまう…………
そう感じて焦りを心の奥底に封印して拳にこだわらずに相手の意識の埒外に行ってしまったと考えていた足を相手の顔面に蹴り込む
いきなりのことで驚いたにか蹴りをまともに…………
いや、違う………………これは相手が望んでいた状況に引っ張られている!!
そう気付いた時には大袈裟に体の動きを止めてしまい電撃の一斉射出をもろに受けてしまった
「ぐ、ぐうううううう!?」
思わず呻き声が出てしまう程度には凄まじい程の電撃であり
相手はそこから更に迫撃を仕掛けてきている
雷の痺れの影響か体の反応がワンテンポ遅れてしまい体に衝撃が走り抜ける
それこそ雷が通り抜けたかのように……………いや、その通りかもしれない、相手は自身を更に雷とすることで攻撃力と速度を上昇させて、雷事態に干渉出来なければダメージは通らないのでこちらの攻撃がカス攻撃であったのですら、コイツの計算の内だったのかもしれない知れないが、地龍は避雷針みたいなことはできないのかって?
できる、できないの話であれば『できる』が、今回に関してはリスクが大きすぎる
何が大きいって?
相手は雷そのものであり幾ら地龍が避雷針の役割を果たせるからといって奴の雷を流してしまえば内部からの電気で気絶してしまう可能性がかなり高いそうである
けど、相手への有効打が存在しないのも又事実
そう考えると今現在改めて自分がどれだけ不利に立たされているのかがわかる
今回は流石に勝てるかどうか…………わからないな
そう考えて足を踏み出そうとすると
「ギュム」
という地面には似つかわしくない生物的な感触を足の裏から感じ取りふと眼下に視線をやると途中で高速戦闘についてこられなくなったツチノコさんの腹を思いっきり踏んづけているところであった
あっれえ?何でコイツあの戦闘の中生き残ってるの?俺コイツ怖くなってきたわ……………
と心の奥底で多少ビビりながら眼科のツチノコを見ようとしてすぐにその事実を思い出して体を後方に下げて両腕をクロスさせて投石のダメージを回避しようと試みたが、どうやら此方には来てないようだ、その事実におっかなびっくりになりながら周りを見回していると、壁に衝突している相手以外特別…………
ちょっと待て、お前なんで壁にめりこんでいるのだ?
そう思わず質問しそうになってしまったが何とか腹の底に鎮める、そして相手が壁に激突した理由について考えてみる
事象には必ず説明がつかなければ全ての項目が意味を成さない
だからこそ俺は足りない頭脳で考えて、考えて、考えぬないといけないと思っている
さて、余の計な考えは排水口に流し込んでいくここで変なことを考えているとマジで無駄であるからだ、そして相手のがどうして壁際に突っ込んでいったのかを考えなければならない
考えられる答えは、ツチノコの投石がなにかをなしたと言うことだけは簡単に理解することができた、しかし、それがどうやってなされたかなど全く考えが及ばずに頭に様々な案浮かんでは消えている
そして、結果的にはほぼほぼ答えが見つからない、が、ツチノコの投石には確実に魔力は込められておらずそれは確実性の高い情報である
……………じゃあ石の素材か?そう思いもしたが俺がツチノコの中にぶっこんだ石はどれもこれも変哲もない石であるから、とてもではないが特殊な石である可能性が低いと俺は考えている
となると奴はなんで石であんなにダメージを食らっているんだ?
わからないのでノアに聞こうとしたら気まぐれに(多分)ツチノコが吐いた石が顔面に衝突する、取り敢えず痛い…………
と思ったが痛いのは確かに痛いが、最初の衝撃の瞬間が一番ダメージが多く、その後の素材自体の痛み刃そこそこだな……………と考えて何気なく下に落ちている物体を拾い上げると、握り拳大の大きさのゴムの塊であった
なるほど、絶縁体であるゴムの塊であれば凄い勢いでいきなり発射されれば体がより雷の状態に近づきつつある奴ならば簡単に大ダメージを食らうであろうと予測することができた
けど、あくまでも仮設の域を出ないので今だに威力の影響で寝転がっている奴に向かって全力投球!!
(お前は鬼畜か?)
と何処からか呆れ返ったような声がしたが気のせいだ、気のせい
そう思い込んで精神の安定を図る、そしてゴムの塊を投げつけた雷人間は
「ぜえ、ぜえ、ぜえ……………」
と先程までとは打って変わって、肩で大きく息をしながら何とかゴムの塊を避けたようである
ゴムの塊は、一応相手が回避したことにより此方の手中に帰って来ている
これ…………まあやればわかるか……………
そう考えながら、悩むならやっちゃえの精神で手に握っていたゴムの塊を
「フンッ!!」
と力強く握ると矢張り此方の狙い通りゴム化のバフを手に入れることができた
……………本来いつ使うことができるんだ?これ?
そう不可思議に思いながらも、それも仕様か……と考えながら肩を回して軽く準備運動をする
もう体が疲労のピークを迎えてしまい、何とか動けるがこれ以上無理に『技術』を扱えば自爆するのは目に見えている
だから此処からは俺は純粋な肉体戦を演じなければならないが、相手は更に酷い可能性が存在している
なにせ、最初の四角い箱みたいな変に機能美を追求したような形のロボットから二段階の変化の後確実に命削る系の技を繰り出して、それを一切解除せずに今の今まで戦闘を継続した結果、今回は演技ではなく本心からとしか思えない疲労の色をにじませており
叩くならば今しかないと感じさせるには十分すぎる材料であったが、最後の戦いに挑むのにゴムの塊のバフをかけて戦うのは絵面的に相当やばそうだなと感じたが黙って笑いをかみ殺しておいた
そして、今度はこちらが大きく両手を広げて、甘んじて一撃を受けようと意思表示をする
すると相手はゆっくりと立ち上がり、クラウチングスタートの構えで此方に向かって……………
変に格好つけないで普通に戦えば良かった……………
そう僅かに後悔したのは秘密である
そして、相手が閃光にも勝る速度で此方に肉薄して来て『ラリアット』かましてくるとは………………あの速度で首狙って来るのは反則だと思うんだ
わかるよな?今度はこっちのターンだ、そういわんばかりに口の端氏を吊り上げると相手も流石に不味いと感じ取ったのか慌てて飛びのこうとしていたのだが、此方はこの瞬間のためにクソ痛いラリアットを死ぬ気で受けたんだ
「甘んじて攻撃受け取れや…………クソ野郎がああああ!!」
今世紀最大の叫びを浴びせながら最後の体力を使い果たす勢いで殴り続ける
拳の骨が幾ら砕けようと俺には一切関係ない、今此処で拳を降るのをやめてしまえば俺は一瞬で地べたを這いずって気絶して、一からやり直しという地獄を味わう羽目になるだろう
だから、此処で決めきる
そのラッシュには躊躇なんて必要ない、どうせ俺が死ぬ気で殴り続けても気絶こそすれ死にはしないだろうと、心中で悔し涙とれる泣き言を言いながら全速全開で拳を振り続けるが、唐突に限界が訪れる
更に追撃をかけようとした瞬間に拳を握り閉めることが出来なくなってしまったので足で蹴り払おうとしても体そのものに力が入らなくなっておりそのまま後ろに倒れ込んでしまう
「くそ…………此処までか…………………」
とこの試合で初めて本気で泣き言を言いそうになった瞬間
「お前の勝ちだ…………………おかげでようやく逝ける」
そんな言葉が聞こえた思った瞬間、目の前から相手が消失した
第八回戦
勝者『地龍』
勝利方法『相手の自滅』
「納得いかねーーーーーーーーー!」
そう休憩室で目一杯ポーションをかけられながら叫び散らかす、今回の勝ち方に関してはマジで納得がいかない!
そう叫び散らかそうとして
「しょうがないでしょ、多分アイツは自分じゃ自害できないように設定されていて、誰かとの戦闘で自分のエネルギーを全て使い切ることで死ぬことができなくなってしまったんだから…………………まあ、簡単な予測にすぎないけれど、あれは戦争に扱われるために生み出されたといっても最早過言ではないからね」




