空に届け7
………
前回までの粗筋
ミサイルバッティングをしてたら機械が凶暴化して此方のことをぶっ殺す!!みたいなオーラ出して来たぞ!
やったね!
さて、本当に久しぶりの粗筋になってしまったが……やっぱり粗筋だなあ、と感じてしまう、と言うかコイツヤバくね?速度はゴミカスだが攻撃力に関しては俺が喰らえば簡単に吹き飛ぶ威力を持っている上に
内部のギミックは未だに健在である
その上……誰かのスキル…もしくは必殺技をコピーする権能についても未だに謎が多い
まさか……今日コイツの攻略で一日使い切るとかないよね?
何だろう……S級の強さにムラあるのやめてもらって良いですか?
というか、一番最初に大将級とか出すのって反則だと思うんですよ
最初は斥候的な人物が此方の実力を測るために出てくるのかなー?って予想してたら普通にバチくそ強い輩が出て来て絶句したよ?
そういや、コイツも大概だったわ
「…………はあ、」
と溜息を吐きながら背中から出ている銃弾を躱しながら手に持ってるママごと様の包丁?と思うくらい体のサイズに合っていない魔法剣を振り翳してくる
ちなみに、このバーサークロボが持っているから小さく思えるのであって
俺からしてみたら絶賛大剣を振り回されてる気分です
………あー、少しめんどくさいな……
そんな声が頭の中に響く程度にはダルい戦いになって来た……仕方ない…一朝一夕で出来るとは思ってないけど
「……【大地深淵】」
大地魔法の究極……本来ならこんな所で切るべき切り札ではないと本能が警鐘を鳴らしている
が、ソレがどうした?
今の勝利の為に!切り札を切らないのは恥だろう!
「狂いたまえ、迷いたまえ、全てを内包せし大地は今深淵を語りて、矮小なる存在に…」
クソ……こんなことなら詠唱のコツを妹から問いただすべきだった、【ノア】のおかげではしょっても威力に関わらない部分は削れているが……
内部の魔素が馬鹿みたいに暴れている!
まるで爆弾を中に入れて全体を撹拌されてる気分だ!
「…永劫の罰を与えたまえ!」
そう詠唱を終わらせると
「あれ?何も起こらない?」
そう誰かが呟いた、そう、何も怒ってないのである
しかし、強者にはわかる
「コレ…何か変わったね…」
そう………誰も気づかない様な僅かな変化は確かに世界を侵食する
「グオオオオオオオオオオオ!!」
バーサークさんは此方がやった決定的な変化に気づかず真正面から突っ込んでくる
全く……機械仕掛けのはずなのに俺より頭悪いとか終わってるんじゃない?
そう一瞬思ってしまったが……コレに関しては俺も【ノア】に指摘されるまで全く気づけなかったので人のことは言えないなと思いながら
バフガン盛りにした拳を相手の顔面に打ち据える
そう、顔面に当てたのだ
「!?!?」
相手の困惑もわかる……何せ俺が初めて効果を確かめようと能力を発動した時にも何の効果が発動したんだ?って思って色々試したけど…結果何の効果が発動してるのかよくわからんと言う謎結果を叩きつける曲者だったけど……
白達が飯の報告をしに来た時に効果が発覚したもんだから凄い肩透かしをくらった気分になったんだよね……
そう、この能力は
『大地に両足をついてる相手への完全催眠』
両足を大地についてない人物に対しては効果が薄い風に見えるが、この前の特訓のおかげで何とか空中も『地面』と認識できる……
地面って認識できるなら空中機動できたわ……
ふむ、これはやっちまったなあ!ってやつだな
んで、両足をどこについてようが完全催眠の手中に収められるから強力無比に思えるだろ?
けど、コレ……息を止めてる間しか発動できないんだよ
俺の使う能力は別に詠唱がないから平気だけど息をずっと止められるってわけじゃない
と言うか一分位息を止めてれば苦しくはなってくる
しかも、不動で一分、激しく動いたらギリギリ三十秒持てば良い所であるのだ
しかし……息を止められてる間ならば相手は完全に此方のことを見失う、此方も無理して息を止めすぎると苦しすぎて幻覚が見えてくるが……
取り敢えず今のうちにアイツを倒そう!
そう決意して相手に襲いかかる、あくまでもこっそりと
尚且つ蝶のように舞い、蜂のように刺す!
刺すじゃなくて殴るだけど
そんなことを考えながら相手に向かってバフガン盛りの拳を振り抜くと相手は頭に、此方は拳に衝撃が走り抜ける
声を出してもアウトなので何も言えないが絶叫を響かせたい心は誰もが理解してくれるであろうと信じている
と言うか、冗談抜きでマジで痛い
コイツの装甲……どうにかしないと俺の腕がいかれる!!
そう思ってアザトースから拝借した短刀を抜く
コレで解体作業ができるかどうかはイマイチであるが……ソレでもやるしかないんだよなあ…
そう考えて相手に突っ込む
が、すぐに違和感を感じる
(何だ……見られてる!?馬鹿な……この能力は大地……空中を含めて足を大地に触れていたら俺の『催眠』の効果の対象になるんだぞ!?)
そして、その違和感はすぐに確固たるものとなる
「クソッ……バレてたのか!?」
そう愚痴りながら息を一気に吐き出す、何と相手がいきなり此方に向かって殴り出したのだ、とてもではないが当てずっぽうには見えない上に俺の体にジャストミートしてしまったので、どちらにせよ強制的に息を吐き出されてしまった
けど……どうして?
〈恐らくサーモグラフィーを使ったのでしょう、主の能力は生命に対して最強クラスであっても…無機物まで洗脳できる部類ではありません〉
つまり?俺の熱を察知して殴ってきたと……マジかあコイツ
そんなもんまで搭載してるとかヤバすぎるだろ
俺の必殺が完全に完封されちまった……
もしこの必殺で決めるなら対策が取れてなかった今この瞬間しかなかったのに……
次からは確実に対策をされて通用しなくなる……
クソッ!!
そう心の中で悪態をついていると
「貴様のターンはお終いか?なら私のターンだな」
般若の三倍くらい怖い画面をつけている人物が発している声だとは思えないくらい端正で尚且つ落ち着き払った声に一瞬驚きを隠せずに二度見してしまうが
この後四度見を敢行する羽目になった
「バースト・ブレイク・ボディ」
………えっと?すいません、貴方はどちら様でしょうか?
私…今バーサークロボットと対戦していたはずなのですが?いきなり全身が触ってはいけないような雷に包まれ始める
……おいおい……マジかよ、コイツ……なんかエゲツない技持ってやがったな…
まぁ、言うてもやることは変わらんけどな
そう考えて突っ込もうとした矢先
「え?」
体が両断される
そんな未来を見た
全身から嫌な汗が吹き出る
何なんだ?今のは……アザトースと戦った時ですらこんなに濃密且つ濃厚な死の気配はしなかったぞ?
……なら考えられる理由は……
アザトースは遊び…コイツは俺の命を狩りにきている…
クソッ……全く体ってのは正直だよな?
コイツの凶悪なまでの殺気を真正面から喰らって……足が動かねえ!!
……全く、情け無くなっちまうが、助けを…
「もう乱入して良いよね!アレは試験の範疇に入らないでしょ!」
そう叫んで妹さんが乱入していく、ソレこそ必死の形相で
……俺にしてみれば少し強い程度……いや、あのエネルギーの広がり方は!?
「おい、白、音山!お前らは此処ら辺の市民の避難誘導をしろ!アイツ此処いらの住民と建物を吹き飛ばすつもりだ!」
そう言うと白が瞬間的に消えた、アイツ人の命に関してはマジになるから信頼できる
音山も大急ぎで走って行った
「他の奴らも今すぐ避難しろ!」
そう叫びながら地龍の元へ駆けつけようとして
えっと?自爆するんですか?コイツ……
嫌〜な情報聞こえた……あとは鈴山や妹に任せて俺も避難民に……
「『雷檻宇の間』」
………全身から放出された雷が増殖・拡散を行なっていき、フィルード全体に雷が迸る
あ、妹達が弾かれた
〈恐らく強者ほど強く弾かれる性能を持っているのでしょう〉
イジメか?
お主……弱いものイジメをして楽しいか?
………まぁ、そんなこと言われても戦いって強いから弱いかを決める戦いだから迷惑だろうが
そんなことを考えてる隙に相手の体が僅かにブレる
「………チッ!!」
一瞬反応が遅れていたら顔面を蹴り飛ばされていた……
絶句するしかないその事実を心の内に閉じ込めながら何とか体を僅かに反転させて恐らく相手が居ると思われる方向に拳を振り抜くが
「クソッ……速すぎんだろ」
そう呟くことしかできなかった、何せ一瞬で背後に回られ顔面を地面に打ち据えられたからだ
……コイツは……不味いな…
薄れゆく意識の中、辛うじて細い意識を保っているが相手の動きについていけるほど力は回復していない
なんせ、今此処で立ち上がれていること自体が奇跡に近いのだ
しかし、此処でまた気絶してしまうと大変なことになってしまうのは目に見えているので何とか体を起こし続ける
一瞬も相手から視線を外してはいけないと本能が警鐘を鳴らしている、が、相手の速度は今までの中で最速な上に、此方のことを傷付ける際に他の相手とは違い一切の躊躇がない
初戦のソフィアに関して言えば途中からお互いボルテージが上がり切って、二人とも途中で死んだら仕方ねーかと言う感じで戦っていたが
ソレ以外の奴らは試験という名目と善良な心根が相手を傷つけるのを躊躇させているのだが
(そんな奴らを躊躇なく潰す俺も俺だが)
どちらにせよ、相手が『生身の人間』であるということは割と人に制限をかける、なんせ相手は強いとはわかっていても下手をすると相手を殺してしまうかもしれないという心理的負荷がいつものパフォーマンスを崩すのだ
ソレがあるからこそ俺はアイツらを(犠牲になったS級の方々)潰せたんだが
コイツには躊躇がない
と言うか、人間としての道徳心がないかもしれない
何せ、先刻普通に金的狙ってきたし
……まぁ、取り敢えず相手の動きを観察するところから始めよう
そう思い、相手の行動をしっかりと観察することにした
相手の体からは絶え間なく雷が放出されており、体は不定形に揺れており、先刻までの重っ苦しい装備は既に消えている、手元にあるのは無骨な大剣一つであり喉元に突きつけられたら簡単に首と胴体が泣き別れになってしまうであろう
そして、相手の全身は枷のようなものが嵌められておりまるで奴隷……いや、間違ってはいないか
なんせ奴は何処かの王国で戦闘員としてこき使われる為に連れ去られてパワードスーツを装着させられたんだ
……けど、今は感傷に浸っている場合ではない
相手がどう動くのかをしっかりと観察しないといけないのだ
そう思って少し痛みが引いてきた体の重心をやや前傾にする
此処で前から来ると限定したのは、下手に後ろを警戒してしまうと、反応しきれない可能性が浮上してくるのだ
だから、後ろは捨てる
しかしながらカウンター主体で行動していると相手のペースに乗せられて身動きが取れなくなってしまうのである、だから相手の動きを見切り、そこから先手を取らないといけないのである
しかしながら、相手の速度は音速を超えるであろう領域に達している
ならばどうするか?
答えは簡単だ
【ノア】!アイツに少しでも異変が起きたら俺の体をフルオートで動かしてくれ!
もしコレが一試合目ならば見切れていたかも知れないが、今の俺は連戦による精神と体の疲労の蓄積により最早相手の行動を見きれない
だから見切れる相手に一任する、俗に言う適所適材である
〈いいのですか?〉
と半ば呆れ半分に問いかけてくるノアには確かに此方を気遣う声音がする、が、最早それに答えて相手にできるほど余力はない
そして寸秒の逡巡のもと体に自分のものではない何かが入り込んでくる感覚が体の中を暴れ回る
「ふう、ふう、ふう…………………」
と肩で息をしながら何とか自分を奮い立たせる
機械銃の戦闘描写が難しく人型に移行してしまいました
すいません
ちなみに、バーサークロボが使ったのは『魔法』ではなく
『技術』という魔法とは別の形態の技です
次のお話で詳しく解説します




