空に届け1
『シャングリラフロンティア』のサンラクのフィギュアをユーフォーキャッチャーで二百円で手に入れまた!
ツチノコ懐かれた
字面はヤバいが、本物でない上にただの食い意地が張る蛇である
……でも問題があって
〈個体名『◾️◾️◾️◾️◾️』の分裂体
能力
空間収納『どんな物体でも収納できる、尚且つスキルの影響で入ってる物は察知されない』
物質変質『自身の体内に入ってる物質をランダムで変質させてしまう、しかし魔法の力が強く籠っている物は変質できない』
射出『距離×100の威力で物体を射出する』
………名前わかんない、有用そうな能力を持ってる………
コレから訪れるかもしれない危機と有用性を天秤にかけて
「まぁ、連れて行くか……」
と面倒ごとが巻き起こりそうな予感しかしないけど………まぁ…いっかあ
そう考えながらツチノコを腹の辺りにしまい込む、肩に乗せるタイプは俺の骨が死ぬ……頼むから歩くか其処に居てくれ……じゃないと俺が終わるから
そう考えながら肩を回しながら調子を確かめる
よし、コンディションは十分……ノーダメ、ノーデスのルールは多分適応されたままなんだろうなと考えながら
やっぱりこの試験を考えた奴って悪魔か鬼の子孫なんじゃねーかと思う
だってどう考えたってS級冒険者相手に完封しろとか……よほど強くて自信家じゃねーと
『よっしゃー、勝ったるでえ!!』
とはならねーだろ、と言うかなる奴がいたら逆に教えて欲しいんですが?
あ、白とか鈴山とかは割と普通に言えそうだわ、なんせコイツらマジで強めだしな……最初はコンディション最悪だったからアザトースに押され気味だったが、今のコイツらなら純粋にアザトースと殴り合いはできるんじゃないだろうか?
うーん、何だろう……俺の周りには化け物しか集まらない設定でも課されてるのかな?
そう思いたくなるほど強者がゴロゴロいる
わあ、化け物達のバーゲンセールだよ?
ちなみにアザトース並に強い奴らだからマジでお気をつけて
……コレさ攻略できる人いるのかな?
だってさ俺は除くとして、俺以外の奴らから崩すとしたら……まずは音山だろ?でも音山崩したら白と鈴山がバーサークモードになるじゃん、で、この二人がバーサークになったら国どころか大陸が滅ぶんじゃね?
で、そうなると興味を持ったアザトースが出張ってきて、此処は阿鼻叫喚の地獄絵図に生まれ変わるだろ?
で、其処に人類が割り込む?
無理ゲーだろ
で、俺が殺された時は……あれ?妹がバーサークになる未来が見えるぞ?
……うん、この思想は危険だと思い全力で視線を逸らすことにした
けどさあ、俺だって別に何の理由もなくこんな無駄な思考を展開してるわけじゃないのよ……
「ふぅ…………」
体の全身を支配する僅かな緊張を深呼吸と共に吐き出す
コレに失敗したら無職……!
コレが就職活動に挑む卒業生の気持ち!
(多分違う)
けど、今回に関しては冗談抜きで合格しないといけない
俺がコレからどう行動するにしろ、コイツらの力は嫌って程目立つ
何せ、話を聞く限り生ける災害か何かにしか聞こえない『穢れ』と戦い、世界を破滅に導かんとした鈴山と戦い続けた白達と
単純な戦闘力で恐らくアザトースに比肩するであろう妹
妹に関して言えば知名度もソレなりであろうから後ろ盾は必要なさげであるが……白達に関して言えばそうも言っていられない
何故かって?別にこの世界は性別や年齢で相手を侮る風潮は確か傀儡では無かった
けれど、此処は小説の中ではない、この事実一つで俺は余計慎重に成らざるを得ない
コイツらを守る為の権力を見せかけのでも良いから手に入れないと成らない
まぁ、その後仕事漬けになるのはマジメンゴだけど
けど、ソレでも俺は試験を合格しなければと言う強迫観念みたいなものに迫られていると
「……緊張しすぎ……別に落ちたら落ちたで職業が取られるわけでもないし……何処かで仕事探せば良いじゃん?ソレこそ此処の女王お兄のこと気に入ってるんでしょ?だったら何処か辺境の領地でももらって其処で慎ましく生活するってのも一つの手立てだけど?」
……良いのか、そんな緩みきった生活を想像して?
「あー、もう、大丈夫だって!ソレに別にお兄は弱いわけじゃないんだから背筋伸ばしてシャッキとしとけば相手だって緊張して十全のパフォーマンスができなくなるんだから……自信なさげにしているのが一番相手を助長させる手助けになるんだよ?」
……すっごい正論で何も言い返せないんだけど……
珍しく妹が鬼気迫る勢いで此方に向かって熱弁するので其れに聞き入りそして
「あー、ごめん、変に緊張し過ぎてたみたいだ……なーんか、昔のことが原因で試験やら大会やら何やらのイベントの前になると悪い思考がぐるぐる回って悪い考えが頭を埋め尽くしちまうのは俺の悪い癖なんだよね……」
そう呟いて両の頬を叩いて気合いを入れ直す
「よしっ!気合い入れていこうか!!」
そう言いながら歩いていこうとすると
「ん?どうし………あー、ね……いいね、こう言うのはムードからだしね!」
そう言って妹が珍しく他の人と肩を合わせて円陣を組んでいるのに驚きながらもその輪に加わり
「すぅぅぅぅう、ヨシっ!!今日!!俺は!!S級冒険者を十人抜きして!!その勢いのままクイーンズブレイドを蹴散らす!!コレが無理なら諦めて辺境の領地でも何でも生き抜いてやらあ!!」
そう背水の陣をしく、此処まで来たら男は度胸だ!
「おおおおおおお!!!」
「じゃあ、気合い入れてくぞお前らぁ!!」
そう言って最後にふっと思いついたチーム名を叫ぶ
「『異世界人チーム』ファイオー!!!!」
「「「「オオオオオオオオオ!!」」」」
喉ガラガラ……
あと、此処通路街のど真ん中で俺たちの鬼気迫る何かに恐れをなして何も言えなかった人達が苦情を呈してきたので早々に退散する
「でもさあ、良かったの?」
と質問してくるので、此処で「何が?」と問い返すほど鈍感でもない
「別に……ソレこそ今日中に全員蹴散らしてやる……俺はこう言う時自分を追い込んでテンション上げなきゃ安牌をすぐに取るからな……リスクをとって初めてゲームは楽しくなるんだよ!」
そう言いながら口の端を吊り上げる、思わずやってしまったが、今はとても心地が良い……そうだな…こんなに心地がいいのはあの大会以来か
アレから色々とイベント前は緊張してしまっていたが今はとても心地よい
コレを異世界に来る前に気づけていたらどれだけ良かったか……まぁ、いっか
そう考えながら上機嫌に第一歩を踏み出す
そうしてようやく辿り着いたギルド
前は小さく感じた門が今では酷く大きく、そして威圧感を持つ扉に見える
いいね、この緊張感……コレが好きでゲームをしてんだ俺は
まぁ、今だに戦闘をゲームとして捉えるのはどうかと思うが……まぁ、そう考えることでモチベが上がるんだし良いか
大分適当になっている感性をあえて放置しながら前に進む
そしてギルドに入るなり
「クイーンズブレイドの試験を受けさせてくれ!!」
そう叫ぶ、もうどうせ此処まで来たなら恥も何かも捨て去れ、全てを巻き込んでこの後下手に騒がれない様に見せつけてやる
まぁ、俺別に強いわけじゃあないんだけどね
そう思いながらも敵がどんな奴が来るのかと思っていると
不意に手が震えているのを感じる、最初はまだ緊張が解けきって無いのか……と考えたが違った
コレは武者震いである
その事実に非常に好感を持ち、そして口を吊り上げながら通された部屋を見向きもしないで試合会場入りをする
本来絶大な効果を発揮するであろう上の服を脱ぎ捨て、ツチノコを肩に乗せるだけと言う
異色の格好で入り込むと、冒険者達からは疑問の視線を浴びせられる
その状況が酷く滑稽に思えて更に笑みを深めていっていると
『さあさあさあさあ!!お立ち合いの皆さん!!今から始まるはこの世界最弱と謳われる地龍が!!種族の最弱の濯ぐためにS級冒険者達に挑みに行くと言う……コレを勇敢と言うのか、蛮行と言うのかは彼の実力次第だあああ!
さあ、今回彼はどの様な戦いを魅せてくれるのか!!乞うご期待を!
そしてそんな新人を真正面から打ち砕くは!!』
其処まで叫ぶと向かいの入り口から足音が響いてくる…のでそっとツチノコを持つ
『彼を迎え撃つはギルドに入れば一度は噂は聞いたことがあるだろう!この国の庭園の絶対の守護者!庭園に作法なく入る者は誰彼構わず血祭りに上げ、その体を真紅に染めることから【薔薇騎士】の名を冠する彼女の噂を!!そして今回体を真紅に染めるのはどちらか!!では、コレから地龍vsソフィアの試合を開始します……え?』
司会の人が驚くのは仕方ない
何せ新人が勝負開始と同時にツチノコの腹を押してくれ顔面にどこから出てきたのかわからない石をめり込ませていたら
けど、俺が驚くのは相手の行動である
相手はまるでその行動を予知していたのか如く、此方に一直線に走ってくる
くそ、全身観察する暇がねえ!!
しなくていーわ、と言うツッコミが聞こえたが無視だ無視!
そう考えながら両の拳に嵌められ、此方を真正面から打ち砕こうとしたメリケンサックを、装備なしで打ち砕く
そして、メリケンサックを壊した勢いで防御姿勢に回る相手の腕に連撃を叩き込みながら、壊した武器の性能を足に纏わせて相手の顎を捉えんと振り抜くと空振りに終わる相手は紙一重の所で回避しており、その回避技術は賞賛の言葉しか出ないほどである
しかし此処で止まっていてはつまらない
なので一気に距離を詰める
そして相手が振り抜いてきた拳を、足に纏わせたオーラを腕を保護する様に纏わせながら的確に捌いていく
おいおい、確かに筋は悪くねーが……ヴィオに比べるとどうも威力も速度もお粗末だぜ?
そして何度も捌かれたことに驚いたのか体勢が此方が一歩後ろに下がるとすぐに迫撃を掛けようと前に出てきたので、容赦なく鳩尾に拳を叩き込む
「が、ガハア!!」
そう叫ぶ声すら今は生ぬるく、そのまま闘技場の壁に叩きつようと思いっきり振り抜こうとすると、やけに軽い素振り音だけがあたりに響く
ソレに僅かな驚きを感じながらもすぐに状況確認をしようと一瞬足を止めようとして
すぐに会場を縦横無尽に駆け出す
会場の通った跡にはまるで追尾するように無数の弓矢が放たれており
時には拳で、時には空中で身を捩り回避、時には大地魔法を駆使して防御壁を展開する
そうして相手の弓の総数が尽きるまで逃げようかと考えたが
やめだ……こんなん
「あのクソ野郎と戦っていた時と同じだ!」
そう言いながら、両足を地面にめり込ませて空へと駆け出す
スキルか何かの影響なのか空中に浮かんでいる相手に迫撃を掛けようとすると
「【弓術 五月雨矢】」
チッ、此処にきてスキル関連の技かよ、ダリーな
と考えながら大地から2本の柱を建てて、其れを上手く使いながら矢を回避していく
所々出ている突起を足で捉えれば垂直であっても地面と何ら変わらず高機動で駆け抜けることは何ら不可能では無い
『じ、地面を這うしかのうがないとまで言われた地龍が勝負が始まり一分も経たないのにソフィア選手を追い詰め!!そして空を駆け回っております!!』
はっ、俺がアイツを追い詰めてる?馬鹿言うんじゃねーよ
よく見てみろ、追い詰められてる奴ってのは多かれ少なかれ汗をかいているもんなんだよ……ソレが全くねえってことは
コイツが相当のポーカーフェイスなのか
まだ誰にも見せたことがないほど強力な隠し球が存在するか…さてさて、どう対処するか…
そう考えながら距離があと十メートル近くになったのを確認して
一気に加速する
メリケンサックの『破壊補正』の能力を駆け抜ける際の衝撃波に加えることができれば一時的に限界を超えて加速することが可能だ
まぁ、威力が大きくて足がボロボロになるが、ノアと命の源泉がある限りダメージはノーカンにできる
そして、瞬きより速い速度で相手の前に踊り出て拳を顔面に振り抜こうとして
すぐさま飛び退く
「たくっ……アンタ騎士じゃねーのかよ!」
そう叫びながら危うく空から降ってきた魔法に貫かれそうなった手の安否を確認しながら
「別に……確かに私は騎士だが……ソレは現実の職業からでな……本当は【魔法騎士】が私の職業だ」
……たくっ、コレだからアンケートなんて信頼できねーんだよ、誰だよあんな嘘っぱちの記事を発行したやつは!!今度俺が見つけて断罪すんぞ?ああん?
此処で考えても仕方ないことを延々と考えながら星が今まさに
『貴様の居場所は此処だ!!』
と叫ぶ様に大地に引っ張ってくるので自由落下をしている
この距離ならあまり時間はかからず地面と接着するんじゃないかな?
さあ、お待ちかねの戦闘シーンだ!
随分と久し振りなのは少し目を瞑ってください




